「ガソリン車」vs「電気自動車」維持費は年間で「10万円」の差に!? それぞれの費用を比較
配信日: 2024.03.21
最近では、自動車の乗り換えは、ガソリン車か電気自動車かで悩む人も多いのではないでしょうか。今後はガソリン車が廃止になるように進めている国も多く、乗り換えの際に電気自動車を購入することが選択肢の1つになっています。
そこで本記事では、電気自動車とガソリン車の維持費を比較し、いくら違うのかについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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電気自動車の優遇措置
電気自動車は購入時にエコカー減税やグリーン化特例といった税金の優遇措置がありますが、さらに自動車税や自動車重量税についても税金が優遇されます。
自動車税は排気量によって税率が異なり、排気量が少ないほど税率は低くなる仕組みです。電気自動車の場合は排気量が一番少ない1000cc以下なので、自動車税は2万5000円になります。ただし、電気自動車は新車登録翌年度分については75%が減額されるため、6500円を納めるだけで済みます。
また、自動車重量税もエコカー減税によって免税となるので、ガソリン車と比べて税金の支払いが少なく済む点がメリットです。
電気自動車の維持費
電気自動車の初年度の維持費は図表1のとおりです。
図表1
自動車税 | 6500円(1年目は75%減額されるため) |
自動車重量税 | 0円(1年目) |
自賠責保険 | 2万3690円(36ヶ月分) |
任意保険 | 10万円 |
電気代(年間1万2000kmを想定) | 7万5204円(月6267円) |
筆者作成
電気自動車は、「日産・リーフX」を想定し、電気代を計算しました。走行距離を月1000km、バッテリー容量を40kwh、電気代を31円/kWhとして計算すると月に6267円です。これに加えて自動車税が6500円、自賠責保険が2万3690円、任意保険は10万円と想定して計算すると合計額は「年間20万5394円」になります。
税金の優遇措置と走行コストが電気代になることで安くなる点がメリットです。電気自動車のほうが維持費は安くなると考えられます。
ガソリン車の維持費
ガソリン車の初年度の維持費は図表2のとおりです。
図表2
自動車税 | 3万6000円 |
自動車重量税 | 1万6400円 |
自賠責保険 | 2万3690円(36ヶ月分) |
任意保険 | 9万円 |
ガソリン代(年間1万2000kmを想定) | 15万2244円(月1万2687円) |
筆者作成
ガソリン車は、「日産・セレナX」を例に計算しました。
自動車税は電気自動車のように減額されないため、3万6000円です。自動車重量税は、e-POWERが搭載されていない車両についてはエコカー減税の対象となりません。このことからセレナXの自動車重量税は1万6400円になります。また、ガソリン代がセレナの場合だと月に1万2687円かかるので、年間で15万2244円です。
これに加えて自賠責保険が2万2690円、任意保険は電気自動車と比べて割安だと想定して9万円だとすると、合計額は年間で「31万8334円」です。電気自動車と比較すると維持費は高くなることが分かりました。
年間で約11万円の差に
電気自動車とガソリン車の維持費を比較すると、年間で「11万2940円」の差になります。電気自動車のほうが約11万円も維持費が安いことがわかりました。
もっとも、電気自動車は税金の優遇措置があるものの購入費や充電の仕方など、デメリットもあるのが現状です。そのため、デメリットも踏まえて購入を検討してください。ガソリン車の販売も2030年までは続くので、今後の自動車の情勢も確認していきましょう。
出典
経済産業省 新車の「自動車税」が毎年減税!
国土交通省 令和5年度税制改正に伴う自動車重量税の税額の基本的な考え方(フローチャート)
損害保険料率算出機構 自動車損害賠償責任保険基準料率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー