更新日: 2024.07.26 家具・片付け
片づけの美学174 子どもの作品はサイズがバラバラ|コンパクトな残し方
「子どもが捨てたがらない」と処分ができなかったり、「時間がなくて選別できない」と大人の都合でそのまま置かれていたりすることもあるでしょう。
住宅のスペースは限られています。できるだけコンパクトに効率よく残していきたいですね。子どもの作品の残し方といえば、「選んで残す」か、「写真で残す」という2つの選択肢が多いと思います。
子どもの成長の一瞬を形に残せる「作品」の保管が、後からかけがえのない宝物になるよう、「残しておいてよかった」と思える形を目指しましょう。
執筆者:奥野愉加子(おくの ゆかこ)
美学のある暮らし 代表
整理収納アドバイザー認定講師。(photo:キャラバンサライ)
奈良生まれ。大学では生活環境学部にて建築やインテリアを学び、英国インターンや建築設計会社勤務を経て、2011年より愛知県で結婚生活をスタート。長男出産後、夫の赴任で2年間のドイツ生活を経験。帰国後の現在は建築家デザインの家で暮らす、5歳と2歳の男児の母。子育てがひと段落したら、建築や暮らしに関連するような仕事をしたいと考え、「一般社団法人ハウスキーピング協会」の整理収納アドバイザーの資格を取得。認定講師として資格取得のための講座を定期的に主催している。
<美学のある暮らし>
長期スパンの収納を用意する
子どもの作品は現物を残す場合、長期スパンで保管を考えましょう。
生まれてから子ども時代が終わる18年ほどの期間、作品は作り続けられます。子どもの全部を残してあげたい! と思っていても、現実的ではありません。作ることが好きな子は、家でも園や学校でも作品を量産して、本当にキリがありません。
収納スペースの問題もありますが、膨大な量では懐かしんで見る気にもなれないものです。1年に10点残すだけでも、10点×18年と180点の作品が残ることになります。18年のうちに、どのくらいの量なら残せるかな、と自宅のスペースを確認することを初めのステップとしましょう。
作品の収納用品の選び方
保管する場所が決まれば、収納用品を考えます。
作品保管箱など、さまざまな収納グッズが売られています。おすすめは紙製のボックス。軽いのがポイントです。内容量が増えると案外重くなります。
サイズも大切です。幼いころは小さな紙に書くことが多いですが、小学生になると図工の時間に八つ切り(272mm×393mm)の紙に絵を描くことが増えます。一般的なペーパーテストはB4サイズ(257mm × 364mm)です。A3(297mm×420mm)くらいのボックスであれば、過不足なく入れることができます。
時々大きな紙があるかもしれませんが、その際は畳んで対応としましょう。厚みはあまり必要ありません。3~4年分が入る5~10cmくらいの商品がよいと思います。そのボックスを本のように立てて収納すると、あまりかさばらず、時系列も確認しやすいです。
一時保管と長期保管を分ける
長期保管には、入れる作品を決めてから追加しましょう。それまでは、一時保管の場所に作品を集めておきます。
「学年が終わるタイミングまで」など、期間を決めておくと処理しやすいです。気軽に加えられるようにリビングなど近くに場所をつくります。ある程度量があると、不思議と「残す」「残さなくていいや」の迷いが減ります。
量が確認できると、思い出深いモノや上手に描けたモノがよく分かるのだと思います。一時保管から長期保管に移す時は、1つずつに子どもの年齢だけは記入しましょう。今ははっきり覚えていても、数年後には「だれが」「いつ」描いたかもあやふやになるものです。
可能であれば、思い出やその時の子どもの様子を書いておくと、振り返りがさらに楽しくなります。
選別はひとまず保護者目線でOK
作品の選別は、保護者の目線で決めてよいと思います。立体の大きな作品は写真で残して、絵は現物保存にする、などご家庭によって選別基準はさまざま。思い入れのある作品だけを残して、残りは全部写真でもよいと思います。
ただ、その写真のデータもどうするか、決めておきたいところですね。
プリントしてアルバムにするか、フォトブックにまとめるかが候補になると思いますが、撮るだけで満足して、そのまま忘れ去られる、というでは、撮影した手間がもったいないです。小さい頃の作品を残すのは、本人のためというよりは、「保護者の子育ての思い出」です。
ただ、子どもが自分で選別したい、自分で残したいと言ったタイミングで、思い出づくりは選手交代です。管理も子どもにお任せしましょう。個人差が大きいと思うので、子どもの様子を見て、話し合えるといいなと思います。
子どもの作品の量は都度見直すつもりで
子どもの作る作品はサイズがバラバラで、大きいモノも多くて収納に困るカテゴリです。少なめに保管していても、年月の積み重ねで量が多くなることも予想できます。「量が増えてきて収納場所に困る」と感じた時に、量の見直しをおすすめします。
執筆者:奥野愉加子
美学のある暮らし 代表