小1の子どもが「学童」に通っていますが、夏休みの「お弁当作り」に悩んでいます。“食中毒対策・メニューのマンネリ化”など、どう乗り切れば良いでしょうか…?
配信日: 2024.08.14
本記事では、夏休みの間続くお弁当作りを食中毒のリスクやメニューのマンネリ化、家計への負担を考慮して乗り切る方法を紹介します。
執筆者:西村りえ(にしむら りえ)
2級ファイナンシャルプランナー、AFP
食中毒予防のポイントと時短テクニック
夏場の弁当作りで最も気をつけたいのが食中毒です。調理前の手洗いを徹底し、生ものは避け、十分に加熱調理しましょう。調理後はすぐに冷まし、保冷剤を使って保冷バッグに入れるのが鉄則です。
また、抗菌作用のある素材を使った弁当箱を選ぶのもおすすめです。厚生労働省でも、家庭でできる食中毒予防の方法を紹介しています。ポイントは図表1のとおりです。
図表1
厚生労働省 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
お弁当作りの時間を短縮するコツは、作り置きおかずが強い味方になります。週末にまとめて調理し、小分けにして冷凍しておくと便利です。市販の冷凍食品を活用するのも効率的でしょう。
また、朝早く起きて作りたてのお弁当を持たせるのが理想的ですが、毎日それを実行するのは大変です。そこで、前日の夜に下準備をしておくのもおすすめです。野菜を切っておいたり、肉や魚に下味をつけておいたりすることで、朝の時間を大幅に短縮できます。
メニューのマンネリ化対策
毎日違うメニューを考えるのは大変ですが、曜日ごとに主食を決めておくと、毎朝作るメニューに悩まされずに済みます。例えば、月曜日はおにぎり、火曜日はサンドイッチ、水曜日はパスタ、というようにバリエーションを保ちやすくなり、マンネリ化も避けられるでしょう。
また、子どもと一緒にメニューを考えるのも良い方法です。子どもの好みを反映させることで、喜んで食べてくれる可能性が高まります。
食費の節約術
メニューを考える時に気になるのが費用です。文部科学省が令和3年に実施した調査によると、公立小学校の学校給食費の平均月額は4477円、仮に1ヶ月が20日とすると、一食あたり約224円となります。
対して、マルハニチロの調査によると図表2のとおり、一食の弁当に300円以上かけている人の割合が42.9%と半数近くを占めています。
家計への負担を軽減するためにはセール品はもちろん、安く手に入りやすい旬の食材を活用しましょう。また、作り置きおかずを上手にリメイクすることで食材の無駄を減らし、食費を抑えることができます。
図表2
マルハニチロ株式会社 ~マルハニチロ「お弁当に関する調査 2018」~
家族の協力、学童給食と地域の支援
家族の1人だけがお弁当作りを担当するのではなく、みんなで協力すれば、「毎日1人で作らねばならない」という心理的な負担からも解放されます。
子どもにおかずの盛り付けや果物のカットをお願いするなど、できることを任せてみるのもいいでしょう。お弁当作りの分担表を作成し、視覚化するのも効果的です。
また、地域の支援を活用するのも1つの手段です。学童での給食提供を始めている自治体や、スマートフォンで注文すると学童までお弁当を届けてくれるスーパーもあるため、上手に活用しましょう。
完璧を求めすぎない心構えで
夏休みのお弁当作りは大変ですが、完璧を求めすぎないことが重要です。十分な加熱調理と保冷を心がけつつ、時には冷凍食品を活用してみましょう。全てのおかずを冷凍食品にしても、工夫次第で安価に一食分ができ、衛生面でも安心です。また、手作りおにぎりもコスパが良く、節約にもつながります。
子どもと一緒にメニューを考えたり、お手伝いをしてもらったりすれば、子ども自身も学童でお弁当を開くのが楽しみになるでしょう。曜日ごとにあらかじめメニューを決めておく、家族の協力を得るなどさまざまな工夫をしながら、夏休みのお弁当作りを乗り切りましょう。
出典
厚生労働省 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
マルハニチロ株式会社 ~マルハニチロ「お弁当に関する調査 2018」~
文部科学省 令和3年度学校給食実施状況等調査の結果をお知らせします。
執筆者:西村りえ
2級ファイナンシャルプランナー、AFP