片づけの美学159 季節外の衣類収納と衣替えを楽に済ませる方法
配信日: 2024.05.19
そこで、今回はシーズンオフの衣類収納の方法と衣替えを楽に済ませる方法をセットで考えてみようと思います。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
衣替えは3段階で回す
衣替えを、3段階のグループに分けて、使い分けていきましょう。
(1) 夏服
(2) 冬服
(3) 中間の服(合い物)
(3) は、薄手の長袖の衣類が該当します。春や秋に気持ちよく着られる衣類のことです。
季節のど真ん中だと、他の衣類はまったく不要という方がほとんどだと思います。例えば、8月に真冬のセーターを着る人はいないでしょう。つまり、夏に冬服はまったく取り出せる環境になくてもよいということです。
3つのグループが重なる時期が、使う衣類が増えて管理が難しくなっていきます。9月下旬ごろの夏服から中間の服に代わる時期は、半袖だったり長袖だったり、日によって違うと思います。そして気がつけば、半袖は着ないままずっとそこにある。なんてことはないでしょうか。
クローゼットの使いやすい部分に3つのグループのうち2つを置けるスペースがあると、とても楽に衣替えを進めていくことができます。
季節が変わって、使うグループを変えるだけです。1つのグループ分しか置くスペースがない場合は、それぞれのシーズンで収納場所を交換していきましょう。
衣替えの基本は今を大事に
衣替えを考えると、次のシーズンやもう着ない服に注目してしまいますが、「今日」気持ちよく着られる衣類を見つけやすく収納することが最も大切だと思います。
洋服はもちろん、インナー・靴下、上着など、季節によって使い分けているアイテムは実にたくさんあります。それぞれの旬な衣類を、クローゼットの一番便利な場所に置くことをメインに考えていきましょう。
もう着ない衣類ボックスを作る
スムーズに衣替えをすすめるために、「今年はもう着なくてもいいかな」と思える衣類をどんどん省いていく必要があります。
保管用の衣類ボックスに、もう着ないでいいと思える洋服をどんどん入れていきます。衣類ボックスは衣装ケースや衣類保存袋など、手持ちの収納グッズでOKです。1〜2週間に1度くらいのペースで衣類を省いていき、1ヶ月くらいで衣替えを完了できると良いでしょう。
どんな服から着ない衣類ボックスへ?
もう着ないボックス(来年は着る)に入れるのは、あなたにとっての「定番」の洋服がおすすめです。はやりに左右されない定番の衣類であれば、来年もおそらく活躍するでしょう。
いま流行しているデザインや色の洋服の場合、来年着るかどうかはわかりませんよね。それであれば、旬な時にギリギリまで頑張ってもらいましょう。
あとは、ちょっとくたびれてきた衣類も最後まで着ましょう。有終の美を飾ってもらい、「使い切った!」と感じれば、モノを捨てるのが苦手な方でもお別れしやすいと思います。
子どもの衣類の場合は、サイズ感に余裕があるモノを優先的に次のシーズンへ送り、今ピッタリの衣類は季節の終わりまで着るのがおすすめです。この使い方であれば、次シーズンの初めに、「もう入らない」「これも小さい」というトラブルを防ぐことができます。
季節外の衣類の収納方法
季節外の衣類は、基本的にはしばらく使わないので、不便な場所でOKです。便利な場所はシーズンの衣類に譲ってあげましょう。
クローゼットの上部や奥、扉の陰になる場所など、収納スペースの中に“イマイチ”な場所があるはずです。奥行きが大きい押入のような収納の場合、手前部分と後ろ部分に分けて使うと便利です。
手前部分にシーズンの衣類を入れた引き出しを置く、後ろ部分にシーズンオフの衣類を入れた衣装ケースを置く、などと近くに保管することで、衣替えが楽にできるというメリットだけでなく、置き場所忘れを防ぐこともできます。
重なるシーズンのうちに衣替えを
寒くなったり、暖かくなったり、季節が進む時期に衣類も変わっていきます。気温に適した衣類を活躍させるために、スムーズな衣替えを進めていきましょう。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表