更新日: 2024.08.31 その他暮らし

新札が発行されましたが、もともと古かった「聖徳太子」の一万円などはまだ使えるのでしょうか?

新札が発行されましたが、もともと古かった「聖徳太子」の一万円などはまだ使えるのでしょうか?
2024年7月3日に新たな一万円札、五千円札、千円札が発行され、肖像画などのデザインが一新されました。流通量は次第に増えていきますが、依然として前のデザインのお札が財布に入っている方も多いでしょう。
 
最新だった福沢諭吉の一万円札は旧札になりますが、新札の発行前に既に旧札だった聖徳太子の一万円札を未だに持っている方もいるかもしれません。中には、まだ使えるのか不安に感じる方もいるでしょう。
 
そこで本記事では、古い旧札の取り扱いについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

現在でも使えるお札は?

日本銀行によると、現在発行されている銀行券、いわゆるお札は一万円札・五千円札・二千円札・千円札となっています。
 
肖像は一万円札が渋沢栄一と福沢諭吉、五千円札が津田梅子と樋口一葉、千円札が北里柴三郎と野口英世であり、二千円札の表面には守礼門が描かれています。つまり、聖徳太子が描かれている一万円札などは現在発行されていません。
 
日本銀行が銀行券を発行し始めた1885年以降、現在までで56種類の銀行券が発行されました。このうち、現在では25種類の銀行券が有効とされています。
 
25種類の中には聖徳太子の一万円札や五千円札、千円札も含まれます。レジなどの関係で実店舗では使えないことがありますが、五百円札や百円札も25種類の中に含まれるため、有効な銀行券のひとつです。
 
貨幣、いわゆる硬貨においても発行は終了しているものの、現在でも有効とされるものがあります。例えば、1957年に発行された鳳凰が描かれている百円玉などです。
 

旧札はいつか使えなくなる?

過去に発行された56種類の銀行券のうち、現在は25種類が有効とされています。裏を返せば、31種類の銀行券は効力を失っており、銀行券として利用できないということです。
 
一度発行された銀行券は法令に基づいた特別な措置がない限り、効力を失うことはないとされています。ただし、過去3回において特別な措置が実行されているため、結果として31種類の銀行券が使えなくなっています。
 
過去に実行された、特別措置は以下の通りです。

●関東大震災後の焼失兌換(だかん)券の整理
●終戦直後におけるインフレの進行を阻止するための新円切り替え
●1円未満の小額通貨の整理

旧札をいつまでも使えるとは言い切れませんが、不測の事態による特別措置が取られなければ、基本的にはずっと使用し続けられます。つまり、特別措置が取られずに現在の状況が続けば、新たに銀行券が発行されるたびに使える旧札が増えていくということです。
 
なお、聖徳太子が描かれている一万円札のように、現在発行されていない銀行券は日本銀行の本支店などで、発行されている銀行券と引き換えできるとされています。
 
有効とはいえ、お店によっては使えない場合があるでしょう。珍しいものではありますが、いざという時に不便になる場合がある点に注意が必要です。
 

お札を新しく発行するのはなぜ?

新札を発行する主な理由は以下の通りです。

●新たな偽造防止技術を使い、偽造による被害を減らすため
●紙幣にユニバーサルデザインを盛り込むため

福沢諭吉が描かれた一万円札などは2004年に発行されたもので、約20年が経過しています。20年の間で印刷技術は大きな進歩を遂げており、今回の発行では高精度なすき入れ模様や3Dホログラムなどが盛り込まれています。
 
ユニバーサルデザインとは「すべての人のためのデザイン」という意味です。年齢や障がい、国籍などを問わずに利用できるデザインを目指し、お札の種類が識別しやすくなる工夫がされているようです。
 

聖徳太子のお札はまだ使える

現在は発行が終了しているお札でも、25種類は有効とされています。25種類の中に含まれるため、聖徳太子が肖像に描かれているお札も利用可能です。
 
特別な措置がない限り、発行が終了した旧札でも通用力を失うことはないとされています。つまり、明確な利用期限があるわけではなく、基本的には半永久的に利用できるということです。
 
とはいえ、お店によっては使用できないケースもあるため、不安な方は日本銀行の本支店で交換することを検討しましょう。
 

出典

日本銀行 これまでに発行されたお札のうち、現在使えるお札はどれですか? 古いお札を持っていますが、現在も使えますか?
日本銀行 現在発行されている銀行券・貨幣
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集