更新日: 2023.12.20 その他暮らし

お墓の引越しを勝手にしようとしたら「ダメ」と言われてしまいました…事務手数料などかかるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

お墓の引越しを勝手にしようとしたら「ダメ」と言われてしまいました…事務手数料などかかるのでしょうか?
「お墓参りへ行きたいが、遠すぎて身体的負担が大きい」「お墓を管理する人がいなくなった」などの理由から、お墓の維持・管理が難しくなり、お墓の引っ越しを考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
お墓を引っ越すことを、正式には「改葬」といいます。
 
改葬をするためには「墓地、埋葬等に関する法律」に基づいて、手続きが必要です。この記事では、改葬の手続き方法や必要な費用について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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お墓の引っ越しに必要な手続きとは?

お墓の引っ越しには、市区町村長の許可を得るための手続きと、新しいお墓の場所を借りるための手続きが必要です。
 
お墓の引っ越しをするための、おおよその流れと必要な手続きは以下の通りです。
※お住まいまたは引っ越し先の自治体により異なります
 

1. 新しいお墓を決める。
新しいお墓の管理者の証明となる「墓地使用許可証」または「受入証明書」を発行して もらう。
 
2. 行政手続きのため、現在埋葬している市区町村の役所で「改葬許可証」の交付を受ける。
交付には、申請書に現在のお墓の管理者から発行される「埋葬証明書」と、移転先から発行された「墓地使用許可証」または「受入証明書」を添付して、「改葬許可申請書」とともに申請する。
 
3. 閉眼供養をして、既存のお墓から遺骨の取り出しを行う。
 
4. 既存のお墓を解体し、更地にして返還する。
 
5. 移転先のお墓に「改葬許可証」と「墓地使用許可証」または「受入証明書」を提出し、 開眼供養をして、新しいお墓に納骨する。

 

お墓の引っ越しの事務手数料

お墓の引っ越し・移転・改葬にかかる費用相場は、以下の通りです。
 

●「改葬許可証」の発行に関わる手数料:0~1000円(※自治体により異なる)
●「埋葬証明書」の発行に関わる手数料:300~1500円(※遺骨一人分につき1通発行されるため、人数分の費用がかかる)

 
改葬許可申請書や提出書類は、各市区町村により異なる場合があります。詳細については、現在お墓がある市区町村に問い合わせをするとよいでしょう。
 

お墓の引っ越しに必要な費用

関連サイトの情報によれば、お墓の引っ越しに必要な費用の相場は、以下の通りです。
 
表1
 

種類 費用相場
墓石の撤去費用 1㎡あたり約10~20万円
区画整備にかかる費用 1㎡あたり約5~20万円
閉眼供養やお性根抜き供養のお布施代 約1~3万円(※宗派によって異なる)
遺骨の取り出し費用 一人分の遺骨につき約3万円
離檀料 約1~20万円(※檀家[だんか]の場合。宗派や地域、寺院によって異なる)
墓石運搬費用 約20~80万円
永代使用料 約68万円
新しい墓石代(※新しい墓石を建てる場合) 約100~200万円
区画の基礎工事、墓石の据付工事のための費用 約10~30万円
開眼供養のお布施代 約1~3万円
埋葬費用 一人分の遺骨につき約3万円(※開眼供養が必要ない場合や、自分で納骨する場合は不要)
入檀料 約10~30万円(※移転先が寺の場合)

※参照サイトを基に筆者作成
 
以上のほかにも、改葬代行サービスを使った場合にはその使用料や、遺骨の郵送を行う場合の郵送代金などがあります。お墓の引っ越しを行う際には、さまざまな費用が発生して、大きな額の支払いが必要になります。
 

お墓の引っ越しをする際には必ず許可を取ろう

お墓の引っ越しには、「墓地、埋葬等に関する法律」に基づいて、市区町村から改葬許可証の交付を受ける手続きが必要です。
 
許可なくお墓を移動したり、撤収したりすることはできません。
 
また、お墓の引っ越しには、費用が大変かかります。情報収集や費用比較を行いながら、計画的にお墓の引っ越しをするとよいでしょう。
 

出典

新宿区 改葬許可の申請(遺骨をほかの場所に移すとき)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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