片づけの美学162 片づけ上手は節約上手だという事実|使い忘れ・期限切れゼロへ
配信日: 2024.05.22
・同じものを買ってしまった
・買ったけど未開封のまま
・ストックが大量にある
などということは、日常の出来事かもしれません。
ただ、安価なモノでも「余分に買ってしまった」「ムダに買ってしまった」ということが重なると、結果として大きな出費となっていることもあるはずです。
片づけ上手の人の収納には、筆者の経験上、大量のストックや未開封の段ボールは見当たらないことがほとんど。両者の出費を比べてみると、大きな違いがあるでしょう。ムダな出費を減らして節約上手になってみませんか?
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
節約上手(1) ストックは最小限
ストックの量は最小限がおすすめです。では、いくつあるといいのでしょうか。
答えは、ライフスタイル、お住まいの環境によって大きく違ってきます。例えば、徒歩圏または車で数分の距離にスーパーがある場合、ストックはほぼ必要ありません。なくなりそうだと気づいた時点で、買うことで解決できそうではありませんか?
「ティッシュペーパーが切れてしまったら……」と不安になるかもしれませんが、自宅にはポケットティッシュやキッチンペーパーがあるでしょうから、代用すればよいと考えれば気持ちが楽になると思います。そう考えると、ストックは必要ないと思えてくる方も多いのではないでしょうか。
ただ、ライフスタイルによってはストックが必要なモノもあると思います。通販でしか買えない日用品や化粧品を使っている方にとっては、まとめ買いは金銭的なメリットが多いこともあります。〇円以上で送料無料や、〇個以上買ったら〇%OFFなどのキャンペーンが行われていることがあるからです。
まとめ買いの商品は、最後の1つを開封したら注文するなど、買い物ルールを作ることで、ストックを上手に管理できます。また自宅の周りにお店がなく、購入に手間と時間がかかる場合もある程度ストックが必要だと思います。その場合も、計画的に購入する必要があります。
節約上手(2) 安売りで大量に買わない
タイムセールや特売を見かけると、ついたくさん買ってしまうという方も多いと思います。ただ、大量にモノがあると、「安く買えた」というお得以上のデメリットを抱えることがあります。
まずは保管のための場所を取ること。増えすぎて1ヶ所で保管できない場合、使い忘れる可能性が高いこと。それに、たくさんあると、「減らさなければ!」という意識が働き、使う量が増えてしまうことがあります。
確かに、たくさんあると「今回はぜいたくに使おう」と思うかもしれません。また、ストックを消費する前に別の商品を使いたくなってしまう可能性もあります。例えば、「気になる新商品のシャンプーが出た」などが挙げられます。
安く買っても、1つでもムダになったり、使わないまま捨てたりすることになったら、結局は1つ分の値段を損したことになります。安売りをしているといくつも買いたくなりますが、1つ買うだけでも十分お得です。
普段使いの商品がタイムセールや特売されていても、まとめ買いの必要があるか、立ち止まって考えることができるといいですね。
節約上手(3) 古くなったら買う
衣類などのオシャレ用品は、新しいモノが魅力的に見えますよね。ただ、体は1つ。1日に着る洋服もほとんどの方が1着でしょう。
例えば、平日は仕事着、週末だけ私服、自宅では部屋着のみという方なら、「私服は4着で十分だ」と自分なりの基準ができると思います。「4着」というのは最低限の数なので、自分に合った数を決めてみましょう。
欲しいという気持ちを優先して買い足していくと、衣類の管理も大変になり、出費も増えます。
「新しい衣類は、古いモノが汚れたり・デザインが合わなくなったりしたときに買うようにする」など、購入のタイミングのマイルールをつくることで大きな節約ができます。衣類が少数精鋭の方のクローゼットは、モノが少ないがゆえにシンプルで常に片づいています。
また、衣類が少ないと衣替えもすぐに終わるので、衣類の管理に時間を取られることもなく、メリットがたくさんあります。
片づけ上手=節約上手
片づけが上手な人は、モノがどこにあって、どのくらい残っているか、おおよそ把握していることが多いと思います。そのため、「このくらい買えばムダがない」など買い物中でも考えることができます。
買い物が好きでたくさん買いたくなる方は、ストックエリアをチェックしてから買い物に行くことでムダな買い物を防ぐことができます。ぜひチャレンジしてみてください。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表