父が「昨日、車の契約をした」と言っていたので慌てて書類を見ると新車購入で「署名・捺印」していました。支払いは「振込」になっていたので、まだ振り込んでいません。クーリング・オフできますか?
配信日: 2024.08.04
そこで本記事では、車の契約でクーリング・オフできるのか、キャンセルは可能なのかについて解説します。契約してしまった車をキャンセルしたい人は、参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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車の購入でクーリング・オフできるのか
クーリング・オフとは、署名や捺印をするなど正式な契約をしたとしても、一定の期間であれば申し込みの撤回や契約解除ができる制度です。
消費者庁の「特定商取引法ガイド」によると、クーリング・オフを利用できるのは、主に以下の方法で取引した場合です。
・訪問販売
・電話勧誘販売
・特定継続的役務提供
・訪問購入
・連鎖販売取引
・業務提供誘引販売取引
車の場合、上記のいずれにも当てはまりません。また、車購入の契約の成立時期は、「自動車の登録がなされた日」と「注文に基づく修理・改造・架装に着手した日」のいずれか早い日です。
契約書に署名や捺印をした場合は、契約が成立したと考えられます。したがって、たとえ振り込み前であっても新車中古車を問わずクーリング・オフできないということになります。
車の購入をキャンセルできるケース
車の購入に関してクーリング・オフは利用できません。しかし、署名や捺印をした場合であっても車の購入をキャンセルできるケースはあります。もっとも、一度契約してしまった以上は振り込み前であってもキャンセル不可の可能性も視野に入れておきましょう。
本項では、車の購入をキャンセルできる方法について解説していきます。いずれの方法であったとしても、すみやかに購入店へ相談することが重要です。
契約が成立していない
前述のとおり、車購入の契約の成立時期は「自動車の登録がなされた日」と「注文に基づく修理・改造・架装に着手した日」のいずれか早い日です。
しかし、販売店が事務処理を行っていなかった場合は、「自動車の登録がなされた日」となっておらず、キャンセルしてもらえる可能性があります。この場合、キャンセル料を求められることもあるので注意しましょう。
また、口約束で購入した場合もキャンセルできる可能性があります。契約書に署名や捺印をしていないため売買契約が確定しておらず、お金を払っていたとしても返金される場合があります。
契約書に規定がある
契約書に、契約解除はできるか・できるとしたらどのような理由であるかについて書かれているケースがあります。契約書に書かれている条件に当てはまっていれば、署名や捺印した場合であっても契約解除できる可能性があるでしょう。
注意したいのは、キャンセルが認められる規定は定められているうえに、当てはまっていたとしても購入者が負担すべき費用がある点です。
売り主側に問題があった
売り主側に問題があった場合は、キャンセルできるかもしれません。売り主側の問題としてあげられるのは、「事故車であることを隠して販売していた」「購入後にエンジンがかからなくなった」などといったケースです。このような場合は、不当な契約であったとして契約解除できる可能性があるでしょう。
契約者が未成年者であった
未成年者の場合、親の同意なく車を購入したとなればキャンセルすることが可能です。この場合は法律上の契約を取り消すことができるため、キャンセル料なども必要ありません。
もっとも、未成年者であっても年齢を偽って購入していた場合は、キャンセルできない恐れがあります。
車の購入は慎重に行おう
車の購入において、新車・中古車いずれの場合であってもクーリング・オフは適用されません。「取りあえず契約して、あとでキャンセルすればよい」と思うのではなく、慎重に考えてから契約したほうがよいでしょう。
もし家族が相談なく車を購入してしまった場合などは、契約のキャンセルができる可能性を探ってみてください。場合によっては、キャンセルを受け入れてくれるかもしれません。キャンセルしたい場合は、なるべく早く購入店に相談しましょう。
出典
消費者庁 特定商取引法ガイド 特定商取引法とは
独立行政法人国民生活センター クーリング・オフ
一般社団法人日本自動車購入協会 車の売買契約は、クーリング・オフで契約解除できますか
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
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