更新日: 2023.12.27 子育て

【実録】「年収700万円」の共働き世帯なのに、令和4・5年度「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」を受け取れた! いわゆる「低所得」でないのにどうして? 支給された理由を解説

執筆者 : 山田麻耶

【実録】「年収700万円」の共働き世帯なのに、令和4・5年度「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」を受け取れた! いわゆる「低所得」でないのにどうして? 支給された理由を解説
政府は令和3年度から令和5年度にかけて、子育て世帯への支援として「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」を実施しています。条件を満たす「低所得世帯」に対して一律10万円の給付金、18歳以下の子ども1人あたり5万円の給付金の支給などを行ってきました。
 
筆者は世帯年収700万円程度の夫婦共働き家庭で18歳未満の子どもが2人いますが、令和4年度と令和5年度にこの給付金を受給できました。本記事ではいわゆる「低所得世帯」ではないのにもかかわらず、給付金が支給された理由を解説します。
山田麻耶

執筆者:山田麻耶(やまだ まや)

FP2級

「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」とは

令和3年度から令和5年度にかけて、政府は低所得の子育て世帯に対して「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」(以下、当給付金)を実施しました。これは主に、次の世帯を対象に支給されたものです。
 

・児童扶養手当の受給者(低所得のひとり親世帯)
・ひとり親以外の住民税均等割が非課税の子育て世帯(その他低所得の子育て世帯)
・その他家計が急変した世帯

 

「夫が会社員」「妻が公務員」の年収700万円世帯でも支給された

筆者は夫婦共働き世帯であるにもかかわらず、令和4年度と令和5年度に給付金を受給できました。その経緯について時系列に記載します。
 
令和4年当時、地方公務員として働いていた筆者(令和5年9月に退職)は、4月にこの制度の主担当者になりました。
 
国から制度の概要やガイドラインがどんどん送られてきて、要綱の作成や対象者の抽出、ホームページや広報での周知などの業務に追われる日々を過ごします。しかし、国から送られてくる概要を読み込むうちに、あることに気付きました。
 
「あれ、もしかして私も支給対象者になるんじゃない……?」
 

令和4年度に受給できた理由

結論から申し上げると、筆者は「その他低所得の子育て世帯」に該当したのです。
 
「その他低所得の子育て世帯」という言葉だけ聞くと、「夫婦ともに低所得(非課税)」という印象を受けるかもしれません。筆者もそう思っており、夫が会社員(年収約350万円、当時)、筆者が公務員(年収約400万円、当時)の共働き世帯の自分には全く関係ない制度だと思っていました。
 
しかし実は、「低所得(非課税)」である必要があるのは、「夫婦両方」ではなく「児童手当の受給者」の住民税均等割が非課税であることが条件だったのです。
 
児童手当の受給者は原則として夫婦のうち所得の高い方となります。夫より収入が多い筆者は、第1子を出産したときから児童手当の受給者となっていました。
 
筆者は自分の令和4年度分の住民税が非課税であることがわかっていました。というのも、令和3年1月に出産し、そこから約1年間の育休をとっていました。令和3年1月から12月までの約1年間、育児休業手当金が振り込まれましたが、この手当金は税制上は非課税所得であり、収入とはみなされません。
 
つまり、令和3年中の収入がないとみなされ、令和4年度は筆者は非課税扱いとされました。
 
そのため令和4年度の当給付金の支給条件「児童手当受給者が、令和4年度分の住民税均等割が非課税である」に該当したのです。
 
この給付金は基本的に申請不要で、プッシュ型で支給されますが、このようなケースに該当する場合は申請が必要となっています。そのほか高校生のみを養育する世帯や直近で家計が急変した世帯も同様です。つまり、自分でこの制度の細かい条件に気付いた上で、自治体に申請書を提出する必要があるのです。
 
令和4年6月、筆者は自治体に確認の上、申請書を提出しました。結果として、令和4年7月、すでに夫婦ともにフルタイムで働いている状態なのにもかかわらず(筆者は令和4年1月から仕事復帰)、子ども1人あたり5万円、計10万円の給付金を受け取ることができたのです。
 
国の制度に多少の疑問は感じつつも「去年は育休手当金だけで収入が少なかったのは事実。ラッキー!」というのが正直な感想でした。
 

令和5年度に受給できた理由

令和5年3月頃、政府の発表により、令和5年度分として同様の給付金が支給されることが判明しました。
 
しかし、筆者は「今回はもらえないな」と思っていたのです。なぜなら普通に考えれば支給要件は「児童手当受給者の令和5年度分の住民税が非課税である」に条件が変わっているはずです。筆者は令和4年中はずっとフルタイムで働いたため、非課税になるはずがありません。
 
しかし、国からの制度概要を見て驚きました。支給要件が「令和4年度に受給した世帯」となっていたのです。つまり令和4年度に給付金を受給している世帯であれば、令和5年度の課税状況がどうであれ、給付金を受け取れるということです。
 
前年度に受給した家庭にプッシュ型で支給されるため、筆者は自治体に申請書を提出することもなく、令和5年8月、口座に子ども2人分の手当の10万円が入金されました。
 
該当の令和4年の世帯年収が700万円を超えているのに、「令和5年度低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」という名称の給付金が支給されることに違和感を禁じえませんでした。
 

国の支援は本当に必要な人に届いているのか?

この給付金の支給条件はかなり細かくわかりづらい点が多くありました。筆者は自治体で実際の業務を担当して概要を読み込んでいたので、たまたま自分が条件に該当すると気付いたものの、政府や自治体のホームページや広報で周知される程度の情報であれば気付くのは困難だったと思われます。
 
政府は低所得世帯や子育て世帯に給付金を支給するなど、さまざまな支援施策を行っています。しかし今回の例からもわかるように、本当に必要とされる人に届いているのか疑問に感じるケースもあります。
 
自治体によっても異なりますが、令和5年度の当給付金の申請期限は令和6年2月29日までです。「自分も該当するかもしれない」と思った場合はお住まいの自治体に相談してみてくださいね。
 

出典

こども家庭庁 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金
厚生労働省 令和4年度低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金
厚生労働省 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金
厚生労働省 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金
 
執筆者:山田麻耶
FP2級

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