更新日: 2024.03.04 その他暮らし

小学生の姪に「商品券」を渡しましたが、金額が大きければ「課税対象」になってしまうでしょうか?

小学生の姪に「商品券」を渡しましたが、金額が大きければ「課税対象」になってしまうでしょうか?
「小学生である子どもにお金を直接渡すのは気が引けるが、用途の限られる商品券なら渡せる」と考え、子どもに商品券を渡す方もいるようです。そこで、気になるのが課税関係です。1万円や2万円など、大きな額の商品券を一度に渡した場合、それは課税対象になるのでしょうか。考えていきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

商品券の贈与は課税対象となる

商品券を他者に渡すことは、贈与税の課税対象となります。その相手がたとえ姪など親族関係にある者であっても変わりはありません。
 
とはいえ、贈与税は必ず発生するわけではなく、受贈者が年間で110万円を超える贈与を受けた場合に発生します。ここでいう「贈与額」とは、商品券のみならず、それ以外の全ての贈与も含んだ上で考えます。
 
また、受け手が1年間(1月1日から12月31日の間)で受け取った贈与額全てを合計します。
 
例えば、姪があなたから商品券を2万円分受け取っていただけであれば、贈与税は発生しません。しかし、姪が同じ年に父親から109万円を受け取っており、あなたからも2万円分の商品券を受け取っていたとしましょう。年間の贈与額は111万円となり、贈与税が発生することになります。
 

贈与税が発生するとしたら、どのくらい?

では、仮に贈与税が発生する場合、それがどのくらいの額となるか考えてみましょう。贈与税は110万円を超えた部分に対して、10%から55%の税率でかかります。
 
では仮に、1年間で120万円の贈与を受けたとしましょう。贈与を受けた額が200万円以下であれば、10%の税率がかかります。すると、この場合に発生する贈与税は1万円となります(120万円−110万円×10%)。
 
この税率は一般贈与財産用(一般税率)と特例贈与財産用(特例税率)があるので計算方法には注意が必要です。
 
※出典:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」
 

商品券は非課税と聞いたけど?

商品券は時折「非課税」といわれることがあります。しかし、その「非課税」とは前述の贈与税のことではありません。商品券が非課税となるのは、消費税です。
 
国税庁「No.6229 商品券やプリペイドカード」によると「物品切手等の購入は非課税とされ、後日、物品切手等を使って実際に商品を購入したり、サービスの提供を受けた時が課税の時期となります。」とされています。
 
例えば、商品券2万円の購入時に消費税2000円がかかるとしましょう。その商品券を使って2万円のゲーム機を購入し、それに消費税2000円がかかった場合で考えてみてください。
 
最終的に購入するものは2万円のゲーム機であるにもかかわらず、二重課税により消費税が4000円も発生していることになってしまうため、商品券などの購入時は非課税になっているようです。
 

1万円や2万円と、多額の商品券をあげてもいい?

税金から離れた話になりますが、基本的に小学生の子どもに対して、1万円や2万円など高額な商品券を一度に渡すことは避けた方がいいでしょう。
 
その子の親が、一度に過大な金銭や、それに類する商品券などを渡さないようにしている場合や、月1000円のお小遣いの範囲でやりくりさせてお金の教育をしている場合などがあるからです。そのような場合に、多額の商品券を渡したことが発覚すると、トラブルの原因にもなりかねません。
 
もし、金額の大きな商品券を渡す場合は、事前にその子どもの親に相談しておくことをおすすめします。
 

まとめ

「現金ではなく商品券なら」と思っていても、商品券の贈与には贈与税がかかります。もし、商品券を贈与する予定の子どもが、年間で110万円を超える贈与を受ける可能性があるような場合は、高額な商品券の贈与には慎重になるべきでしょう。
 
特に、贈与の相手が自分の子どもではなく姪や甥、友人や知人の子などであれば、教育方針も含め、商品券の贈与について、一度姪の親に相談しておくべきといえるでしょう。
 

出典

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
No.6229 商品券やプリペイドカードなど
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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