妻が白湯を「ミネラルウォーター」で作ります。正直「水道水」で十分だと思うのですが、効果が違うのですか? 正直「もったいない」と感じてしまいます
配信日: 2024.04.13
そこで本記事では、水道水とミネラルウォーターで白湯を作った場合の効果面、費用面での違いを解説します。
執筆者:山根厚介(やまね こうすけ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士
白湯とは?
白湯は「さゆ」「しらゆ」と読みます。水を1度沸騰させてから飲みやすい温度まで冷ましたものです。飲むとほんのり温かく感じる50~60度程度で飲むことが多いようです。
こう聞くと「普通のお湯と何が違うの?」と思う人も多いでしょう。白湯とお湯の違いは、1度沸騰させているかどうかです。白湯は沸騰させますが、お湯は使用する温度までしか温めない点が違います。1度沸騰させることで水の中の不純物や病原菌が除去されます。
インターネット上では、白湯を飲むことで冷え性の改善やダイエット効果が期待できるとする記事も見られますが、明白な科学的な根拠はないようです。
ミネラルウォーターで白湯を作ると効果が違う?
ミネラルウォーターで白湯を作ると水道水と比べて何が違うのでしょうか。水道水とミネラルウォーターの大きな違いは塩素が含まれているかどうかです。水道水には殺菌のため塩素が含まれており、そのにおいが気になるという人もいるでしょう。しかし、白湯にするため煮沸をすると塩素はなくなるので、塩素の面では両者の違いはありません。
そのほかに、ミネラルウォーターにはミネラルが含まれており、これらは煮沸しても塩素のようになくならない点が異なります。適度なミネラルは水をおいしく感じさせるため、ミネラルウォーターで白湯を作ると水道水よりもおいしく感じられるかもしれません。
白湯をミネラルウォーターでつくるとどれくらい高くなる?
白湯をミネラルウォーターと水道水で作った場合、どのくらいの金額の違いがあるのでしょうか。
1日1リットル白湯を飲むと仮定して1ヶ月の費用(30リットル分)を比較してみましょう。2024年2月時点の東京都におけるミネラルウォーターの平均価格は2リットル入りが119円です。1ヶ月の費用は119÷2×30=1785円になります。
一方で水道水はどうでしょうか。ここでは、東京都の水道料金で考えてみましょう。東京都での4人世帯の1ヶ月の平均使用量は23.1立方メートルで、水道料金は使用量が増えると従量料金も段階的に上がっていく仕組みです。
メーター口径13~25mmで21~30立方メートルの水を使用しているときの従量料金である163円/立方メートルで計算すると、163÷1000×30=4.89円です。
水道料金には基本料金や下水道料金などもあるため単純な比較はできませんが、水道水が圧倒的に安い事実は揺るぎそうにありません。ただし、ミネラルウォーターのほうも2000円弱と家計全体からすると決して大きな額とはいえないでしょう。
奥さまがミネラルウォーターで白湯を作ることに強いこだわりがあるのなら、そこは認めてあげてもよいのではないでしょうか。
まとめ
白湯を水道水で作るとほとんどタダに近い金額で作れます。しかし、ミネラルウォーターも1ヶ月2000円しない程度の額におさまります。ミネラルウォーターで白湯を作ったとしても、家計に大きな影響が出る金額ではないことから、穏便に事を済ませるのが得策でしょう。
出典
総務省統計局 小売物価統計調査(動向編) 2024年2月
東京都水道局 手続き・料金
執筆者:山根厚介
2級ファイナンシャルプランニング技能士