更新日: 2024.04.11 その他暮らし

DVに耐えかねて、家を出ます。「生活保護」を検討していますが、「扶養照会」で夫に居場所がバレないか心配です…

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

DVに耐えかねて、家を出ます。「生活保護」を検討していますが、「扶養照会」で夫に居場所がバレないか心配です…
経済的に困窮して生活保護の申請を検討するまでになるには、さまざまな事情があると思います。夫からのDVが原因で家を出たが、生活が厳しくなり生活保護の受給を希望される方もいらっしゃるでしょう。
 
そこで気になるのが「扶養照会が行われることで夫に居場所を知られるのではないか」という問題です。
 
本記事では、生活保護の受給要件の一つである「扶養照会」について、居場所を知られてしまう可能性や扶養照会が行われないケースも含めてご紹介します。
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生活保護申請時に行われることがある「扶養照会」とは?

生活保護は、利用し得るあらゆる資産や能力を活用しても、最低限の生活に必要な費用である「最低生活費」に収入が満たない人が利用できる制度です。
 
前提となる条件の一つに「親族などから援助を受けられる場合は、受けること」とあります。「扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先する」とされているため、生活保護申請時には親族に対して扶養照会が実施されることがあります。
 
扶養照会とは、扶養義務者による仕送りなどの援助が可能かどうかを調査するものです。
 

扶養照会が行われると居場所を知られてしまう?

扶養に関する調査の手順としては、まずは要保護者からの申告を基本として扶養義務者の存否を確認します。扶養義務者の存在が確認された場合は、要保護者からの聞き取りなどによって援助できる可能性があるかどうかを調査します。
 
これらの調査の結果「扶養義務の履行が可能である」と判断された場合に扶養照会が行われるという流れです。
 
ただし、特別な事情がある場合は、自分がいる場所を親族に知らせないように福祉事務所に相談できます。
 

扶養照会が行われないケースとは?

上記の調査で「扶養義務の履行が期待できない」と判断された場合、扶養照会は実施されない可能性があります。
 
厚生労働省によると「扶養義務の履行が期待できない者」に該当するのは以下の通りです。
 

1:当該扶養義務者が被保護者、社会福祉施設入所者、長期入院患者、主たる生計維持者ではない非稼働者、未成年者、概ね70歳以上の高齢者など
 
2:要保護者の生活歴などから特別な事情があり明らかに扶養ができない(当該扶養義務者に借金を重ねている、相続をめぐり対立しているなどの事情があるなど、著しい関係不良の場合)
 
3:当該扶養義務者に対し扶養を求めることにより明らかに要保護者の自立を阻害することになると認められる者(夫の暴力から逃れてきた母子、虐待などの経緯がある者など)

 
夫のDVから逃げた母子は3に該当し、扶養照会を行うことで居場所を特定され、危険が及ぶ可能性があると判断される可能性が高いでしょう。
 

事情によっては扶養照会を行わずに済む場合もある

生活保護を受ける前に親族などから援助を受けられないかを確認するための調査を「扶養照会」と呼びます。親族がいるからといって扶養照会が行われるわけではなく、その親族からの援助が期待できると判断された場合に実施されます。
 
また、扶養照会を行うことで要保護者がどこに住んでいるのかが親族に伝わってしまう可能性があるため、注意しなければなりません。ただし、「夫のDVから逃げるために家を出た」などの事情がある場合は扶養照会を行わずに済むこともあるため、福祉事務所に相談することをおすすめします。
 

出典

厚生労働省社会・援護局保護課 扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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