更新日: 2024.03.04 その他暮らし

いつのまに「家賃値上げのお知らせ」が届いていました……年収「200万円」で払えないので、拒んでもいいですか?

いつのまに「家賃値上げのお知らせ」が届いていました……年収「200万円」で払えないので、拒んでもいいですか?
新年度の始まりや大家さんの変更、その他社会情勢の変動などに伴って、家賃が値上げされることがあります。とはいえ、年収200万円であるときなどに、そういった通知が送られてきた場合、一方的にそれを受け入れなければならないのか考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

家賃の値上げは一方的にはできない

基本的に、家賃の値上げは一方的に行うことができません。家賃は大家さん(貸主)と借り主との賃貸借契約に基づいて決まるからです。契約の内容は、当事者間の合意が基本です。例えば、一方的に貸主側から「家賃を4万円から5万円に値上げします」と通知したとしても、借り主がそれに合意をしなければ、家賃の値上げは認められないでしょう。
 
したがって、いきなり通知が来た段階であれば、それに対して異議を申し立て、値上げに同意できないことを伝えるべきです。そうすることで、今後も要求された値上げ後の額ではなく、従前の額の家賃を支払うことができるでしょう。
 
ただし、賃貸借契約の中に賃料の増額についての特約があり、その内容に沿った値上げ要求である場合は、その額が近隣の家賃相場に比して不相応なものでもない限り、その契約内容に沿って対応する必要があります。
 
国土交通省「『民間賃貸住宅に関する相談対応事例集』について」によると、特約の中には、一方的に値上げをするという内容のものもあるようなので、契約時によく特約を読むことが大切といえるでしょう。
 
そのため、賃料の値上げの通知が来た際は、賃貸借契約書を確認して、賃料の値上げについて記載されていないか確認することも必要です。
 

貸主が更新の条件に値上げをしてきたときは?

時折、家賃の値上げを契約更新の条件にされることもあります。しかし、それに従う義務はありません。先に述べたとおり、契約は当事者間の合意によって決められることが原則です。法の原則を無視して、貸主から一方的に値上げを条件に更新することはできません。
 
もし、値上げを拒否したとしても、契約は従前の契約と同様に自動で更新され、そのまま住みつづけることができます。
 
家賃の額はもちろん、その他の条件も何ら変わりありません。例えば、家賃が月々4万円の部屋に2年間の契約期間で住んでいた場合、新しい契約も同じ条件となり、月々4万円の家賃で2年間続く、ということになるのです。
 

値上げを拒否しても立ち退きにはならない

もし、貸主から値上げの通知が来たとしても、いきなり立ち退きにはなりません。賃貸借契約には「借地借家法」という法律が適用され、貸主よりも借り主が優位になるよう、保護が図られているからです。
 
それによって、借り主からは理由なくいつでも解約を申し入れることができるようになっている反面、貸主側から解約をして立ち退きを要求するには、正当な事由が必要となります。この正当事由は「家賃の値上げ要求に合意しないから」というものでは足りません。具体的には、3ヶ月以上家賃の支払いが滞っているような状況でなければなりません。
 
なお、「値上げの要求に従いたくないから」と家賃そのものを支払わないことは避けましょう。それは家賃滞納になるので、従前の家賃の支払いは継続する必要があります。
 
例えば、「4万円の家賃を5万円に値上げする、と言われたが、納得できない」という場合、従前の家賃である4万円を支払いつづければいいことになります。
 
もし、貸主が「新しい家賃額である5万円でなければ、受け取らない」と受け取りを拒否した場合は、家賃の支払地を管轄する法務局に家賃を供託することになります。
 
そうすることで、貸主に家賃を支払ったこととなるため、家賃滞納による退去を防ぐことができます。
 

まとめ

家賃の値上げは貸主が一方的に行うことはできないようです。もし、そのような値上げの要求が来た場合は、たとえ1円であっても納得できなければ拒否することができます。
 
特に年収200万円など、収入に余裕がない状態であれば、家賃の値上げによる生活への影響は決して小さくないはずですので、拒否することは悪いことではありません。
 
ですが、入居の際の賃料改定特約の中一方的に値上げをするという旨の記載があった場合は拒否が難しくなる可能性が高いため、契約書を一度見返してみることをおすすめします。
 

出典

国土交通省 「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」について
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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