更新日: 2024.04.04 その他暮らし

タンス預金は「何円から」税務署にバレるのでしょうか?「50万円」程度なら問題ないですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

タンス預金は「何円から」税務署にバレるのでしょうか?「50万円」程度なら問題ないですか?
なるべく手元でお金を管理したいなどの理由で、タンス預金をする方も多いのではないでしょうか。
 
しかし、タンス預金しているお金は、状況によっては税金の対象となるため、扱いには注意が必要です。タンス預金が税金の対象になっているにもかかわらず申告しないと、追加で税金が課されるおそれもあります。
 
税務署はKSKシステム(国税総合管理システム)を通じて、個人が支払うべき税金の額をおおよそ把握できるためです。
 
今回は、タンス預金に税金が発生する条件や、金額が少なくても無申告がバレる理由などについてご紹介します。
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タンス預金に税金が発生する条件は?

タンス預金に対して発生する可能性のある税金としては、以下の3つが挙げられます。

・所得税
 
・贈与税
 
・相続税

たとえ銀行に預けていなくても、それぞれの条件を満たしていれば課税対象です。課税対象にもかかわらず申告をしないと、追加で税金が課されるおそれもあります。
 

所得税

所得税は、個人が得た所得に対してかかる税金です。
 
個人事業主や副業をしている方が確定申告をしていないお金をタンス預金として貯めていた場合に、所得税が発生する可能性があります。タンス預金に対して所得税が発生する可能性のある例は以下のとおりです。

・副業で20万円以上稼いだお金をタンス預金している
 
・個人事業主が稼いだお金の一部をタンス預金している

一方、会社から給料を受け取っている方が、すでに源泉徴収されたお金をタンス預金としている場合は問題ありません。会社が代わりに税金の申告を行っているためです。
 

贈与税

誰かから財産をもらったときに発生する税金が贈与税です。控除額が110万円のため、110万円超のお金をもらったうえで申告をせず、タンス預金をしていると贈与税の対象になります。
 
ただし、贈与税とみなされるためには、お金を渡した方と受け取った方の双方で贈与したと認識していることが必要です。
 

相続税

相続税は、誰かから財産を相続したときに発生する税金です。
 
もしパートナーから生活費として受け取っていたお金の一部をタンス預金にこっそり回している状態でパートナーが亡くなると、タンス預金はパートナーの財産として相続の計算に含まれる可能性があります。
 
先に説明したように、贈与はお互いが認識していなければ成立しません。そのため、パートナーが贈与したと認識していないお金は、生活費を渡された方ではなくあくまでパートナーの財産として扱われるケースがあります。
 
パートナーの財産として扱われた場合は、自分で貯めたタンス預金であったとしても、パートナーが亡くなった時点でほかの財産と合わせて相続税の対象です。
 
相続の対象から外したい場合はこっそり貯めずに、パートナーと贈与した旨を記載している正式な書類を交わすなどしてから、タンス預金に回しましょう。
 

金額が大きくなければタンス預金はバレない?

タンス預金は、すぐにはバレなかったとしてもいずれ税務署にバレる可能性があります。
 
税務署はKSKシステム(国税総合管理システム)という税金の管理システムを採用しており、納税者のさまざまな税金に関するデータを一括管理しているためです。
 
例えば、KSKシステムに登録された所得税の内容などから、この人が亡くなれば約1億円の相続が生まれるはずだ、と税務署側が把握していたとします。
 
しかし、実際の相続財産として申告された金額は3000万円でした。
 
すると、差額の7000万円がもしかしたら自宅や別の財産の形で隠されているのではないかと疑われ、税務調査が入る可能性もあります。50万円などの少ない金額でも、バレる可能性がないとは言い切れません。
 
万が一バレると、追加で税金が課されるため、たとえ少ない金額でも隠さないほうが賢明です。
 

タンス預金は金額にかかわらず申告しないとバレる可能性がある

タンス預金は、源泉徴収されている給料や、すでに確定申告済みのお金で貯める分には問題ありません。
 
しかし、確定申告をしていない所得や、贈与、相続財産などは、申告をしておかないと追加で税金が課されるおそれもあります。
 
とくに、パートナーからもらったお金をこっそりタンス預金にしていた場合は、パートナーが亡くなったあとに相続財産として計算される可能性も少なくありません。相続財産に加えられないためには、生前に贈与の証明書を作るなど対策が必要です。
 
税務署はKSKシステムを通じて納税者の税金額や、相続されるであろう金額を把握することが可能です。少額であってもタンス預金がバレる可能性はゼロではないので、税金の申告は必ず行いましょう。
 

出典

国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4105 相続税がかかる財産
国税庁 所得税のしくみ
e-Govポータル 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第三編 債権 第二章 契約 第二節 贈与 第五百四十九条(贈与)
財務省 国税総合管理(KSK)システムの概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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