更新日: 2024.04.22 その他暮らし

2024年問題で話題の「ライドシェア」は、タクシー業界を脅かす「43兆円」の市場規模に? メリットや懸念点も含め解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

2024年問題で話題の「ライドシェア」は、タクシー業界を脅かす「43兆円」の市場規模に? メリットや懸念点も含め解説
2024年4月からライドシェアが限定解禁されました。「どれだけの影響があるのか」と気になっている人もいるでしょう。
 
ライドシェアの市場規模は、2030年までに「世界全体で約43兆円」にのぼる見込みとされており、いよいよ解禁された日本でも今後の動向に注目が集まっています。
 
この記事では、2024年問題で話題のライドシェア、またタクシー業界を脅かす市場規模について解説します。
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ライドシェアとは?

ライドシェアとは、一般ドライバーの自動車を活用して有料で相乗りするサービスです。欧米などでは一般的なサービスですが、日本では原則禁止されてきましたが、2024年4月より日本でも限定的にライドシェアが解禁され、昨今話題になっています。
 
日本では道路運送法第78条で、タクシー営業に必要な許可を受けていない、いわゆる「白タク」行為は違法とされています。これまでライドシェアは「白タク」同様の扱いでした。
 
しかしタクシー業界は人材不足に陥っており、加えて2024年4月以降、タクシードライバーの時間外労働に上限規制が設けられるようになりました。このタクシードライバー不足の補完を目的として、ライドシェアが解禁されたのです。
 

タクシー業界を取り巻く2024年問題とは?

「2024年問題」とは、2024年4月から始まるドライバー業界などで起こる時間外労働の上限規制や改善基準告示の改正に伴って発生する一連の問題です。
 
適用猶予業種の時間外労働の上限規制に伴い、2024年4月1日以降、ドライバーの年間の時間外労働の上限は960時間に制限されます。
 
また、あくまでも960時間は特別条項による上限です。法律で定められている時間外労働の上限は、原則として月45時間以内・年360時間以内です。
 
他にも、改善基準告示の改正に伴って1日の拘束時間などの上限も、今まで以上に厳しく設けられます。
 

ライドシェアの市場規模は?

ライドシェアの世界的な市場規模は、2030年までに日本円にして約43兆円にものぼると見込まれています。この数字は、世界のタクシー業界の市場規模の概ね3倍です。
 
日本のタクシー業界の市場規模は、国土交通省によると2014年時点で1兆6775億円でした。日本でのライドシェアは限定的に解禁される予定ですが、欧米のように普及すると約1兆円の市場規模が期待できるでしょう。
 

ライドシェアのメリットとは?

ライドシェアのメリットは、タクシーと比較して運賃が安い点や、交通インフラが整っていない地域でも対応できる点です。
 
また普通免許さえあれば、誰でもドライバーとして働けます。昨今、副業が広がりつつあるので、ライドシェアを始めて収入を得る人も出てくるでしょう。
 

ライドシェアのデメリットとは?

一方でライドシェアは、タクシーと比較して法的な整備が不十分です。またタクシー業界では二種免許が求められますが、ライドシェアでは普通免許で対応できます。
 
他にもライドシェアは車両の整備やアルコールチェックなどの規定も定められておらず、安全性に欠けるとの声もあります。強盗や性犯罪の発生を懸念する声もあるほか、これまで教育や管理のためのコストをかけた乗務員を抱えるタクシー業界も反発している状況です。
 

まとめ

今回は話題のライドシェアについて市場規模なども踏まえて解説しました。ライドシェアには運賃の安さや人材不足補完などメリットがある一方で、運行の安全性や犯罪発生への懸念などデメリットがあり、タクシー業界も猛反発している状況です。2024年4月時点では「限定的」な解除となっており、今後どのような方向に進んでいくのか、注目が集まります。
 

出典

内閣府 諸外国における ライドシェア法制と 安全確保への取り組み
国土交通省 タクシー事業の現状について
厚生労働省 バス・タクシー適用猶予業種の時間外労働の上限規制 特設サイトはたらきかたススメ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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