更新日: 2024.05.01 キャッシュレス

小さいお店で「クレジットカード決済」って迷惑なんですか? 手数料で売上が減ってしまうと聞いたのですが、現金払いにするべきでしょうか…?

小さいお店で「クレジットカード決済」って迷惑なんですか? 手数料で売上が減ってしまうと聞いたのですが、現金払いにするべきでしょうか…?
クレジットカードやQRコード決済などのキャッシュレス決済が各所に普及しています。しかし、個人経営店や一部のお店では「現金のみ」のところも見かけますよね。「キャッシュレス決済を導入してくれたほうが楽」「なぜ導入しないのだろう」と感じたことのある人もいるでしょう。
 
また、キャッシュレス対応店であっても、キャッシュレスで支払いをしようとしたら、なぜか迷惑そうな顔をされてしまった、という経験をした人もいるかもしれません。
 
この記事では、小規模店舗がクレジットカード決済に非対応の理由や、レジでの支払い手段について解説します。キャッシュレス決済に対応していなくて困った経験のある人は、ぜひ参考にしてください。

小さいお店でクレジットカードが嫌われる理由

小さい規模の店がクレジットカード決済を推奨しない理由は、以下の2点です。

●決済システム導入に費用がかかる
●加盟店手数料が取られる

クレジットカード決済は、店側にとってメリットとデメリットが存在します。店側のデメリットを見てみましょう。
 

決済システム導入に費用がかかる

クレジットカードの決済システム導入には、レジシステムとは別に費用がかかります。店がクレジットカード決済に対応するには、端末の導入費用や運用費用を用意しないといけません。初期費用の発生で売上が減ってしまうため、事業主によっては「余計な支出」と考える人もいるでしょう。
 

加盟店手数料を取られる

クレジットカード決済に対応する場合、店はカード会社や決済代行会社と契約を結ぶ必要があります。この際、店は決済システムを使うための利用料や、加盟店としての手数料を支払わなければなりません。カード会社や決済代行会社ごとに手数料は異なりますが、売上のいくらかが減ってしまうため、個人商店などでは敬遠されやすいのです。
 
また、店の業種や規模によっても手数料は変わってきます。カード会社が代金未回収となるリスクに備えて、小規模の事業者ほど手数料が高くなっています。目安として、大手チェーン店は1%程度ですが、個人商店は3~5%程度です。チェーン店よりも高い手数料を支払わなければならないため、小さな店では売上が減ってしまうのです。
 

小さいお店での支払いはどうすべき?

もし小さい店でのクレジットカード決済が嫌がられるものだとしても、必要以上に気を遣って現金払いにする必要はありません。
 
店は決済手段としてクレジットカードを導入している以上、客のクレジットカード払いを受け付けなければなりません。また「1000円以上から受付」「5000円以上の購入でカード利用可能」といった制限設定は、加盟店規約の違反となります。例えば、JCB加盟店規約にはこのような記載があります。
 
「加盟店は、有効なカードを提示した会員に対し信用販売を拒絶し、または現金払いや他社の発行するクレジットカードその他の決済手段の利用を求めてはならないものとします。」
引用:JCB加盟店規約
 
「なんだか嫌がられそう」という理由で遠慮する必要は、決してありません。
 
また、店が混雑していたり慌ただしそうだったりするときも、クレジットカード決済ですぐに会計ができれば、店の従業員の負担も減らせます。クレジットカードの支払いに対応しているのであれば、積極的に利用するとよいでしょう。
 
ただし、店側が難色を示しているにもかかわらず、無理にクレジットカード決済を求めるような言動をとると「クレーマー」「カスタマーハラスメント」といったトラブルにつながりかねません。どうしてもクレジットカード決済を使いたい場合は、十分に配慮したうえで利用しましょう。
 

小さいお店でもクレジットカード決済でスマートな支払いを

店側としては「売上減」というデメリットがあるため、クレジットカード決済を嫌がる場合もあるでしょう。だからと言って、客の支払い方法を制限したり、客が気を遣って現金払いをしたりといったことはあってはいけません。また、客側も必要以上の意見を述べたり、暴言を吐いたりすべきではありません。
 
客も店も気持ちよくやり取りができるよう、互いに配慮しながら支払いを済ませるのが大切と言えるでしょう。
 

出典

神奈川県ホームページ クレジットカードの加盟店手数料
JCBカード JCB加盟店規約
 
執筆者:石上ユウキ
FP2級

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