更新日: 2024.05.30 その他暮らし

商品の転売が違法になるのはどんな時? 具体的に教えて!

商品の転売が違法になるのはどんな時? 具体的に教えて!
転売は、簡単にまとまったお金を現金化できるため「やってみようかな」と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、転売は、犯罪に当たるケースもあるため注意が必要です。
 
そこで本記事では、商品の転売が違法となるケースについて解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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偽ブランド・コピー商品の転売

人気ブランドの偽物やコピー商品を偽物だと知った上で転売する場合、商標法第78条により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされ「十年以内の懲役」か「千万円以下の罰金」、もしくは両方が科されます。
 
特に偽ブランド・コピー商品を相手に「本物だ」と嘘をついて転売すると、「詐欺罪(刑法第246条)」に問われ、「十年以下の懲役」になる恐れがあるので絶対に避けましょう。
 

古物商許可なしでの転売

希少性の高い骨董品やアンティーク家具などを人から買い取って転売したり、第三者から委託されて転売したりする場合、古物商許可がないと違法と判断される可能性があります。なぜなら、中古品の転売は「盗品」の売買を防ぐため、古物商許可が必要だからです。
 
万が一、古物商許可なしで転売をした場合、古物営業法第31条により「三年以下の懲役」もしくは「百万円以下の罰金」となってしまいます。そのため、買い取った中古品の転売を継続的に行いたい場合は、転売拠点のある都道府県の公安委員会に申請して古物商の許可を得ておきましょう。
 

チケットの転売

国内で行われる音楽・芸能・スポーツなど人気イベントのチケットは、高額転売を禁止する目的から、2019年6月14日に「チケット不正転売禁止法」が施行されました。
 
チケット不正転売禁止法では、有償譲渡を禁止している旨が記載された座席指定チケット(特定興行入場券)の不正転売が禁止されています。万が一チケット不正転売禁止法に違反した場合は「1年以下の懲役」か「100万円以下の罰金」、もしくは両方が科されます。
 
そのため、どうしても急病などで行けなくなってしまった場合は、イベントの興行主が有償譲渡を認めている「公式のリセールサイト」を利用する方法がおすすめです。
 

医薬品の転売

医薬品販売業の許可なしに医薬品をオークションやフリマサイトで転売すると、医薬品医療機器等法(薬機法)に抵触する恐れがあります。医薬品販売業の許可がなければ転売できない医薬品は、主に以下の通りです。
 

・病院や薬局で処方された医薬品
・消費しきれず余った医薬品
・日本では未承認の海外製医薬品
・個人輸入した医薬品や化粧品
・要指導医薬品
・第1~3類医薬品
・体外診断用医薬品
・コンタクトレンズ
・高度管理医療機器
・自己血糖測定器

 
医薬品販売業の許可なしにこれらの医薬品を転売した場合、薬機法第84条により「三年以下の懲役」か「三百万円以下の罰金」、もしくは両方が科されます。
 

酒の転売

酒の転売を継続して行う場合は酒類販売業免許を取得していないと、酒税法違反と見なされる可能性があります。酒を違法に転売した場合、酒税法第56条によって「一年以下の懲役」もしくは「五十万円以下の罰金」が科せられます。
 

法律だけでなく、モラルも気にする必要がある

転売が違法となる可能性のある商品は、古物・医薬品・酒など販売業の許可が必要となるもののほか、商標を侵害したり、有償譲渡がそもそも禁止されたりしているものに多く見られます。
 
転売してはいけない商品を事前によく確認しておけば、犯罪に問われるリスクを軽減できるので、出品予定のオークションやフリマサイトの禁止事項も併せてチェックしておくとよいでしょう。
 
また、モラルとして、多くの人が欲しがっている商品をまとめ買いして高値で売る行為は、法に触れていなくても、モラルの部分で問題になる可能性が高いです。そのため、自分の行動により困る人がいないかを常に意識しましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 昭和三十四年法律第百二十七号 商標法
e-Gov法令検索 明治四十年法律第四十五号 刑法
e-Gov法令検索 昭和二十四年法律第百八号 古物営業法
厚生労働省 薬機法
e-Gov法令検索 昭和二十八年法律第六号 酒税法
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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