更新日: 2024.02.29 その他暮らし

江戸時代のお金「1両」の価値はどのくらい?江戸時代の物価とは?

江戸時代のお金「1両」の価値はどのくらい?江戸時代の物価とは?
歌舞伎の公演はチケットが完売するほどにぎわい、時代劇専門チャンネルや、江戸時代を舞台にしたテーマパークもなかなかに人気があります。そのなかでは、お金のやり取りに使われる大判・小判などの貨幣や、お金が詰まった千両箱をよく見かけます。そこで本記事では、江戸時代のお金1両は、現代ならばどれくらいの価値になるのかを紹介します。

>>> 【動画で見る】江戸時代のお金「1両」の価値はどのくらい?江戸時代の物価とは?

FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

江戸時代の通貨

現代の日本では、おもに「円」が用いられていますが、江戸時代では、朱(しゅ)、分(ぶ)、両(りょう)、文(もん)などが4進法で用いられていました。
 
それぞれの価値換算は次の通りです。
 

1文 × 250枚 = 1朱
1朱 × 4枚 = 1分
1分 × 4枚 = 1両
1両 = 4分 = 16朱 = 4000文

 
4分の1単位で通貨を計算することは、現代の日本では考えにくいですが、アメリカの25セント硬貨の使い方と同じだと考えると、イメージしやすいかもしれません。
 
貨幣には一朱金、一朱銀、一分金、一分銀、などの種類があり、江戸ではおもに金貨が、大坂では銀貨が使われていました。文は銅や鉄製です。
 
時代劇のヒーローとして知られる「銭形平次」は、岡っ引きの平次親分が事件の犯人を捕まえる際に、腰にぶら下げた寛永通宝(穴の開いた銭貨)を小石のように投げつけて取り押さえます。このときに使用される寛永通宝には、一文銭と四文銭があります。
 

江戸時代の物価

では、当時の物価はどれくらいだったのでしょうか。代表的なものをあげて、今の価格に換算すると、以下の通りです。
 

現代の一般的価格
かけそば1杯  16文 約480円 約450円
お団子1本 4文 約120円 約100円
水茶屋のお茶1杯 6文 約180円 約300円
大根1本 7文 約210円 約200円
寄席の木戸銭 16~20文 約480~840円 約2000~3000円
米1升4合 100文 約3000円 約1000円

 
※江東区深川江戸資料館「江戸のお金について」をもとに筆者が作成
 
水茶屋とは、休憩に立ち寄ってお茶を飲む、手頃な値段の喫茶店のようなお店です。ちなみに、お米の一升四合は、約2キログラムです。           
 

江戸時代の1両はいったいいくら?

江戸時代の1両の価値は、簡単には換算できません。理由は、江戸時代と現代では、暮らしや制度などのさまざまな条件が異なるためです。
 
例えば、江戸時代に一般的に食べられていたお米は玄米ですが、現代はほとんどが白米です。白米と玄米ではどちらが高いかも、現代では商品によって違います。このように、ここでは、そのなかでも換算しやすいものを、ごく一般的な平均の価格で換算してみます。
 

お米の1両分はいくら?

お米も、江戸の前期と後期では値段が違いました。江戸の中期以降では、お米1石(約150キログラム)が1両だったといわれています。
 
現代のお米2キロを1000円とした場合、1キロを500円として150キロ分を求めると、1両は7万5000円程度と算出できます。 
 

お団子の1両分はいくら?

時代劇では三色団子をよく見かけますので、和菓子店で1本ずつ売られている三色団子を例にします。
 
1両=4000文、お団子1本は4文ですので、1両はお団子1000本分です。1本が100円とすると、10万円程度と算出できます。
 

おそばの1両分はいくら?

時代劇でよく見かけるのは、ざるそばやもりそばではなく、汁物のかけそばです。
 
1両=4000文、かけそば1杯は16文ですので、1両はかけそば250杯分です。かけそば1杯を450円とすると、1両は11万2500円になります。
 

まとめ

今回は、江戸時代にも現代にもあるものから、1両の価値を換算してみました。これだけあげてみても、1両の価値には差があることが分かります。
 
当時の歌舞伎役者には「千両役者」と呼ばれる人もいたようですが、本当に千両稼いでいたならば、1億円ほどの収入になります。現代にも「億り人」と呼ばれる人がいますが、江戸時代の億り人は、歌舞伎役者だったのかもしれません。
 

出典

日本銀行金融研究所 貨幣博物館 江戸時代の1両は今のいくら? ―昔のお金の現在価値―

独立行政法人 造幣局 江戸時代のお金のしくみ

江東区深川江戸資料館 資料館ノート 第149号 深川江戸資料館レファレンス(2) 江戸のお金について

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集