更新日: 2024.05.14 その他暮らし
数日前に「財布を拾った」けど、忙しすぎて交番に行く暇がない…。いつまでに届ければ問題ないですか?
拾って1週間以上たってしまうと「早く届けなければ」と焦ってしまうのではないでしょうか。
今回は財布を拾ったら、どの程度の期間内に交番に届けなければいけないのか、届けるまでに時間がたってしまうと何か問題があるのかについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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落とし物を交番に届けると「拾得者の権利」が生まれる
警察庁によると、落とし物を拾って交番に届けると、届けた人には下記の3つの「拾得者の権利」が生まれます。
(1)遺失者に報労金を請求する権利
(2)3ヶ月以内に遺失者が判明しない場合、物件を受け取る権利
(3)物件の提出、保管に要した費用を請求する権利
それぞれ内容を詳しくご紹介します。
遺失者に報労金を請求する権利
遺失者とは、落とし物をした人のことです。遺失者が分かった場合、落とし物を届けた人はその価値の5%~20%のお礼を受け取れる可能性があります。
例えば、1万円を拾って交番に届ければ500円~2000円の範囲でお礼を受け取れるということです。
ただし、拾った場所がどこか施設の中だったときは、お礼は施設と半分ずつに分け合うルールとなっているようです。
3ヶ月以内に遺失者が判明しない場合、物件を受け取る権利
3ヶ月たっても遺失者が分からないときには、届けた人が落とし物を自分の物として受け取る権利が生まれます。
そのため、3ヶ月たっても遺失者に落とし物を返すという連絡が警察から来なかった場合は、「拾得物件預り書」に書かれた「物件引取期間」内に警察署に連絡をしましょう。
そうすれば、落とし物を自分の物として受け取れる可能性があります。
ただし、受け取れる期間は2ヶ月です。
期限を過ぎてしまうと、落とし物の所有権が都道府県に移ってしまうため注意が必要です。
なお、法令の規定により所持が禁止されている物件や、クレジットカード・身分証明書など個人情報が記録されている物件などは所有権を取得することはできません。
物件の提出、保管に要した費用を請求する権利
落とし物を届ける際および保管する際に運搬費や保管費などが発生したら、その費用を遺失者に請求できることがあります。
例えば、落とし物を届けるために遠い交番まで電車で移動したときは、交通費を受け取れるということです。
「拾得者の権利」を得るに当たって認識しておくべきポイント
1番のポイントは、落とし物を拾って7日以内に交番に届けなければ「拾得者の権利」がなくなってしまうということです。
さらに「拾得者の権利」にある、報労金・運搬費・保管費などの請求について、いくつか認識しておきたいポイントがあります。
1点目は、金額の請求をする際は、遺失者に氏名と住所を教えなければならないということです。
氏名や住所を教えたくない場合は、これらを請求することができません。
2点目は、請求額は遺失者と話し合って決める必要があるということです。
この点に関しては、特に現金以外の落とし物だった場合、報労金がいくらになるかについて問題になったこともあります。
過去に、約78億円相当の日銀小切手が入っているかばんが落とし物として警察に届けられたことがあったようです。
この場合、報労金は5%だったとしても3億9000万円になります。
しかし、日銀小切手は簡単に現金化ができないことなどを理由に、最終的に裁判で支払いが命じられたのは、日銀小切手の価値を額面額の2%程度とし、そこから算定された分の報労金のみでした。
報労金は話し合いが必要で、金額も5%~20%と幅があるため、望んだ金額を受け取れない可能性もあります。
3点目は、落とし物を遺失者に返した後、1ヶ月以上たってしまうと報労金などは請求できなくなってしまうということです。
落とし物をした人も落とし物は早く見つけたいという思いがあると考えられるため、拾ったらなるべく早く交番に届けましょう。
落とし物を拾った場合は7日以内に交番に届けよう
落とし物を拾って交番に届けると、「拾得者の権利」を得ることができます。
この権利は、落とし物を拾ってから7日以内に交番に届けなければなくなってしまうため注意が必要です。
交番に落とし物を届けるときに交通費が発生した場合などは、拾得者の権利があれば費用を請求することができます。
落とし物は得をするために交番に届けるものではありませんが、交通費を自腹で払うことになってしまっては逆に損をしてしまいます。
落とし物を探している人のためにも、落とし物を拾ったらなるべく早く交番に届けた方がよいでしょう。
出典
警察庁遺失届情報サイト スライド『落とし物・忘れ物を拾ったら?』編 警察に届け出ましょう!
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー