更新日: 2024.05.24 子育て

2025年から3人子どもがいる家庭は大学無償化の対象になると聞きました。上の子と下の子は年が離れているのですが、対象になりますか?

2025年から3人子どもがいる家庭は大学無償化の対象になると聞きました。上の子と下の子は年が離れているのですが、対象になりますか?
子どもが多い家庭では、全員分の教育費をどうやって捻出するのかに頭を悩ませているケースが珍しくないでしょう。
 
2025年から子どもが3人以上の世帯の大学無償化がスタートすると知って、期待している家庭や、うちは対象なのかと不安に思っている家庭は多いのではないでしょうか。
 
そこで本記事では、2025年からの大学無償化制度の内容や子どものカウント方法の注意点などをまとめました。
FINANCIAL FIELD編集部

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2024年の制度見直しで多子世帯の中間層が修学支援新制度による授業料減免の対象に

2020年度に新設された高等教育修学支援新制度により、大学等の授業料、入学金の免除・減額や給付型奨学金の大幅拡充がスタートしました。
 
さらに、2024年に制度の対象となる世帯の区分が見直され「多子世帯の中間層」が新たな区分に加えられました。現在は、対象世帯が図表1のような区分に分類され、より広い層に支援が行き渡るようになっています。
 
【図表1】

区分 年収等の目安
(両親・本人・中学生の4人世帯の場合)
支給内容
第1区分 約270万円以下 授業料・入学金、給付奨学金の支給上限額
第2区分 約300万円以下 支給上限額の3分の2
第3区分 約380万円以下 支給上限額の3分の1
第4区分 約600万円以下の多子世帯 支給上限額の4分の1
理工農系在学者 授業料の支給上限額の4分の1
または3分の1

文部科学省「高校生の皆さんへ 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」日本学生支援機構「修学支援新制度(給付奨学金)第IV区分の新設に関するQ&A」を参考に筆者作成
 
なお、四年制大学の場合、支給上限額は図表2のとおりです。
 
【図表2】

入学金 授業料 給付型奨学金
国公立大学 約28万円 約54万円 自宅通学:2万9200円
自宅外通学:6万6700円
私立大学 約26万円 約70万円 自宅通学:3万8300円
自宅外通学:7万5800円

文部科学省「高校生の皆さんへ 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」を参考に筆者作成
 

2025年からは多子世帯も授業料・入学金が全額無償化

2025年には、多子世帯への支援がさらに拡充されることが予定されています。具体的には、以下の2点の変更がプランとして発表されています。


・所得制限の撤廃
・授業料・入学金の無償化

つまり、2024年の段階では対象世帯は年収約600万円(両親・本人・中学生の4人世帯の場合)の世帯のみ、支援額は上限額の4分の1のみであるものが、2025年度からは多子世帯ならどの世帯でも授業料・入学金が全面的に無償となり、さらに上限額の4分の1までの給付型奨学金を受けられるということです。
 
注意しなければならないのは、無償となるのは授業料・入学金のみであり、教材費などその他の費用負担は発生する点です。負担はある程度減りますが、「大学無償化」という文言のイメージに惑わされず、必要な資金をしっかり準備しておく必要があります。
 
 

【注意】大学無償化の対象は「扶養する子ども」が3人以上の場合!

多子世帯の人が第4区分で高等教育修学支援新制度を利用しようとする際に、注意が必要なのは「多子世帯」の定義です。本制度での多子世帯とは、「扶養する子どもが3人以上の世帯」を指しています。
 
そのため、子ども同士の年齢が離れていて上の子どもがすでに親の扶養を離れて独立している場合には、扶養外の子どもを除外してカウントしなければなりません。
 
子ども手当では、扶養内であるかどうかにかかわらず、22歳の年度末までは子の数のカウントに含まれますが、高等教育修学支援新制度ではカウントの方法が異なることを覚えておきましょう。
 

大学無償化の対象かどうか条件をしっかり確認しよう

2025年から多子世帯への大学無償化制度の支援が手厚くなるため、教育費の負担が軽くなると喜んでいる家庭は多いでしょう。所得制限の撤廃と支援額の増額は、たしかに特筆すべきポイントです。
 
一方で、大学にかかる費用の全てが無償化されるのではないこと、「多子」の考え方がほかの制度とは異なることには注意が必要です。新しい大学無償化制度の内容を理解して、自分の世帯が対象かどうかを事前に確認しておきましょう。
 

出典

文部科学省 奨学金事業の充実
日本学生支援機構 修学支援新制度(給付奨学金)第IV区分の新設に関するQ&A
文部科学省 高校生の皆さんへ 学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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