ガソリンスタンドで「タイヤが限界だから交換した方が良い」と言われましたが、信じていいのか不安です。まだ「寿命」でなければ、交換は不要でしょうか…?
配信日: 2024.06.09
もちろん、プロとして誠実にアドバイスしている可能性はありますが、場合によっては無知につけ込むケースもあるようです。そのため、真偽を判断できるだけの知識をつけておくことが大切です。そこで本記事では、タイヤの基礎知識と営業をかけられた時の断り方などを解説します。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
自身の売上のため、大げさにいうこともある
大前提として、全ての人が真実をいっているとは限らないことを覚えておきましょう。特に個人客相手の商売をしている店にとっては、売上を達成しないとお店の存続にも関わってきますから、多少は大げさなことをいって商品を販売することもあるかもしれません。
店舗によっては、経営者ではない一般スタッフにも販売目標を課すところもありますから、スタッフのいうことだからといってすべてうのみにしてはいけないということは、頭の片隅に置いておいた方が良いでしょう。
タイヤに関する基礎知識
タイヤの交換がおすすめだといわれても、知識がないと、それが信じられるかどうかの判断ができません。タイヤは、車の中で唯一地面に接している重要な部品ですから、何か起こった時では遅いです。まずは基礎的な知識を身につけておきましょう。
車検に通る残り溝
種類によって若干異なりますが、一般的にタイヤの溝は新品時には8ミリ程度あります。車は走れば走るだけタイヤがすり減っていきます。そのタイヤの残り溝が1.6ミリ以下になると「スリップサイン」と呼ばれる突起がタイヤの溝から露出しますが、これがタイヤを使い切った状態、つまり本当の限界となります。
このスリップサインが露出してしまうと車検に通らなくなってしまいます。可能であればその限界を迎える前の、残り溝が半分以下になったら交換を検討するようにしましょう。
ヒビ割れが発生したら交換を検討する
タイヤはゴムでできているため、車を走らせなくても時間がたつにしたがって劣化していきます。紫外線や熱などの影響により、タイヤの表面にヒビ割れが発生していきます。
ヒビ割れが発生したタイヤで走行を続けると、最悪の場合には走行中に突然タイヤが破裂(バースト)し大事故につながってしまう恐れがあります。タイヤのヒビ割れが発生し出したら、タイヤ交換の時期となります。
タイヤの経過年数は寿命の目安
溝が残っていても、ヒビ割れが発生していなくても、月日がたつとタイヤ自体が経年劣化で硬くなってしまいます。タイヤメーカーのブリヂストンによると、使用開始から5年以上経過したタイヤについては継続的に使用できるかの点検を推奨し、さらに製造から10年が経過したタイヤは交換を勧めています。
タイヤの製造年はタイヤの側面に記載されています。ブリヂストンの場合は側面の4桁の数字によって製造年と週が把握できます。例えば「2420」と刻印されていた場合、2020年の24週(6月ごろ)に製造されたものと判断することができます。
ガソリンスタンドで営業をかけられたら、どうする?
初めて行くガソリンスタンドやカー用品店などで「タイヤが限界ですよ」などと声をかけられた場合、その言葉を100%は信頼せず、セカンドオピニオンとして日頃車を診てもらっているディーラーや整備工場などでアドバイスを求めるなどした方が良いでしょう。
本当に寿命であればそこで交換すれば大丈夫ですし、まだ大丈夫と判断されれば安心することだってできます。最大の防衛策は「知識」です。タイヤについて最低限の知識をつけておくことで、防衛することができるのです。
出典
ブリヂストンタイヤサイト タイヤの製造時期はどこを見ればわかるの?
執筆者:宇野源一
AFP