更新日: 2024.02.21 その他暮らし
ハイブリッドカーだから「エンジンオイル」の交換はしなくても大丈夫!? 間違いだらけの「エンジンオイルの交換知識」について解説
では、エンジンをあまり動かさないからといって、エンジンオイルの交換頻度を少なくしても大丈夫でしょうか。本記事で詳しく解説します。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
「ハイブリッドカーはエンジンがあまり動かない=オイルが劣化しにくい」は間違い
冒頭で、ハイブリッドカーはエンジンのON/OFFを繰り返してガソリンの消費を抑えると記載しました。エンジンが動く回数が少なければ入っているエンジンオイルは劣化しにくいと思われがちですが、実はこれが大きな間違いです。
エンジンが動く回数が少なかったり、エンジンを動かしても短時間なことが多かったりする場合、通常のガソリン車よりもオイルの劣化が早まってしまう可能性も考えられます。このような状態はシビアコンディションであると考えられます。詳しくは次の項目で解説します。
ハイブリッドカーのエンジンは常にシビアコンディション
それではシビアコンディションとはどういう状態を指すのでしょうか。その言葉の通り「エンジンが過酷な(シビアな)状態で使われている」ということです。
シビアコンディションとは
厳しい条件下で車を使用することをシビアコンディションといいます。その条件は「走行距離が多い」だったり「山道などアップダウンの激しい道をよく走行する」だったりと複数ありますが、今回注目したいのが「短時間走行が多い」という点です。
日産自動車によると「短距離走行の繰り返し (8km以下/1回走行)、頻繁なエンジンの始動・停止、発進・停止の繰り返し、低速走行」もシビアコンディションに該当するとされています。ハイブリッド車の場合、頻繁なエンジンの始動や停止を繰り返すので、基本的にシビアコンディションにあると考えた方が良いのです。
最悪の場合、オイルが乳化することも
シビアコンディションに該当する場合、エンジンオイルの適切な交換頻度は「メーカー推奨の半分の期間」ということになります。メーカー推奨のオイル交換の頻度が「1年もしくは1万2000km」だった場合、シビアコンディションはその半分になるので「半年もしくは6000km」ということになります。
ですから、ハイブリッドカーだからといってオイル交換をおろそかにしてはいけないのです。エンジンのON/OFFを繰り返すとエンジンの温度が頻繁に上昇したり下降したりして、エンジン内部に結露が生じることがあります。
その結露の水分とエンジンオイルが混ざり乳化(本来混ざらないものが混ざってしまいクリーム状になってしまう現象)が起こることがあります。乳化したエンジンオイルをそのまま使い続けているとエンジン自体が破損してしまう恐れがあるのです。ですからエンジンオイルは適切なタイミングで交換するようにしましょう。
常にエンジンが動いていないからこそオイル交換は適切に
燃費が良くなるハイブリッドカーは、最新の技術をふんだんに使っています。燃費の良い状態を維持し長期間車を使うためには適切なタイミングでオイル交換をする必要があります。エンジンオイルは車にとって人間の血液のようなものですから、常に良い状態を保てるように気をつけましょう。
出典
日産自動車株式会社 シビアコンディション(厳しい使われ方)について教えて。
執筆者:宇野源一
AFP