更新日: 2024.03.22 その他暮らし

弟に住宅ローンの頭金「300万円」を貸す予定です。さすがに返してくれるはずですが、「契約書」って兄弟間でも必要ですか?

弟に住宅ローンの頭金「300万円」を貸す予定です。さすがに返してくれるはずですが、「契約書」って兄弟間でも必要ですか?
住宅ローンや車の購入、突然の失業による生活苦など、さまざまな理由から、兄弟間でもお金の貸し借りが行われることは珍しくありません。一般的に、お金の貸し借りをする際は契約書が作成されますが、身内である兄弟間のやりとりでは、それをするかどうか悩む方も多いようです。
 
そこで、兄弟間のお金の貸し借りにおける契約書の作成について考えてみました。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

契約書を作る理由

そもそもの話ですが、なぜ世の中でお金の貸し借りをするに当たり契約書を作るのか、考えてみましょう。契約書は、原則として「お金の貸し借り」という契約の成立要件ではありません。その理由はいくつか考えられますが、主なものとしては二つ考えられます。
 
一つは争いの防止のためです。契約書という書面に「いつ、何円のお金が貸し付けられ、どのような条件で返済されていくのか」と記載があれば、後々「言った」「言わない」、「解釈違いだ」などと争いになることを防止できます。
 
もう一つは、争いの早期解決のためです。万が一争いが起こったとしても、契約書があれば、それにのっとり処理することになるため、争いが起こった際は迅速かつ簡潔に、解決に導くことができます。
 
このように、契約書は争いの防止や、その早期解決のために作成されます。
 

兄弟間でも契約書は必要になるのかどうか

兄弟間であっても、お金の貸し借りについては、極力契約書を作成しておくべきでしょう。特に300万円という額であれば、社会人の手取り年収に近しいといえる額であり、決して小さい額とはいえないでしょう。兄弟間であっても争いが起こるには十分な額といえます。
 
むしろ家族である兄弟だからこそ、争いが起こりやすいところもあります。今までの人生において、兄弟や家族に対し「兄弟だから」「家族だから」といって借りたままになっていたり、返すのが遅くなってしまったりしたものがある方もいるでしょう。また「後でいいや」と、約束を後回しにしたりなかったことにしてしまったりした方もいるでしょう。
 
おそらくそれらは少額のお金やちょっとした用事であり、後で謝ったり返却したりすれば、取り返しのついたものだったはずです。
 
しかしそれが現金で300万円となるとそうはいきません。額が大きいため、貸した側も簡単には諦められず、そして早く返してほしいと思うでしょう。対して、借りた側は「なるべくすぐには返したくない」と思い、両者で矛盾が生じます。すると、争いが起こります。
 
300万円という大きな額での貸し借りはただでさえトラブルになりやすい上、兄弟という特殊な関係性から生じる事情も鑑みると、兄弟間でのお金の貸し借りについて、契約書は極力作っておくべきといえるでしょう。さいたま市公式ホームページなどでも「金銭消費貸借契約書」が掲載されているので参考にされるといいでしょう。
 

契約書がないと、贈与扱いとなることも

当初はお金の貸し付けからのスタートではあっても、長年返済が滞っている、もしくは一度も返済が行われていないとなると、実質的に「贈与」として扱われ、贈与税が課税されてしまうおそれもあります。
 
「貸し付けた」と当事者が主張したとしても、それを裏付ける証拠もなく、長年返済の事実がないような場合は、貸し付けに見せかけた贈与だと思われても仕方がありません。
 
そういった場合でも、きっちりとした契約書があれば、「単に返済が滞ってしまっているだけ」と客観的な証明ができ、意図しないタイミングで贈与税が発生することを防ぐことができます。
 

まとめ

300万円と大きな額でお金の貸し借りをするのであれば、たとえ兄弟間であっても契約書は作成すべきです。兄弟間で、多額のお金の貸し借りをするのは、トラブルの発生しやすい状況ですが、契約書を作ることでトラブルを防ぐことができます。
 
とはいえ無理に作成しても、それがかえって争いの元にもなりかねないため、実際に作成する際は兄弟間でよく話し合い、決めることをおすすめします。
 

出典

さいたま市 金銭消費貸借契約書
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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