更新日: 2024.05.27 キャッシュレス

ランチ代をクレジットカードで支払おうとしたら、「1000円未満の支払いは現金のみ」と拒否されました。クレジットカードだと何か不都合があるのでしょうか? 現金より便利だと思うのですが…

ランチ代をクレジットカードで支払おうとしたら、「1000円未満の支払いは現金のみ」と拒否されました。クレジットカードだと何か不都合があるのでしょうか? 現金より便利だと思うのですが…
クレジットカードで決済しようとしたところ「1000円未満の支払いは現金のみ」「ランチはクレジットカード対象外」などと言われて、現金払いにした経験はありませんか?
 
レジを見れば確かにクレジットカード払いが可能なのに、店側にカード利用を拒否されてしまうというケースは起こり得るようです。これはなぜでしょうか。
 
本記事ではクレジットカード払いを拒否されることに問題はないのか、カード払いを拒否されたときの対処法などを紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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クレジットカードの支払いを断るのは加盟店規約に違反している

結論から言えば、店側はクレジットカードの支払いを拒否することはできません。クレジットカードはカードに設定された利用可能枠(限度額)の範囲内であれば、加盟店の支払いで自由に利用できます。
 
利用可能な最低金額の規定はなく、例え1円であってもクレジットカードで支払うことが可能です。理由はどうあれ、クレジットカードの利用を店舗側の意向だけで拒否するのは、加盟店規約違反に該当します。
 
また、店側が本来負担するべきクレジットカードの手数料を上乗せして利用者に求めるといったような行為も同様です。
 

クレジットカード会社の加盟店規約とは

クレジットカード会社として知名度が高い、国際ブランド「JCB」の加盟店規約を見てみましょう。


加盟店は、有効なカードを提示した会員に対し信用販売を拒絶し、または現金払いや他社の発行するクレジットカードその他の決済手段の利用を求めてはならないものとします。また、加盟店は、会員に対し、現金払いその他の決済手段を利用する顧客と異なる金額を請求したり、カードの取扱いに本規約に定める以外の制限を設ける等、会員に不利となる差別的取扱いを行わないものとします。

株式会社ジェイシービー JCB加盟店規約 第11条の2より一部抜粋

このように、JCBの加盟店規約においては、有効なカードでの支払いを求めたにもかかわらず、それを拒絶して現金払い等での決済を店側から求めることは禁止されています。
 

クレジットカードの支払いを断れられる理由は「手数料」

店側がクレジットカード決済を拒否する主な理由として考えられるのは、「加盟店手数料」です。
 
クレジットカード決済を導入している店舗でカード決済が行われた場合、店側は加盟店手数料として売り上げの数%程度をカード会社に支払っています。つまり、現金決済で支払うときと比較すると、店側は手数料の分だけ利益が目減りしてしまうのです。
 
この手数料を負担することが店側にとって重荷になるために、利用者のカード決済を拒否していると考えられます。
 
少額決済かつ利益率が低い商品だけを利用者が購入すると利益がほぼゼロになることもあり、店側に大きな負担になることもあるでしょう。ただ、利益を残すためとはいっても加盟店規約に違反することはできないはずです。
 

クレジットカード支払いに対応してくれないときはしっかりと交渉をしてみよう

前述のクレジットカード加盟店規約にもある通り、店側はカード加盟店になっている以上はカード決済を拒否することはできません。手数料に相当する金額を上乗せして利用者に請求することも、同様に加盟店規約違反です。
 
カード決済が可能な表示があるお店で、該当するカードでの支払いを拒否された場合や手数料を上乗せされて請求された場合は、「加盟店規約違反であること」をしっかり主張しましょう。店員の裁量で、カード払いに対応してもらえる場合があります。
 
それでもカード払いの支払いを拒否されたり手数料上乗せをやめてくれなかったりしたときは、カード会社に連絡して対応をお願いする方法もあります。その場では買い物できずに帰宅するか現金払いになる可能性もありますが、カード会社が事実確認や是正指導などを行ってくれることも考えられます。
 
また、カード払いに対応してくれない店舗は利用せず、カード払いに対応してくれる競合のお店を利用するというのも一つの方法でしょう。
 

まとめ

加盟店であるのに利用者のクレジットカード払いを拒否したり、手数料分を代金に上乗せしたりする行為は加盟店規約違反です。
 
まずは、「カード払いを拒否するのは規約違反である」と告げてカード払いに対応してくれるように店側と相談してみましょう。それでもカード払いを拒否されるときや、交渉が難しいときは、「現金で支払う」「カード会社に連絡する」「その店を利用しない」など、自分が納得する対処法を選択しましょう。
 

出典

株式会社ジェーシービー JCB 加盟店規約 第11条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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