更新日: 2024.01.16 その他暮らし
【ぼったくり疑惑?】喫茶店で提供されるコーヒーの原価が気になります。場所代も含まれているとは思うのですが、さすがに高すぎませんか……?
しかし、仕事や勉強に集中できる場所、友人知人と集まれる場所、その場所代を考えても「ちょっと高すぎるのでは?」と感じる人もいるのではないでしょうか。いったいコーヒーの原価は、どのくらいなのでしょうか。
今回は、テーブルに伝票が置かれる、後払いタイプの喫茶店でのコーヒー1杯の原価と、喫茶店で過ごす費用対効果を解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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喫茶店のコーヒーは高い? 原価はいくら?
喫茶店とひとくちにいっても多岐にわたります。例えば、テーブルの上に伝票が置かれるタイプの喫茶店で出される普通のブレンドは、一般的に300円台~500円台が多い傾向です。
では、喫茶店で出されるコーヒーの原価率はどのくらいなのでしょうか。原価率とは、売上高(販売価格)に対する原価(仕入れ値)の割合のことで、計算式は「原価÷売上高×100」で求められます。ブレンドに使う一般的なコーヒー豆の原価を1kgあたり3500円と仮定し、計算してみましょう。
・1kgのコーヒー豆から80杯分のコーヒーができると仮定した場合
3,500円÷80杯=43.75円→1杯あたりの原価:43.75円
・1杯あたりの販売価格を450円と仮定した場合
43.75円÷450円×100=9.72%→原価率は約10%
レストランなどの飲食店の原価率は、約30%といわれています。この点からすると、原価率10%はかなり低く、コーヒーはフードメニューよりも利益率の高い商品といえるでしょう。なぜなら、原価率が低いほど利益率は高くなるからです。
ただし、43.75円という原価はコーヒー1杯分の原価であり、家賃や水道光熱費、人件費、コーヒーマシン代、食器代、砂糖・ミルク代、おしぼり代などは含まれていません。Wi-Fiなど通信環境の設置も必要でしょう。
コーヒー1杯分には、商品そのものと場所代だけでなく、さまざまなサービスが含まれていることになります。
利益率が高いように思えるコーヒーですが、実際にコーヒーだけで収益を確保することは難しい傾向です。そのため、一般的に喫茶店ではサンドイッチやスイーツなどの軽食を提供し、ドリンクとフードの原価率が30%になるよう設定しています。
喫茶店のコンセプトや間取りによっても違う
喫茶店のなかでも、フードメニューが豊富なレストランに近い業態か、コーヒーやケーキなど特定のメニューに絞ったテイクアウト中心の業態かによって原価率や回転率は異なります。
回転率を上げ、原価率を抑えた人気メニューを作るなどして利益を出そうとする店舗がある一方で、落ち着いた雰囲気を売りにしている店舗もあります。後者の場合、価格設定がやや高めに設定されていることが多い傾向です。
店側は、原価率や回転率だけでなく、人件費や家賃など原価以外のコストも加味したトータルでのコストを考えています。喫茶店の場合、テイクアウトやランチを中心にすれば必要な売り上げは確保できている可能性が高いでしょう。
そのため、喫茶店の要となる「店内でくつろぐ時間」というコンセプトを継続する余裕があるというわけです。
場所代以外にもさまざまなサービスが含まれている
コーヒーの原価率は、単体で見ると10%と低い傾向です。しかし、家賃や人件費などの諸経費を加えるとコーヒーだけで利益を出すのは難しく、店側は客単価を上げるためにさまざまな工夫をしています。多くの喫茶店に時間制限はありません。
そのため、私たちは時計を気にせずに暖かい場所で椅子にもたれながら本を読んだり、涼しい場所で友人と集まって喫茶店ならではのランチを楽しんだりできます。店側がトータルで考えているように、私たちもトータルで費用対効果を考えてみてはいかがでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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