片づけの美学168 終活に興味があるのですが、何から始めればいいですか?

配信日: 2024.05.28

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片づけの美学168 終活に興味があるのですが、何から始めればいいですか?
終活という言葉。以前はピンと来なかったのに、毎日のちょっとした出来事で「そろそろ準備してみよう」という気持ちになったという方もいるのではないでしょうか。
 
興味が出てきた「終活」とは、どんな準備をすればよいのでしょうか。今回は、身のまわり品の終活「生前整理」のすすめ方を中心に考えてみましょう。
奥野愉加子

執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)

美学のある暮らし 代表

整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。

<美学のある暮らし>

https://www.bigakurashi.jp

終活を始める時期は?

終活と聞くと、人生を終える準備だと思う方が多いと思います。ただ、「いつ終わってもいい準備」だと思うと、対象はずいぶん広がります。
 
年齢を重ねた人だけでなく、まだまだ人生が続く人だって、終活を見据えたモノの持ち方をすれば、シンプルでスッキリした暮らしにつながります。身のまわり品の終活は、不要なモノを捨て、大切なモノだけを持つようにすることです。不要なモノがない生活は、機能的でムダを省くことができ、シンプルなことが魅力です。
 
人生を終えることだけを目的にするよりも、今後の生活にもよい変化があると考えられると、「終活」をより前向きにとらえることができるのではないでしょうか。
 

生前整理のコツ

生前整理とは、元気なうちに生活で使ってきたモノを見直すことです。おそらく必要なモノも不要なモノもたくさんあることでしょう。生前整理はその中から不要なモノを取り除き、必要なモノだけを残していく作業をします。
 
「生活の道具」、例えば衣類やキッチン用品など日々使う品から始めてみましょう。整理をする時はモノを3つに分けていきましょう。


・使っているモノ:日常使っているモノ
・(使わないけれど)捨てられないモノ:思い出の品など
・捨てるモノ

使っているモノと捨てられないモノは残しておきますが、捨てるモノは手早く処分しましょう。処分方法はお住まいの地域によって違ってきますが、ルールに沿って捨てることが、手間もお金も節約になります。少しずつできる範囲で進めていきましょう。
 

生前整理:使っているモノ

日々、使っているモノは引き続き使用します。改めて手に取ってみると、旅行先で買った食器や思い出のアクセサリーなど、これまでの思い出が詰まったお品もたくさんあるでしょう。あなたとモノをつなぐ思いがたくさんあるほど、今後も大切に使うことができると思います。
 
特別な思い出はなくても、使いやすい・手になじむなどモノの長所を再確認するのも幸福感に包まれる時間ではないでしょうか。
 

生前整理:捨てられないモノ・思い出のモノ

残すモノの中に資産価値のある品や受け継いでほしい品がある場合は、だれが見ても分かるように収納しておきます。メモを入れたり、目録にしたりするのもよいですね。
 
受け継ぐ人が分かりやすいことが大切です。思い出の品など、あなた亡き後はまったくの不用品になりそうなものは、「可燃ごみで出してほしい」などの処分方法のお願いを入れるのもよいですね。
 

生前整理:書類

「書類が処分しづらい」とよく相談を受けます。確かにお金関係やお仕事関係の書類は後から必要になる可能性もあり、処分をためらうことも多いでしょう。ただ、書類が膨大にあると、必要な1枚にたどり着く可能性が下がります。
 
あなた亡き後に必要な書類は、その他書類とは分類して収納しておきましょう。ご家族には事前に収納場所を伝えておくことをおすすめします。
 

暮らしをシンプルに

終活は、終えるための準備ではありますが、未来へのしっかりした取り組みです。膨大にあったモノから今そしてこれから必要なモノだけを選び出す作業は宝探しのようです。
 
いろいろな思い出に触れ、楽しく和やかな気持ちにもなれるといいと思います。
 
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表

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