セルフレジで商品を通し忘れ「うっかり万引き」してしまいそうに! もし万引きしても店側は気付けないと思うのですが、なぜ「セルフレジ」が増えているのでしょうか?
配信日: 2024.08.30
意図せず万引きをしてしまいそうになり焦った経験がある人もいるのではないでしょうか。「誰かが万引きしても店は気づかないのでは?」と心配になってしまうかもしれません。
このようなリスクがあるのに、なぜセルフレジが増えているのでしょうか。本記事では、店がセルフレジを導入することで得られるメリットや万引き対策について解説します。
執筆者:山田麻耶(やまだ まや)
FP2級
店がセルフレジを導入するメリット
最近では、スーパーやコンビニをはじめ、さまざまな店でセルフレジが導入されています。セルフレジを導入することで、店側には次のようなメリットがもたらされます。
人件費の削減
従来のレジでは1つのレジに1人の店員が必要ですが、セルフレジを導入することで、複数台を1人の店員が監視する形にできます。例えば4台のセルフレジを1人の店員が監視することで、従来の4人分の人件費を1人分に抑えられます。
従業員の時給を東京都の現在の最低賃金1113円とし、週3日×6時間働くと仮定した場合、1人あたりの月給は約8万円になるため、3人分で約24万円の人件費を削減できる計算になります。大幅な経費削減につながり、店の利益が増えるでしょう。
顧客満足度の向上
セルフレジの導入は、顧客満足度の向上にもつながります。セルフレジを導入することで、混み合う時間帯でも効率的に対応でき、レジ待ちの行列を減らすことができます。これにより顧客の回転率が上がり、売り上げの向上につながる可能性があります。
スペースの有効活用
セルフレジは従来のレジに比べて一般にコンパクトで、スペースを節約できるのもメリットです。店舗はより多くの商品棚を配置したり、顧客の動線を改善したりすることが可能となり、売り上げ向上につながる可能性があります。
セルフレジで万引きを防ぐための取り組み
セルフレジを利用していると、うっかり商品をスキャンし忘れてしまうことがあるかもしれません。
特に初めて利用する場合や、慌ただしい中での買い物では、スキャン漏れが起こりやすいものです。「意図せず万引きしてしまったらどうしよう?」「故意に万引きする人もいるのでは?」と心配になることもあるでしょう。
ここではセルフレジで行われる、主な万引き対策を解説します。
従業員の配置
ほとんどの場合、セルフレジ付近には従業員が配置されており、目視による監視が行われています。従業員がいることでトラブルが発生した際にすぐに対応することができるほか、来店客は心理的に不正を行いづらくなります。
防犯カメラの設置
セルフレジ付近に防犯カメラが設置されている店もあります。また、商品をスキャンする手元を映し出すなど、従業員の目が届きにくい場所でも監視が強化されています。
出口でのレシートチェック
一部の店舗では出口でのレシートチェックが行われており、未精算の商品の持ち出しを未然に防いでいます。レシートに記載されたバーコードやQRコードをかざすことで、出口のゲートが開く仕組みになっている店もあるようです。
AIと画像認識技術の活用
最新の技術も万引き防止に役立っています。近年開発されたシステムには、商品を持つ手の動きを検知してスキャン漏れや不正行為を通知するものがあります。セルフレジでのミスや不正防止につながっています。
セルフレジの万引き対策はさまざま
セルフレジの導入は、店側にとって人件費の削減やスペースの有効活用、顧客満足度の向上といった多くのメリットがあります。一方、万引きのリスクが高まるため、従業員の配置や防犯カメラ、AI技術の活用など、さまざまな方法で対策がとられています。
セルフレジを利用する際は、スキャン漏れのないように気をつけましょう。
出典
厚生労働省 東京労働局 賃金・最低賃金・家内労働関係
執筆者:山田麻耶
FP2級