更新日: 2024.08.08 その他暮らし
賃貸物件で「雨漏り」発生!早く直したいのですが、修理費用は”自分たちが負担”すべきでしょうか?
今回は、賃貸物件で雨漏りが発生した際の修理費用は誰が負担するのかについて、修理費用の相場と合わせて解説します。賃貸物件にお住まいの方は、いざというときに困らないように、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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賃貸物件で雨漏りが発生した際の修理費用は、オーナー(貸主)の負担が一般的
国土交通省が公表している「民間賃貸住宅に関する相談対応事例集」では、賃貸住宅において原則として借主に修繕義務はなく、一般的には貸主に修繕義務があるとされています。
ただし、入居者に故意・過失がある場合には、借主が修繕義務を負うこともあります。また、賃貸借契約に「修繕は借主が行う」などの特約がある場合には、貸主の修繕義務が免除される可能性もあるため、契約の際は内容の確認を行いましょう。
自然災害で発生する雨漏りは、借主の故意や過失ではありません。雨漏りが発生したら直ちにオーナーに連絡してください。雨漏りが発生した際に入居者がすべきことは、次の通りです。
・家財などを移動する
・貸主や管理会社に連絡する
・雨漏りしている箇所を撮影する
雨水があたると家財が傷んだり故障したりしてしまう可能性があるため、雨漏りが分かったらすぐに家財を移動させましょう。貸主に連絡せずに修理をしてしまうと、修理費用を負担してもらえない可能性もあります。勝手に修理を依頼せず、まずは貸主へ連絡をしましょう。
また、雨漏りの証拠として写真を撮っておくと、原因追及や修理などに役立つかもしれません。余裕があれば、雨漏り箇所の撮影をしましょう。
なお、ひどい雨漏りで生活に支障をきたす場合や、修繕作業のため居住できない場合には、引っ越し費用や居住費用を貸主に請求できる可能性があります。ただし、本当に引っ越しが必要なのかなどの「生活に支障をきたす程度」については、貸主との話し合いが必要となるかもしれません。
雨漏りの修理費用の相場は?
雨漏りの修理費用の相場は、雨漏りの箇所や度合いで大きな幅があります。雨漏りの修理費用の目安を表1にまとめました。
表1
雨漏りの箇所 | 修理費用の目安 | 修理期間の目安 |
---|---|---|
屋根 | 5万~200万円 | 1日~2週間 |
天井 | 5万~15万円 | 3日~1週間 |
ベランダ | 5万~15万円 | 1日~5日 |
外壁 | 5万~200万円 | 3日~2週間 |
窓枠 | 5万~25万円 | 1日~3日 |
※筆者作成
屋根や外壁の費用は、足場代も含まれています。
自然災害による雨漏りであれば「火災保険適用」になる可能性があります。火災保険は火災だけでなく、自然災害にも適用されるケースがあるためです。
例えば、台風による強風で屋根瓦が破損したり、ひょうが降ったためにベランダの床板が破損したりした場合などは「火災保険適用」になる可能性があるでしょう。ただし、火災保険が適用となる雨漏りは、自然災害が原因であるものに限ります。経年劣化や第三者が故意に行った被害は対象になりにくいので注意が必要です。
賃貸物件での雨漏りの修理費用は基本的にオーナー(貸主)負担となる可能性が高い
賃貸物件で雨漏りが発生した場合、原則として修理費用の負担はオーナー(貸主)にあります。ただし、借主の故意・過失がある場合や、賃貸借契約に特約がある場合は修理費用の負担をしなければならない可能性もあるでしょう。
雨漏りが発生すると早急に修理しなくてはと思うかもしれませんが、まずは雨漏り箇所にある家財を移動し、貸主に連絡してください。雨漏り箇所の写真を撮影しておくと、貸主や修繕の業者が原因追及する際に役立ちます。余裕があれば、雨漏り箇所の写真撮影ができるとよいでしょう。
自然災害はいつ起こるか分かりません。突然の雨漏りにも対処できるよう、この記事を読んで参考にしてください。
出典
国土交通省 民間賃貸住宅に関する相談対応事例集(再改訂版) 3.修繕・改善 (1)修繕 Q1.修繕の責任者(45ページ)、Q4.修理期間中の引越費用等の補償 Q4-1.雨漏り修繕中の引越費用(54ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー