更新日: 2023.12.20 その他暮らし
隣の木の枝が入り込んできたら勝手に「剪定」してもいい?「費用請求」はできる?
敷地内に入り込んでいても、特に支障がなければよいかもしれませんが「壁や屋根に当たっている」「落ち葉が落ちてきて掃除が大変」などの事態が起こっているようならば、早めに対処したいものです。
本記事では、敷地内に入り込んできている隣家の木を勝手に剪定してもよいのかとか、依頼した場合に剪定料は請求できるのかなどについて、ご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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隣家の木が敷地内に入ってきたら切ってもよい?
以前の民法第二百三十三条によると「隣家の庭の木が敷地内に入り込んできた場合、その木の所有者に木を切除するようにいってもよい」とのことです。
隣家の住人に「切ってください」とお願いすることはできても、勝手に切ることは認められないと考えてよいでしょう。
しかし、2023年の改正により、木を切除するように依頼しても、木の所有者が「相当の期間内」に切除しなかった場合は、土地の所有者がその木を切除できるようになりました。
そのほかにも、木の所有者が誰なのか、どこにいるのかが分からないときや「急迫の事情がある」ときにも、土地の所有者が切除することが認められます。
つまり、木の所有者に切除を依頼してから「相当の期間」が経過していない場合や、所有者が分かっている場合、「急迫の事情」がない場合などは、勝手に木を切ることはできないと考えたほうがよいでしょう。
剪定料は請求できるのか?
木の所有者に切除を依頼したところ、「あなたが切除してください」と言われる可能性もあります。
ただし、木の切除を業者に依頼する場合は、事前に木の所有者と支払いについての話し合いをしておくことが必要です。
いざ費用を請求してから「業者に依頼するとは思っていなかった」などと言われて、トラブルになる可能性もありますので、文書に残しておくことをおすすめします。参考までに、植木の剪定を業者に依頼した場合の費用相場は、以下の通りです。
・3m未満の木:2500~5000円
・3~5mの木:6000~1万円
・5m以上の木:1万6000円~2万5000円
所有者が一定期間切除しなかったら木の剪定が行える
隣家の庭に生えている木の枝が、自分の家の敷地に入り込んできているときの対処法について解説しました。2023年の民法改正により「木の所有者の合意がなくても、土地の所有者が木を剪定してもよいケースもある」という内容にルールが変更されましたので、確認しておきましょう。
しかし、剪定するとなると費用もかかるため、民法で決められていても、その適用をめぐってトラブルになる可能性は十分にあります。できるだけ穏便に済ませるためにも、木を縛って伸びる方向を変えるなど、木を切らずに済む方法を考えてみることも、一つの方法かもしれません。
出典
デジタル庁e-GOV法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)(竹木の枝の切除及び根の切取り)第二百三十三条
法務省 民法の改正(所有者不明土地等関係)の主な改正項目について 越境した竹木の枝の切取り(29ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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