更新日: 2024.07.07 その他暮らし
母が亡くなった祖母の着物を売りたいと、折り込みチラシの「高額買い取り」を見て業者に電話して今度家に来るそうです。危険ではないですか?
本記事で、出張買い取りにはどんな問題があるのかもあわせて調べてみました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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訪問購入とは
業者が自宅を訪問して、着物や貴金属などを買い取ることを通常は「出張買い取り」といいますが、消費者庁が定める正式名称は「訪問購入」です。
訪問購入とは、購入業者(買い取り業者)が、店舗以外の場所で物品を購入することを指し、特定商取引法の規制対象となる商行為です。規制に違反すると行政処分の対象になるほか、一部罰則の対象となります。
訪問購入は、わざわざお店まで行かなくても業者のほうから訪問して買い取ってくれるので、手間がかからず便利です。しかし、訪問購入にはさまざまなトラブルがあるので、注意しなければなりません。
悪質な業者の被害に遭わないためには、その手口を知っておくことが大切です。 以下で、悪質な訪問購入業者の手口をご紹介します。
押し買い
強引に商品を売りつける行為を「押し売り」といいますが、その反対で強引に買い取る行為を「押し買い」と呼びます。訪問購入の業者のなかには、押し買いをする業者がいるので注意が必要です。突然訪問して押し買いする業者もいますが、事前に約束して訪問し、押し買いする業者もいます。
その手口は、買い取りに出したい品物以外の売るつもりのない物まで、半ば強引に契約をして買い取られてしまうというものです。特に女性の一人暮らしの場合は、男性に居座られると怖いので、早く帰ってもらいたくて契約書にサインするケースもあるようです。
しかし、そこが悪徳業者の狙いですから、売りたくなければ断固拒否して、居座られたら迷わず警察を呼びましょう。
また、訪問購入はクーリングオフの対象になるので、仮に契約書にサインしてしまったとしても、契約の日から起算して8日間は、購入した業者に書面等で申し入れをすることで、無条件で契約を取り消すことができます。
抱き合わせ買い取り
押し買いと並んで多いのが、抱き合わせ買い取りのトラブルです。
例えば、着物の買い取りで来たはずの業者が、「貴金属を見せてほしい」などと言って、売るつもりのない貴金属を勝手に査定して、買い取るというケースがあります。着物の買い取りといいながらも本当の狙いは貴金属で、「どんな状態の着物でも買い取ります」などというのが常とう手段です。
貴金属は転売しやすくもうけやすいので、着物買い取りで自宅を訪問させ、貴金属買い取りを迫ってくるのが悪徳業者の手口です。依頼者宅に上がったら、買い取ってもらいたい着物を見て「値段がつかないので、貴金属なら高く買い取れる」などと、言葉巧みに誘導します。
買い取り依頼者のほうから「貴金属も売りたい」と言ったのなら問題ありませんが、売りたいのは着物だけなのにしつこく貴金属を買い取ろうとするのは、悪徳業者の可能性がかなり高いです。こちらも押し買いと同様に、しつこい業者はすぐ警察に通報しましょう。
買いたたき
買いたたきとは、品物を相場よりずっと安い値段で買い取る手口です。
依頼者に、着物など売りたい品物の知識がないのをいいことに、本当は数十万する着物を数万~数千円でなど、不当かつ強引に安く買いたたこうとする業者がいます。特に着物は買い取り金額の幅が大きいので、一般の人には妥当な買い取り価格が分かりづらくなっています。業者はそこを突いて安く買い取ろうとするので、注意しなければなりません。
また、業者にだますつもりはなくても担当者に着物の知識がないといったケースもあります。いずれにしても、納得のいかない金額を提示された場合はきっぱり断るようにしましょう。
悪徳業者にだまされないためには
訪問購入の業者は、着物買い取りに関する豊富な知識を持っています。一方、故人の着物を売りたい一般の人には、あまり知識がないケースが多いでしょう。悪徳業者はそこが狙いなので、着物の買い取りに来てもらう場合はある程度知識を身に付けておく必要があります。
悪徳業者に引っかからないためには、あらかじめその業者に関する口コミなどを見ておくといいでしょう。また、トラブルに巻き込まれないためには、手間がかかってもこちらから店舗に出向いて、査定してもらうのも一つの方法です。複数の店舗で査定してもらえば、その着物の妥当な買い取り価格も分かるようになります。
大切な着物を売却するにはご自身でしっかり対策をして、納得できる金額で取引しましょう。
出典
消費者庁 特定商取引ガイド 訪問購入
川南町 悪質な訪問買取、出張買取業者にご注意ください!
独立行政法人国民生活センター 訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー