更新日: 2024.05.25 家具・片付け
片づけの美学165 キッチン収納の基本のまとめ方|よく使う場所から楽に
それゆえに、モノが多く集まってきます。モノがあふれ、使いづらくなったキッチンにお嘆きの方が多いのも事実です。どこに何があるか分からない。賞味期限切れが多発……では、もったいないですよね。
トラブルの発生しやすいキッチンは、見直しの時期です。少しずつ手直しすることで、使いやすいキッチンを取り戻していきましょう。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
キッチン収納の基本
収納を見直す時、はじめに手をつけたいのが「よく使う場所」です。
●食器棚
●食材入れ
●お鍋など調理道具入れ
このあたりがまず使う場所だと思います。使いづらい・ムダが多いとのご相談を受けることが多いです。使いたい道具・食材がすぐに取り出せるキッチンを目指して、キッチン収納を見直してみましょう。
食器棚の収納ポイント
食器棚の収納でまず気をつけたいのが、数が適切かどうかです。家族の人数に合った数を持っているか確認しましょう。人数が変動したのに、以前と同じ数を入れているようでは、多すぎたり・少なすぎたりします。
食器を洗う回数も影響します。食事の都度、食器を洗うのであれば、そんなに数はいりません。汚れ物がたまってから洗うのであれば、同じアイテムが複数いるので、数が必要です。
数の次に気をつけたいのが、入れ方です。目の高さとやや目線下の高さが最も使いやすい場所です。その高さの手前に、よく使うお茶碗・お椀・お皿を入れます。少し低い位置に頻度の落ちる食器を入れます。例えば、カレー皿のように週に1回くらいの出番の食器がいいですね。
優先順位をつけて入れてみると、案外「あまり使っていないお皿」が多いことに気づくことがあります。すぐに捨てる必要はありませんが、使っていない食器とよく使う食器が混ざっているのはよくありません。効率を考えて、可能であれば、よく使う食器は1種類だけで収納します。あまり使わない食器は、重ねて収納が適しています。
食材入れの収納ポイント
食材の収納は、賞味期限内で使えることがミッションです。そのためには、分類がとても大切です。分類の方法は家庭によって違いますが、カテゴリーごとにカゴなどに入れて収納することで、「見つけられない」を防ぎます。
封を開けた食材と未開封の食材を分けて収納するのもよいと思います。カゴの中では、食材を列で並べます。買い物の後は、列の後ろから追加することで、手前は以前買ったモノが集まる仕組みを作ります。手前から使うように習慣づければ、賞味期限切れが出ず、食材もお金もムダになりません。
カゴの大きさは、食材のボリュームで決めます。カゴの中で納まる量だけを持つと決めるのもよいと思います。
お鍋など調理道具入れのポイント
調理道具が収納容量と使用頻度に合っているか、確認してみましょう。たくさんお鍋を持っていても、使うのはコレとアレだけ……なんてことがよくあります。
お気に入りの道具を取り出しやすい場所に置くことで、料理に対する「めんどくさい」気持ちを軽減できるように収納を考えていきましょう。例えば、調理道具用に上・下段の引き出しがある場合、よく使うお鍋とボール・ざる・計量カップだけを上段に。下段には使用頻度の低いお鍋を重ねたりして、コンパクトに収納します。
菜箸やトングなどのツール類がたくさんあって、取り出しづらい場合、2ヶ所に収納場所を分けるのも手です。よく使う「1軍」はキッチンの便利な引き出しに収納します。「2軍」のツールは別の場所に収納することで、絡まったり・見つけづらかったりすることを防ぎます。
キッチンはシンプルが楽ちん
毎日使うキッチンの道具は、シンプルに収納するのが便利です。よく使うモノほど数が増えてしまいがちです。使いづらくなったら見直し時!
モノの分類や移動も、キッチン仕事を楽にするためだと明るい気持ちで取り組めるとよいなと思います。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表