更新日: 2024.07.11 その他暮らし
将来はマレーシアのクアラルンプールに移住して悠々自適な人生を過ごしたいです。海外移住ってお金とパスポートさえあれば大丈夫ですか?
憧れる方の多い海外移住ですが、無条件で誰でも行けるわけではありません。今回は海外移住先として人気の高いマレーシアの移住条件について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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マレーシアで暮らすにはビザが必要
マレーシアに限らず、海外に一定期間以上滞在するにはビザの発行が必要です。
マレーシアの場合は90日間ならビザなしで滞在できますが、それ以上の場合は「マレーシア・マイ・セカンドホームプログラム」、通称「MM2H」の取得が必要です。そのほかにも長期滞在する方法はありますが、基本的にはMM2Hを使う方法が一般的といえます。
5年以上住み続けるにはMM2Hのビザが必要
MM2Hとは、マレーシア政府が独自に発行している長期滞在ビザです。マレーシア政府観光局の公式ホームページにはマレー半島MM2Hとサラワク州MM2Hの2種類が掲載されており、それぞれ取得条件が異なります。
各MM2Hの取得条件は、表1の通りです。なお、下記にあるマレーシアの通貨「リンギット」は1リンギットで34円(2024年7月時点)です。
表1
項目 | マレー半島MM2H | サラワク州S-MM2H |
---|---|---|
年齢 | 35歳以上 | ・30歳〜39歳:サラワク州内で就学して いる21歳未満の子どもがいる ・40歳〜49歳:サラワク州内で就学している21歳未満の子どもがいる。 またはサラワク州内に60万リンギット 以上の不動産を保有している ・50歳:条件なし |
最低滞在日数 | 年間90日以上 | 年間30日以上 |
職務経歴書 | 代表者と配偶社を含む職歴・所属会社名・過去3カ月の収入が分かる銀行取引証明書 | 代表者の職務経歴書 |
資産証明 | 合計150万リンギット | ・単身:銀行預金に5万リンギット 以上あること ・夫婦:銀行預金に10万リンギット 以上あること |
月収証明 | マレーシア国外で月4万リンギット以上 | ・単身:マレーシア国外で 月7000リンギット以上 ・夫婦:マレーシア国外で 月1万リンギット以上 |
無犯罪証明書 | 申請者全員分 | 代表者のみ |
健康に関する申告 | Medical Form 1 (国際規格の健康診断カード) |
記載なし |
結婚証明書 離婚証明書 出生証明書 |
家族が同行する場合 | 家族が同行する場合 |
定期預金 | ・35歳〜49歳:マレーシア国内の銀行に 100万リンギット以上 ・50歳以上:マレーシア国内の銀行に 100万リンギット以上 ※家族が同行する場合は家族1人につき |
単身の場合:サラワク州内の銀行に15万リンギット 夫婦の場合:サラワク州内の銀行に30万リンギット |
申請手続き費用 | 申請者:5000リンギット 同行する家族:1人につき2500リンギット |
記載なし |
ビザ代金 | 1人につき年間500リンギット | 年間500リンギット |
有効期限 | 5年間 | 10年間 |
表は参考リンクをもとに筆者が作成
上記の条件を見てみると、年齢が最低でも30歳以上だとわかります。有効期限が5年または10年ですが、更新も可能です。
MM2H以外の方法
マレーシアに住む方法はMM2Hだけではありません、ほかには以下の手段もあります。
・学生ビザ
・就労ビザ
・扶養家族ビザ
・PVIP
・永住権
上記の方法はいずれもビザの有効期限が短い、またはビザの取得条件が厳しいといった側面が見られます。
とくにPVIPに関しては保有資産や月収または年収の面で高いハードルが求められるため、相当な稼ぎがないと難しいでしょう。
長期滞在には一定以上の収入が必要
表1から分かるように、MM2Hの発行には一定以上の収入と資産が必要です。マレー半島MM2Hの場合は月収4万リンギット、総資産で150万リンギットがなければビザが取得できません。
これは日本円で月収約132万円、総資産約4950万相当です。35歳の年齢制限があるとはいえ、これだけの稼ぎを若いうちから達成するのは困難といえます。ただし、サラワク州のほうは収入面のハードルが下がるため、収入に合わせてどちらか選択するとよいでしょう。
ビザの取得条件は頻繁に変わる
マレーシアの長期滞在ビザには収入面を始めとしたさまざまな条件が設定されています。移住には収入面で高いハードルが存在するため、誰でも簡単に住めるわけではありません。
また、2024年6月時点で新規申請は終了しており、再開されたときには新しい条件が設けられる可能性もあるでしょう。将来マレーシアに移住するなら、マネープランをしっかりと立てたうえで収入を上げ、貯蓄を増やさなければなりません。
出典
マレーシア政府観光局 MM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)プログラム
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー