【貴重】実家で「五円玉」を発見!→よく見ると明治発行の「天保銭」だった!? 現代でも使えるの? 売った場合は“高値”がつく?

配信日: 2024.06.20

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【貴重】実家で「五円玉」を発見!→よく見ると明治発行の「天保銭」だった!? 現代でも使えるの? 売った場合は“高値”がつく?
実家を整理していると子どもの頃の思い出の品や、両親の若い頃のアルバムなど懐かしいものが出てくることもあるでしょう。ときにそんな思い出の品のなかに思いもかけない「貴重品」が紛れ込んでいることがあります。特に代々続いてきた旧家では、年代物のお宝が眠っていることも。
 
今回解説するのは、200年近く前に鋳造された「天保銭」です。中央に穴が開いているデザインは一見すると現在の5円玉に似ていますが、穴は円形ではなく四角いことが特徴です。この天保銭は現代でも有効な貨幣なのでしょうか。また天保銭の価値について見ていきます。
渡辺あい

執筆者:渡辺あい(わたなべ あい)

ファイナンシャルプランナー2級

天保銭とは

天保銭は「天保通宝」とも呼ばれます。江戸時代に幕府が財政の窮乏を補うことを目的として鋳造が始まった通貨のひとつで、1835年に発行されました。天保通宝の特徴は楕円形で「天保通寳」との刻印があり、現在の5円玉のように中央に穴が開いている点です。
 
このほかに「天保」という名前がついている通貨に1837年から作られた「天保五両判」「天保小判」「天保一分銀」があります。
 

現代でも使用できる紙幣や貨幣

紙幣や貨幣は時代背景や偽造防止の観点から定期的にデザインが変わります。しかし製造が停止になっていても、過去に流通していた紙幣・貨幣の中には現在も有効に使えるものがあります。現在発行が停止となっている紙幣や貨幣のうち、有効に使えるものは図表1、図表2のものです。
 
図表1

図表1

筆者作成
 
図表2
図表2

筆者作成
 
これらの紙幣や貨幣は買い物や銀行での両替でも使用することができます。しかし天保銭は日本銀行が定める有効な貨幣ではないので、日常的に使用することはできません。
 

天保銭は売ったらいくらになる?

天保通宝百文銭は、寛永通宝1文銭5文半程度の原料で100文通用とされており、かつ財政難解消のために大量に発行されています。また天保五両判は、純金量が天保小判の4枚半分しかありませんでした。そのため天保銭の当時の評判はあまりよくなかったそうです。
 
しかし現在はマニアの間で人気もあり、場合によっては高値で取引されることもあります。一例としてネットオークション相場サイトの情報によると、新品であれば1万8000円程度で取引されていました(2024年5月19日時点)。
 
古銭マニアの集まるサイトや、古銭を扱う専門店であれば、貨幣の状態によってさらに価格が上がることも十分に考えられます。
 

まとめ

天保銭は江戸の末期から明治初期にかけて鋳造された貴重な貨幣です。天保銭のようにずいぶん昔に鋳造された貨幣は現在使用することはできませんが、マニアの間では高値で取引されることもあります。価値がないと早合点して捨ててしまうのではなく、ネットオークションに出品したり専門店にて鑑定したりすることをおすすめします。
 

出典

日本銀行金融研究所 貨幣博物館
日本銀行 銀行券/国庫・国債
 
執筆者:渡辺あい
ファイナンシャルプランナー2級

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