更新日: 2024.08.27 その他暮らし
友人がユーザー車検を使ったら「3万円以上」費用が浮いたと言っていました。ユーザー車検って“誰でも”できるんですか? ディーラーよりも安いのでしょうか?
しかし、自分でも車検手続きができ、費用を抑えられるかもしれないことをご存じでしょうか。ユーザー車検という言葉を聞いたことがあっても、「自分では無理だろう」と考えている人もいるかもしれません。
本記事ではユーザー車検の概要と注意点、費用の違いを解説します。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
ユーザー車検とは?
ユーザー車検では、通常はディーラーや整備工場に任せる車検手続きを、車の所有者本人が運輸支局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会)にて行います。
ユーザー車検の最大のメリットは、車検費用を抑えられることです。
一方、デメリットとして、ユーザー車検の手続きは平日の日中(午後4時ごろまで)に限られること、自分の時間が取られること、検査に合格できなかった場合は自力で対応しなければならないことなどが挙げられます。
ユーザー車検は誰でもできる?
ユーザー車検自体は、平日の昼間に時間が取れる人であれば誰でも行えます。
ただし、書類の用意と作成、検査レーンでの車の操作、検査に落ちた後の対応まで全て自分で行わなければならないことを知っておきましょう。なお、ユーザー車検を受けるためには、事前の予約が必要です。
検査に不安がある場合や通らなかった場合の整備は、予備検査場を使う
検査に不安がある人は、テスター屋と呼ばれる民間の予備検査場を使うと良いでしょう。車検場に似た環境で本番前に予備検査を受けることで、車検に通るかどうかの確認と必要な調整、検査レーンでの操作の練習を行えます。
費用は、予備検査場によって違いますが、全ての検査をひとまとめにして5000円前後で対応してくれる検査場もあるようです。車検に通らなかったときの調整に対応している予備検査場もあり、使えば安心してユーザー車検に臨めます。
ユーザー車検とディーラー車検を比べるといくら違う?
ホンダのフィットの車検をディーラーで実施するときの費用の一例は次の通りです。
●法定24ヶ月点検費用 3万250円
●保安確認検査料金 1万8150円
●継続手続き料 1万2100円
●法定費用 4万3850円
(内訳 自賠責保険料24ヶ月分1万7650円、重量税2万4600円、印紙代1600円)
●交換部品代 必要に応じて
ディーラーにお願いすると、部品の交換が不要でも、10万円以上かかってしまいます。
一方、ユーザー車検の必須費用は、法定費用である4万3850円だけです。車が車検に通る状態であり、最低限「車検を通すだけ」であれば、ディーラー車検と比べて5万円以上費用を節約できます。
車検を通すだけは危険
ユーザー車検を使えば、前記の通り法定費用だけで車検を終えられますが、「車検に通った車」と「快適に安心して走れる車」は別物です。
車検と法定24ヶ月点検では項目が大きく違い、車検に通った車であっても適切な整備と点検が法律で義務付けられています。したがって、ユーザー車検を使う人でも、法定24ヶ月点検はお店に実施をお願いするという人が多いようです。節約できる費用は減ってしまいますが、普段から車の整備を積極的に行う人でなければ、これが最適解でしょう。
自分で法定24ヶ月点検と適切な整備を行えるほど車に詳しい人であれば、車検費用を法定費用のみに抑えられます。しかし、一般のユーザーであれば車検の手数料の節約のみにとどめ、点検と整備は車の専門家に頼むことを考えたほうが良いでしょう。
ユーザー車検を使っても整備はしっかり行うことが大切
ユーザー車検では、所有者自らが車を持ち込み、手続きを行うことで、車検にかかる費用を抑えられます。不合格だった場合も予備検査場を使うことで解決できますし、書類の作成方法も不明点があれば窓口で教えてもらえるようです。
平日昼間の時間が取れて、検査・書類作成の時間よりも費用の節約を優先したい人は試す価値があるでしょう。
ただし、適切な点検や整備もしない「通すだけ車検」にしてはいけません。車検と点検・整備は別物であることをしっかり理解し、車の整備スキルがない人は、点検・整備だけはプロに任せることが大切です。
出典
国土交通省北陸信越運輸局 新潟運輸支局 ユーザー車検の受け方
Honda Cars 千葉 車検
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士