更新日: 2024.08.21 その他暮らし
コンビニでアルバイトをしています。以前、お客さんが買ったコーヒーをこぼして買い直していたのですが、無料でカップを提供し直すべきだったでしょうか…?
そこで、本記事ではコンビニで購入したコーヒーを客がこぼした場合、無料で新たに提供し直すべきか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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提供し直すべきとはいえない
無料でカップを提供し直すべきかどうか、判断基準の1つになり得るのは過失の有無でしょう。今回のシチュエーションでは、コーヒーをこぼしたのは客の不注意です。つまり、過失は客のみにあるといえます。
店員や店側の過失ではないため、無料でカップを提供し直す必要はないでしょう。会計が終了している以上、コーヒーは客のものであり、こぼしても自己責任といえます。
裏を返せば、「店員がぶつかったことが原因でコーヒーをこぼした」場合には、店側に過失があるとして無料で提供し直す必要があるかもしれません。
客がコンビニの店内でコーヒーをこぼした場合、店員が掃除をするケースがほとんどです。「ただ見ているだけ」とはいかないでしょう。客が自ら掃除をするとしても、掃除用具の貸し出しや一連の対応には多少なりとも時間を取られます。
店側としては一般業務を阻害される行為であり、むしろ損害を受けているともいえます。根拠と結論だけで考えれば、客の過失に対する補填をする必要性はないでしょう。
アルバイトの立場で判断すべきではない
アルバイトなどの非正規雇用者と正社員の正規雇用者では業務内容に違いがあり、給与や福利厚生の内容も異なります。加えて、両者の大きな違いは責任能力の有無です。
アルバイトに正社員並みの責任を負わせて仕事をさせることの正当性については、度々議論の対象になります。厚生労働省が発表している「同一労働同一賃金ガイドライン」によると、仕事内容が同一であれば同一の給与を支払うべきとしています。
しかし、実態としてアルバイトと正社員の給与が同一であることはほぼありません。どのような仕事でも、重要度が高いほど責任は重くなります。つまり、給与が異なるアルバイトに正社員並みの責任を負わせて仕事させるのは正しくないといえますし、そうする場合には相応の給与を支払うべきです。
今回のケースは通常業務から逸脱した事案であり、無料でカップを提供し直すのはイレギュラーな対応です。無料でカップを提供することによって、店側は損失を受けます。損失には原価や人件費も含まれるため、単純にカップ1つ分の売上金額ではありません。
仮に無料で提供し直すとしても、イレギュラーな対応である点を考慮し、責任を追うべき正社員が判断する事案といえます。むしろ、責任能力がないアルバイトが判断すべきではないでしょう。同一の状況では、正社員などの責任者に判断を仰ぐべきといえます。
責任者の判断で提供し直す場合もある
今回のようなケースでは新しいカップを無料で提供する必要性はありませんが、提供することで得られるメリットもあります。ただし、アルバイトの立場では判断せず、責任者に指示を仰ぎましょう。
以下に、無料で提供し直す場合に得られるメリットをまとめました。
●一連の対応を丸く収められる
●対応のよさを評価される
店としては損失になりますが、早い段階で新しいカップの提供を提案した方が事態を丸く収められる可能性があります。ただし、必ずしも正当性があるとはいえないので、責任者に判断をお願いするのがよいでしょう。満足度の高い対応として評価される可能性があります。
店側に過失がなければ、提供する必要はない
今回のケースは飲食物を扱うお店では起こりうるトラブルであり、難しい対応であるといえます。状況次第で取るべき対応は変わりますが、今回のように店側に過失がないのであれば、無料でカップを提供し直す必要はないといえるでしょう。
また、イレギュラーな対応をする場合にはアルバイトの立場で判断するのではなく、正社員などの責任者の判断を仰ぐようにしましょう。
出典
厚生労働省 同一労働同一賃金ガイドライン
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー