更新日: 2024.05.20 家具・片付け

片づけの美学160 【悩み相談】モノの収納場所を決めても、家族が正しく片づけてくれない

片づけの美学160 【悩み相談】モノの収納場所を決めても、家族が正しく片づけてくれない
家の整理収納をして、スッキリとした部屋になった!……はずなのに、しばらくしたら、家族のせいでゴチャゴチャになったり、置き場所が変わっていたりすることはありませんか?
 
あなたがモノの収納場所を決めても、他の家族が正しく片づけてくれない場合、どうすればいいのでしょう。
奥野愉加子

執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)

美学のある暮らし 代表

整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。

<美学のある暮らし>

https://www.bigakurashi.jp

モノの居場所がよくない可能性あり

あなたがモノの居場所を決めても、家族が正しく片づけてくれない場合、収納場所がよくない可能性があります。


・便利でない
・手間がかかる

など、家族の方は「ここではイマイチ」と感じているかもしれません。毎日使うモノを家族みんなが、自分で出して、片づけてくれると、自宅のキレイをキープするのがとてもラクになります。
 

モノの居場所を決める理由

モノの置き場所を決める理由は、「いつもそこにある」という当たり前を作るためです。いつもあるから、すぐ出せるのです。
 
使うモノを出すことは、多くの人が上手です。ただ、戻すことをしない人・できない人が一定数いることは事実。戻しやすい居場所を作って、「いつもそこにある」に近づけていきましょう。
 

毎日使うモノ、居場所の決め方

だれでも戻しやすい居場所を作るために、「ラク」は欠かせません。毎日使うようなモノは、0の行動:ノーアクションで取り出したり、戻したりできれば、返却率が高まります。つまり、扉や引き出しやフタ付きの箱の中は避けます。
 
例えば、薬・サプリや文具、リモコンなどはノーアクションが適切なアイテムです。それぞれペン立てや間仕切りケースなど、見やすい収納グッズに収めて、使う場所の近くに置くことで返却率を高めます。
 
まる見えはイヤだなと感じる場合は、壁の陰や扉の後ろなどの死角を探してみましょう。
 

週2で使うモノ、居場所の決め方

週2くらいで使うモノは引き出しや扉の中に入れます。位置は、引き出しの最前列や、扉の開け口の近くに置きましょう。ちょっと開けるだけで出せる位置が便利です。見えやすい場所に置くことで、探し物も減ってきます。
 

週1以下で使うモノ、居場所の決め方

週に1回程度やそれ以下の頻度のモノは、細かく収納すると忘れてしまう可能性が高いです。グループごとにおおざっぱに収納しましょう。
 
1つのカゴはA4くらいの大きさがおすすめです。カゴを満タンに詰めるより、少し余裕がある量を入れます。余裕があると、モノを返すときもラクに入れられます。カゴにラベルをつけておくと、中身が想像できるので、探し物が減ります。
 

返却率を高める工夫 (1) 高さ

子どもと背の高い大人では、見える世界が違います。子どもと一緒に使う場所は低めに設定し、大人だけが使う道具は高めの位置に置くなど工夫をしてみましょう。よく使うモノを胸の高さくらいに置くと便利です。例えば……
 
ハサミがよく紛失するという子どもが小さい家庭=大人の高さと子どもの高さにハサミ置きのスペースを設置。上記を試して、


・子どもは自分のモノという意識が根付いて、きちんと返却するようになった
・大人はハサミがなくて困ることがなくなった

というケースもあります。
 

返却率を高める工夫 (2) 動線

便利な場所を考える時、そのモノを使う時の流れに注目するとよい場所が見つかることがあります。例えば……
 
毎日使うからとテーブルの上にカギを置いたままにしている=テーブルと玄関の中間にあった台の上に、帰宅後ポケットの中身を出すトレーと設置。上記を試して、
 
・台の上が目につきやすく、カギやポケットの中の小物を紛失しなくなった
 
という解決例があります。
 

モノの居場所は使う場所の近く

よく使うモノに便利な居場所を決めることができると、使う人がラクになります。取り出しやすく、返しやすい場所を探してみてください。ご家族で話し合ってみるのも手かもしれません。
 
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表

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