更新日: 2023.12.24 その他暮らし
「生活保護」って実家に連絡は行きますか? 絶縁状態なので頼りたくないのですが、扶養照会なしで申請したいです…
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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最初に受給要件の把握が必要
生活保護の申請を検討するなら、前提知識として受給要件を知っておく必要があります。以下に挙げる4点をすべて満たさなければなりません。
・収入面
収入が最低限度の生活費を下回っていることが不可欠です。最低限度に該当する金額は、厚生労働大臣が定めた基準により、居住地の等級などを考慮して算出されます。
・能力面
病気などの影響で働けない状況にあることも受給要件の1つです。労働が可能な能力を持っているなら、それを使って収入を得ることが求められます。
・資産面
生きていくうえで必須とはいえない資産があるなら、保有しておかず生活費に充てなければなりません。そのような自動車や建物などは、特別な事情がない限り売却することになります。
・制度面
生活保護は国民のセーフティネットなので、それ以外に頼れる制度が存在しないことも重要な受給要件です。別の制度で支援を受けられる見込みがあるなら、先にそちらの利用を検討するように促されます。
必ず扶養照会は行われるのか?
前記のような必須の受給要件ではありませんが、扶養義務者が申請者を援助できないことも確認されます。生活保護関連の実務を行っているのは、各自治体に設けられている福祉事務所です。そこの担当職員が扶養照会をして、仕送りなどの可否について尋ねる仕組みとなっています。民法で扶養義務があると定められているのは、3親等までの親族です。したがって、申請者が1人暮らしをしているなら、一般的には実家にいる両親などが扶養照会を受けます。
ただし、扶養照会は実施されるとは限らず、事情によっては不要と判断される場合もあります。親から虐待を受けた過去があり、連絡によって再発のリスクが懸念されるケースなどです。サポートを期待できる扶養義務者にしか扶養照会は行われません。
扶養照会の有無は実情を踏まえて決定
扶養照会は、申請者に扶養義務者との関係性などを聞いてから行われます。長期にわたって交流が途絶えている場合も、援助を見込めないとの判断により、実施は見送られるかもしれません。一口に絶縁状態といっても程度はさまざまで、双方の実情が判断のポイントになります。
例えば、10年以上も互いを憎んで音信不通のケースもあれば、少し前から疎遠ではあるものの、扶養義務者は歩み寄ろうとしているケースもあるでしょう。前者と後者では援助してもらえる可能性が大きく異なります。
よって、申請者が絶縁状態の実家を頼りたくないと主張した場合、担当職員は実情を十分に聞き取らなければなりません。いずれにせよ、扶養照会の有無を自分で判断するのはむずかしいため、まずは福祉事務所に相談してみることが大切です。
生活保護の扶養照会が心配なら相談してみよう!
扶養照会を避けたくて、生活保護の申請をためらう人もいます。必ずしも扶養義務者に連絡されるとは限らないため、それだけを理由にあきらめるのは早計です。受給要件を満たしているのか確認するためにも、福祉事務所への相談を検討しましょう。相談の準備として、扶養照会の仕組みや方針をこの機会に理解しておくのが得策です。
出典
厚生労働省 生活保護制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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