交通事故に遭った父が「損害賠償」を請求されました。相手の過失だったにもかかわらずなぜ…?

配信日: 2024.06.23 更新日: 2024.06.24

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交通事故に遭った父が「損害賠償」を請求されました。相手の過失だったにもかかわらずなぜ…?
どんな人にも予期せぬ交通事故にあう可能性はあるでしょう。「自分はいつも通り車を運転していたのに、ほかの車とぶつかってしまった」といったケースもあるかもしれません。
 
しかし、相手に落ち度があったのに損害賠償を請求されるといった事態が起こった場合「なぜ自分が払わなければいけないの?」と不思議に思ってしまうでしょう。
 
この記事では、損害賠償の支払いはどうやって決まるのか、過失の割合が少ない方が損害賠償を払わなければならないのはどんなケースかについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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損害賠償の支払額はどうやって決まるの?

交通事故が起こった際の損害賠償の支払いは、「過失割合」を差し引いて算出されます。
 
過失割合とは、交通事故の当事者同士にどの程度の責任があるのかを比率で表したものです。過失割合は、当事者同士、あるいは代理人が話し合いで決定します。損害賠償は、発生した損害の額から、被害者の過失割合分を差し引いた額が支払われ、これを「過失相殺」と呼びます。
 
例えば、AさんとBさんがそれぞれ車に乗っていて事故を起こし、損害額がどちらも30万円だったと仮定します。過失割合が80:20だった際には、損害賠償の額は下記の通り計算されます。


Aさんの請求可能額=30万円×20%=6万円
Bさんの請求可能額=30万円×80%=24万円
過失相殺後にAさんがBさんに支払う損害賠償額=24万円-6万円=18万円

この例のように過失相殺によって、実際にAさんがBさんに支払う損害賠償の額は30万円ではなく18万円になります。
 
なお、警視庁「交通事故にあわれた方へ」によると、交通事故の被害にあわれた方は、「申告・納付期限の延長」、「所得控除」、「納税緩和措置」などが認められる場合があるようです。詳しくは最寄りの税務署に問い合わせるといいでしょう。
 

相手に落ち度があったのに損害賠償を払わなければいけないときがある?

交通事故の際には、片方に落ち度があったと思われるようなケースでも、過失割合が100:0にならないことがあります。
 
例えば、片側2車線で同じ方向を向いて走っていた前の車が、急に進路変更してきてぶつかったというケースがあったとしましょう。「自分は真っすぐ走っていただけ」と思うかもしれませんが、注意すれば避けられる可能性もあったとして、過失は100:0にならない可能性があります。
 
過失が100:0になるのは、被害者側に落ち度がまったくないケースです。例えば、交差点が青信号で直進していた際に、横の道から赤信号で進入してきた車にぶつけられたというケースは、信号無視で進入してきた方に落ち度があったと判断される可能性があります。
 
少しでも落ち度があるケースには、過失割合は80:20や70:30などになります。自分は悪くないと感じていたとしても、過失割合は100:0にならないことがあるのです。
 

過失割合が少ない方が損害賠償を払わなければならないケースとは?

過失割合が少ない方が損害賠償を払わなければならないというケースも発生する可能性があります。
 
例えば、AさんとBさんがそれぞれ乗っていた車で事故を起こし、損害金額がAさんは200万円、Bさんは10万円だったとします。過失割合が80:20だった際には、損害賠償の計算は下記のようになります。


Aさんの請求可能額=200万円×20%=40万円
Bさんの請求可能額=10万円×80%=8万円
過失相殺後にBさんがAさんに支払う損害賠償額=40万円-8万円=32万円

 

交通事故では自身に落ち度がないと思っている場合でも、損害賠償の支払いが必要なケースがある

交通事故では、被害者側にまったく落ち度がないという場合以外は、被害者側にも過失があると判断されます。損害賠償の金額は過失割合によって決定します。過失割合がゼロでない限りは、被害者でも過失割合の比率に従い損害賠償を支払わなければならないのです。
 
交通事故は注意していても発生する可能性があります。もしものために、自動車保険に入るなどの対策をしておきましょう。
 

出典

警視庁 交通事故用被害者の手引 交通事故にあわれた方へ
 
※2024/6/24 記事を一部修正いたしました。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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