「就活でバイトができないから生活費が苦しい」と言う大学生の息子…学費と家賃は負担しているのですが、さらに援助すべきでしょうか?
配信日: 2024.08.06
しかし、就職活動が本格化してくるとアルバイトをする時間を確保することが難しくなり、生活費が足りなくて困る学生も増えてくるでしょう。
本記事では、アルバイトができない大学生の子どもに対していくらの援助が必要かについて、大学生の家賃や生活費の平均金額も含めてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
大学生一人暮らしの生活費は月いくらかかる?
独立行政法人日本学生支援機構の「令和4年度学生生活調査結果」によると、下宿やアパートなどで暮らし、大学学部昼間部に通う大学生の生活費の内訳は表1のようになっています。
表1
生活費内訳 | 年平均 | 月平均 |
---|---|---|
食費 | 26万2400円 | 約2万1867円 |
住居・光熱費 | 45万5400円 | 3万7950円 |
保健衛生費 | 5万2800円 | 4400円 |
娯楽・し好費 | 12万9900円 | 1万825円 |
その他の日常費 | 17万1300円 | 1万4275円 |
合計 | 107万1800円 | 約8万9317円 |
※独立行政法人 日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査結果」を基に筆者作成
今回の事例では、上記のうち家賃を親御さんが負担しているので、住居・光熱費を差し引いた生活費は約5万円になります。
学費と家賃を別にして、もともとは月5万円程度の生活費と光熱費をアルバイトで賄っていたことになるでしょう。
アルバイトができない場合、月にいくらの援助が必要?
表1のうち、生活の中でも必要なものといえば「食費」や「保健衛生費」「その他の日常費」であると考えられます。この3つの金額を合計すると1ヶ月で約4万円になるため、これに光熱費を足したものが生活費として援助すべき金額の目安になるでしょう。
ただし、あくまで平均であるため、実際に生活費がいくらかかっているのかを聞いたうえで援助する金額を決めることが望ましいです。
また、就職活動をしていると面接や企業説明会に行くこともあるはずです。会場までの交通費を企業が負担してくれるケースもありますが、自分で負担しなければならない場合も考えられます。遠方の場合は交通費のほかに宿泊費などもかかる可能性があり、就職活動前よりも多くの費用がかかると考えられるため、子どもと相談しながら支援するとよいでしょう。
アルバイトで稼いでいた金額を参考に支援するのもひとつの方法
支援すべき金額が分からない場合は、就職活動前のアルバイト収入を参考にするのもよいでしょう。
厚生労働省によると、令和5年度の東京都の最低賃金時間額は1113円です。就職活動前は週に2日、1日あたり5時間アルバイトをしていた場合、月(4週間)で4万4520円以上を稼いでいたことになります。
このように「どのくらいアルバイトの時間が減ったのか」を聞くことで、おおよその収入を把握できるため、支援金額の参考にしましょう。
アルバイトができないと月4~5万円程度の生活費が不足する可能性があるため、援助を検討した方がよい
一人暮らしをしている大学生の中には、アルバイトをして生活費の一部を賄っている人もいるでしょう。「学費と家賃は親から仕送りしてもらっていて、残りの生活費にはアルバイトで稼いだお金を充てている」というケースもあるかもしれません。
しかし、就職活動が本格化してくるとアルバイトをする時間がなくなり、仕送りだけでは生活費が不足する可能性があります。大学生の生活費の平均をみてみると「食費」「保健衛生費」「その他の日常費」など生活に必要な費用が月に4万円ほど足りなくなることが考えられるため、これに光熱費の金額を足したお金を援助する必要があるでしょう。
アルバイトができない間だけでも、学費と家賃以外の生活費をいくら援助すればよいのか、子どもと話し合っておくとよいでしょう。
出典
独立行政法人 日本学生支援機構 令和4年度 学生生活調査結果 IV.集計表 1-1表 居住形態別・収入平均額及び学生生活費の内訳(大学学部・昼間部)(49ページ)
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧 令和5年度地域別最低賃金改定状況
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