更新日: 2024.01.05 その他暮らし

昨年10月の改正で酒税UPした「第3のビール」とビールの価格差はどれくらいになった?

昨年10月の改正で酒税UPした「第3のビール」とビールの価格差はどれくらいになった?
2023年10月に酒税改正が行われ、ビールの酒税が6円引き下げられた一方、第3のビールは9円あまりの引き上げとなりました。ビールと第3のビールの酒税の差が狭くなったことで、小売価格にも影響が出る可能性があるでしょう。
 
本記事では、2023年10月の法改正の内容から、ビールと第3のビールの価格差がどのように推移していくかを試算します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

2023年10月の法改正でビールと第3のビールの価格差が縮まった

2023年10月1日に酒税法が改正されて、ビール系飲料の酒税が変更されました。財務省の「酒税に関する資料」より、2020年10月以前からのビール系飲料350mlあたりの税率の推移は【表1】のとおりです。
 
【表1】

ビール 発泡酒 第3のビール
2020年10月以前 77円 46.99円 28円
2020年10月~ 70円 46.99円 37.8円
2023年10月~ 63.35円 46.99円 46.99円

※財務省「酒税に関する資料」をもとに筆者作成
 
改正により、ビールは6.65円の値下げ、第3のビールは9.19円の値上げとなっています。なお発泡酒の酒税に関しては、2020年10月以前から変更ありません。

小売価格はどのように変動した?

酒税が改正されたことにより、ビール系飲料の小売価格がどのように変動していくのかを、過去の酒税改正時のデータから試算してみます。
 
総務省統計局の「小売物価統計調査年報 2020年」によると、ビール系飲料の小売価格の動きは【表2】のとおりです。なお【表2】では、東京都区部の350ml×6缶の価格を1本分に割って、小売価格を算出しています。
 
【表2】

ビール 発泡酒 第3のビール
2020年9月 約196円 約136円 約111円
2020年11月 約188円 約136円 約124円

※総務省統計局「小売物価統計調査年報 2020年」をもとに筆者作成
 
2020年10月の法改正による小売価格の動きは、ほぼ法改正による税率の動きと連動しています。そのため、2023年10月以降の小売価格が税金の変動と連動する場合、次のようになると考えられます。

 
・ビール:約188円-6.65円=約181円
 
・発泡酒:約136円(税率の変動なし)
 
・第3のビール:約124円+9.19円=約133円

 

改正前よりも、さらにビールと第3のビールの価格差が狭くなったことが分かります。
 

ビール・発泡酒・第3のビールを毎日飲んだらどれくらい違う?

酒税の改正により、ビールと第3のビールの価格差は狭くなりました。ここでは、毎日飲んだ場合の出費に、どの程度の差が生じるのかを試算してみましょう。
 
1日1缶として、1年365日毎日飲んだ場合の、ビール、発泡酒、第3のビールの金額差を【表3】で比較します。なお、各ビール系飲料の価格は【表2】をもとにした試算で求められた金額とします。
 
【表3】

1本あたり 年間(365本) ビールとの差額
ビール 181円 6万6065円
発泡酒 136円 4万9640円 1万6425円
第3のビール 133円 4万8545円 1万7520円

2023年10月の酒税改正で、発泡酒と第3のビールの税金が同額になったことから、発泡酒と第3のビールにはほぼ差はありません。

第3のビールとは?

第3のビールとは、ビールと呼ばれているものの、ビールの原料である麦芽を使わずに醸造された「その他の醸造酒」を指します。ビールと発泡酒、第3のビールの違いは表4のとおりです。
 
【表4】

ビール 原材料に麦芽を67%以上使用したもの
発泡酒 原材料の麦芽使用率が67%未満のもの
第3のビール 麦・米・とうもろこし・ばれいしょなどを発酵させたもの

※独立行政法人酒類総合研究所「ワイン・ビール」をもとに筆者作成
 
酒税改正によって価格差が狭くなるようであれば、第3のビールではなく、ビールを飲みたいと考える方もいるのではないでしょうか。
 

2026年10月に税率が一本化される予定

ビール系飲料の税率は、2020年10月から3段階で調整され、2026年10月には、350mlあたり54.25円に一本化されることになっています。発泡酒と第3のビールは7.26円の値上げとなるものの、ビールは9.1円の大幅な値下げが予定されています。
 
小売価格にも差がなくなることが予想されますので、価格ではなく純粋に好みで商品を選べるようになります。
 

公式サイトで申し込み

【PR】アイフル

aiful

おすすめポイント

WEB完結(郵送物一切なし)
・アイフルならご融資可能か、1秒で診断!
最短18分(※)でご融資も可能!(審査時間込)

融資上限額 金利 審査時間
最大800万円 3.0%~18.0% 最短18分(※)
WEB完結 無利息期間 融資スピード
※融資まで 30日間 最短18分(※)
※お申込み時間や審査状況によりご希望にそえない場合があります。
※診断結果は、入力いただいた情報に基づく簡易なものとなります。
■商号:アイフル株式会社■登録番号:近畿財務局長(14)第00218号■貸付利率:3.0%~18.0%(実質年率)■遅延損害金:20.0%(実質年率)■契約限度額または貸付金額:800万円以内(要審査)■返済方式:借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式■返済期間・回数:借入直後最長14年6ヶ月(1~151回)■担保・連帯保証人:不要

法改正によりビールと第3のビールの価格差は過去最少に!

2023年10月1日からの酒税改正により、ビールと第3のビールの税率の差が狭くなりました。酒税の差が狭くなったことから、小売価格にも反映されて、ビールと第3のビールの価格差も過去最少となることが考えられます。
 
2026年には、ビール系飲料の税率が一本化される予定です。よりビールがお手頃になるのを、待ち遠しく感じている方も多いでしょう。
 

出典

独立行政法人 酒類総合研究所 ワイン・ビール 「ビール、発泡酒、第三のビールとは何が異なるのですか?」
総務省統計局 小売物価統計調査年報 2020年 動-Ⅰ 小売価格の動き-東京都区部-(12ページ)

政府統計の総合窓口(e-Stat) 小売物価統計調査(動向編) 2020年 表番号1 調査品目の月別価格及び年平均価格【都道府県庁所在市及び人口15万以上の市】「2021 ビール」 ~ 「2134 ぎょうざ(外食)」
財務省 酒税に関する資料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集