更新日: 2023.12.23 その他暮らし
家で食品を冷凍するのと冷凍食品とでは、何がどのように違うのでしょうか?
これらの違いを理解することは、ホームフリージングで食品の品質を保つために役立つでしょう。
本記事では、日本国内での冷凍食品の生産・消費の現状と、家庭用冷蔵庫と冷凍食品の冷凍方法の違いや、ホームフリージングのコツについて、詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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日本国内の冷凍食品の生産・消費について
一般社団法人日本冷凍食品協会の「令和4年(1~12 月)冷凍食品の生産・消費について(速報)」によると、次のような傾向が分かります。なおカッコ内は対前年比です。
・国内生産について
冷凍食品の国内生産量は159万9000トンで、前年比100.7%とわずかに増加し、2017年の記録とほぼ同水準に達しました。工場出荷額は7639億円で、前年比104.0%となり、過去最高を記録しています。
家庭用冷凍食品は8年連続で増加し、80万5000トン(100.8%)、金額で4061億円(103.7%)と過去最高を更新しました。同様に、業務用冷凍食品も増加を続け、79万4000トン(100.6%)となり、金額で3578億円(104.4%)となっています。
・品目別生産量について
大分類では、調理食品が100.9%とやや増加したのに対し、水産物は94.5%、農産物は99.8%で減少または前年並みでした。小分類では、うどんとコロッケが引き続き上位を維持しています。特に春巻(122.9%)、ギョウザ(103.9%)、パスタ(105.7%)が大幅に増加しました。
・輸入と消費について
冷凍野菜の輸入量は114万9000トン(107.2%)、輸入額は2822億円(138.7%)と大幅に増加し、過去最高を記録しました。国内消費量は298万1000トン(103.0%)と増加し、1人当たり年間消費量も過去最高の23.9キログラムに達しました。
この報告によると、冷凍食品市場は家庭用と業務用の両方で着実に成長を続けており、特に家庭用冷凍食品の需要が高まっていることが示されています。
また、国内での品目別生産動向や輸入量の増加は、消費者の多様化する嗜好(しこう)とニーズに対応していることを示唆しているといえるでしょう。
冷凍食品の冷凍方法と家庭用冷蔵庫の冷凍室冷凍の違いは?
市販の冷凍食品の冷凍方法と家庭用冷蔵庫の冷凍室冷凍の違いについてみてみましょう。
・冷凍食品の冷凍方法
冷凍食品の製造工程では、まず、食品に-30度以下の低温の冷気を強く吹きつけ、30分程度のできるだけ短時間に水が氷になる温度帯を通過するように処理します。その後、-18度以下で保管するのです。場合によっては、さらに低温の-60度以下での処理が可能な超凍結装置を用いる食材もあります。
・家庭用冷蔵庫の冷凍室
これに対し、家庭用冷蔵庫の冷凍室は通常-18度程度ですが、これは食品を凍結するには不十分であり、水が氷になる温度帯を緩やかに通過してしまう「緩慢凍結」になることが多いようです。
そのため、食品の細胞や組織が壊れて、解凍時に元の品質に戻らないことがあります。最近は、-40度で急速凍結する機能付きの冷凍庫も普及しているため、可能であればそのような機種を使用するとよいでしょう。
ホームフリージングのコツとは?
ホームフリージングとは、家庭用冷蔵庫の冷凍室で食品を凍結・保管することです。具体的な注意点としては、以下の通りです。
・なるべく速く凍らせる:食品を冷やし、熱伝導性のよい容器に薄く並べ、冷凍室の温度を最も冷える状態にセットして凍結します。急速凍結機能があれば利用しましょう
・しっかり包む:乾燥や脂肪の酸化を防ぐため、ラップやポリ袋で空気を遮断します
・衛生的に取り扱う:フリージング前の取り扱いには衛生に注意し、微生物や異物の汚染を防ぎます
・早めに使い切る:緩慢凍結による組織の傷みや品温変化により品質低下が進む可能性があるため、2〜3週間以内に使い切ることが望ましいです
冷凍食品と自宅での冷凍の違いを知って、賢く利用しよう
自宅での冷凍と市販の冷凍食品との間には、いくつかの大きな違いがあります。自宅の冷凍室は、市販の冷凍食品に用いられる高度な凍結技術と比べて温度変動が大きく、品質の低下が起こりやすい傾向にあります。
この点を念頭に置いて、自宅での冷凍や市販の冷凍食品の利用方法を適切に選択することが、食品の品質を保ち、健康的な食生活を支える鍵になるといえるでしょう。
出典
一般社団法人日本冷凍食品協会 令和4年(1~12月)冷凍食品の生産・消費について(速報)
一般社団法人日本冷凍食品協会 冷凍食品Q&A
農林水産省 ホームフリージングを行う際は、どんな点に注意すればよいですか。また、どのような食品がホームフリージングに向きますか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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