更新日: 2024.08.26 その他暮らし
10月から置き配に「ポイント」が付くと聞きました。お米や水をいつも「楽天」で購入しているのですが、今後は“置き配”を選ぶとお得なのでしょうか?
本記事では、再配達削減のための取り組み内容や、その背景について解説します。また、取り組みの一環で、配達物の受け取り方を見直して一度に荷物を受け取るなどするとポイント還元を受けられる可能性があります。ネットショッピングをよく利用する人はぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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再配達を減らすことでポイント還元が受けられる
2024年10月から、宅配の再配達削減の取り組みとして、消費者が購入した品の配送に関して配達負荷の低い方法を選んだ際、消費者にポイント還元をするという実証事業が開始されます。
具体的には、国が配送1件あたり最大5円を支援し、その原資を利用して、楽天、Amazon、LINEヤフーなどのECサイトを運営する企業と、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便などの物流企業が連携して、消費者へポイントを還元します。
配達負荷の低い方法とは、コンビニ受け取り、営業所受け取り、置き配、余裕のある日付指定などです。これにより国は再配達の半減を目指しています。
背景は2024年問題と再配達率の高さ
今回の取り組みが実施される背景には「2024年問題」と「再配達率の高さ」があります。
2024年問題とは
働き方改革関連法の改正によって、2024年4月より自動車の運転業務について、時間外労働の上限規制が設けられることに加え、トラックドライバーの拘束時間の規制も強化されます。
これにより、配送に関わる運転手の労働時間が減り、何も対策しなければ今までと同じ物量の荷物を運べなくなってしまう懸念が指摘されており、物流の「2024年問題」と呼ばれています。
再配達率の状況
国土交通省の2024年4月の再配達に関する調査データによると、宅配便再配達率は約10.4%となっています。
前年同月が約11.4%だったことから、数値自体は低下しているものの、宅配便の取り扱い個数は年々右肩上がりに増えている中で、依然として1割ほどの荷物が再配達されていると考えると、物流に対する負荷は大きいと言えます。このことから、国としては、再配達率を6%にすることを目標としています。
各社の具体的な取り組み
今回の実証事業に関して、大手ECサイト各社が公表している取り組みの内容を紹介します。ポイントの還元率は現時点では明確に公表されていないため、今後の発表に注目したいところです。
楽天市場
「日付指定一回受け取りキャンペーン」などを実施し、消費者が日付指定によって複数の荷物を一度の配達で受け取った場合、消費者にポイント還元を行う予定です。
また楽天は2024年7月から、日付指定が可能な商品を楽天市場内で検索上位に表示されやすくし、商品に「最強配送」などのマークを付けるなどして、消費者が日付指定できる商品を判別・選択しやすくしています。
Amazon
「一回受け取りの推進」を目指し、非対面などを含む多様な受け取り方法を活用して、消費者が荷物を一度に受け取った場合にポイント還元を行う仕組みなどが検討されています。
またAmazonは、ラストワンマイル配送(物品が物流の最終拠点から顧客に届くまでの配送)とドライバーの働き方に関わる施策に対し、2024年従来の投資額に追加してさらに250億円以上を投資することを発表し、この取り組みを加速させる意向です。
LINEヤフー
「おトク指定便」と題したキャンペーンなどを実施予定です。「おトク指定便」とは、荷物の配達を「最短配達日」より遅い、余裕のある日付を選択した場合に、消費者にPayPayポイントの還元を行うキャンペーンです。
ポイント還元と社会課題の解決という一石二鳥の取り組みを活用しよう
2024年10月から、ECサイト運営企業と物流企業が連携し、荷物の再配達削減に向けた取り組みがスタートする予定です。
1回で複数の荷物を受け取るなど、受け取り方を工夫することでポイント還元が受けられる仕組みが想定されています。取り組み内容やポイント還元率は企業によって異なる可能性があるため、今後の発表を確認しましょう。
ポイント還元による金銭的メリットだけでなく、再配達の削減という社会的な課題の解決のためにも、この機会に宅配物の受け取り方法を見直してみてはいかがでしょうか。
出典
内閣官房 第5回 我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議 議事要旨
国土交通省 物流の2024年問題について
国土交通省 令和6年4月の宅配便の再配達率は約10.4%でした~前年同月比1.0ポイント減少、前回比0.7ポイント減少~
国土交通省 令和4年度宅配便等取扱個数の調査及び集計方法
内閣官房「物流革新に向けた政策パッケージ」の進捗状況と今後の対応
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー