60代の親が「スマホ決済」を使いはじめ、かなり不安です。高齢者がスマホ決済を使うのは「普通」になってきているのでしょうか…?

配信日: 2023.12.23

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60代の親が「スマホ決済」を使いはじめ、かなり不安です。高齢者がスマホ決済を使うのは「普通」になってきているのでしょうか…?
高齢者も今や自分のスマホを持つことが、当たり前の時代です。電話からインターネット、お店での支払いに至るまで、スマホ1台で日々の生活を完結させる方もいます。一方で、高齢の親がスマホ決済を使いはじめて、不安に感じている方もいるでしょう。そこで、60代の親がスマホ決済を使いはじめた場合、子どもの注意するべき点を解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

まずはスマホ決済を使うことを否定しないこと

高齢者の親がスマホで決済することに対して不安を感じても、いきなりそれを否定しないようにしましょう。今や、高齢者がスマホ決済するのも当たり前の時代だからです。
 
株式会社電通の「シニアのスマホライフ実態調査」によれば、60~70代男女1000名のうち、スマホのキャッシュレス決済経験があるのは全体の76.4%となっており、また、経験者のうち「キャッシュレス決済をしたことはあるが、やめた」という方はわずか2.3%です。
 
このように、60代以上の高齢者の多くが、スマホ決済を利用しています。それを考えると、不安だからと親のスマホ決済を一概に否定するのではなく、必要な助言を行うことも考えた方がいいでしょう。
 

一度に高額なチャージをしないこと

スマホ決済を高齢者が扱う上で、最大の注意点は、一度に高額なチャージをしないようにすることです。スマホ決済のチャージ上限額はさまざまです。中には1日当たりのチャージ上限額が高く、クレジットカードや銀行口座を通じて、5万円や10万円など多額のチャージができるものもあります。
 
それによって、手元にある額以上のお金や、別の支払いで必要となるような、使ってはいけないお金をチャージに回してしまう可能性があります。
 
また、スマホ決済は全ての場所で利用できるとも限らず、まだまだ対応していない店舗なども存在しています。
 
そして、スマホ決済と一口にいっても、さまざまなアプリがあります。店舗によっては、特定のアプリでのスマホ決済には対応していないこともあります。そういった場合に、手元の現金を全てチャージしてしまっていると、支払いに困ってしまう場合があります。
 
親がスマホ決済を使うことが心配なのであれば「一度にチャージしすぎず、慣れるまでは1000円から5000円くらいで、こまめにチャージすべきだ」と伝えるべきでしょう。
 

毎月使える金額を決めて、使用履歴をこまめに確認

スマホ決済は現金を使っている意識が低くなり、つい無駄遣いしすぎる可能性があります。記憶力が低下していてもおかしくはない60代ともあればなおさらです。
 
そのため、毎月2万円や5万円などスマホ決済に使える額を決め、その範囲内でのみ使うようにすることが大切です。
 
また、こまめに使用履歴を確認してもらうようにすることも大切です。「今月の上限額は2万円で、今日までに1万円使っているから、今月はあと1万円しか使わないようにしよう」などと意識することで、無駄遣いを防ぐことができます。
 
スマホ決済の場合、不正利用などもあり得るため、そういった不正の早期発見にも役立ちます。利用総額だけでなく500円など少額の利用はもちろん、1万円など高額な支払いも含めて、定期的に1つ1つの利用履歴を確認するよう、伝えるべきでしょう。
 

落とさないようにすることと、ロックの徹底も大切

スマホ決済は、スマホさえあれば他人でも使うことができます。理論上、自分が落としたスマホを他人が使い、決済するということもできてしまいます。
 
当たり前のことですが、スマホ=財布だと認識し、絶対に落とさないようにすることと、暗証番号や指紋認証などでロックをかけることを徹底するよう、親に伝えるべきです。
 
また、「1万円がチャージされたスマホを落とすことは、もはや現金1万円を落とすのに近しい状況だ」ということも伝えてみてください。
 

まとめ

60代などと高齢の親がスマホ決済を使いはじめたときは、否定するのではなく、まずはそれを肯定してみてください。その後、チャージを一気にしないことや、使用履歴のこまめな確認など、注意事項を伝えてみましょう。そうすることで、親子で安心してスマホ決済を使っていく体制を整えられるはずです。
 

出典

株式会社電通 「電通、「シニアのスマホライフ実態調査」を実施 8割がスマホは生活に必要、6割超が生活が良くなり、キャッシュレス決済は7割超え」

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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