更新日: 2024.09.09 その他暮らし
ママ友が高校生のお子さんの送迎をしています。「定期券代が高いから」と言っていますが本当ですか? 学生ならそんなに高くないと思うのですが。
そこで本記事では、通学定期の割引率や価格の動向を紹介するとともに、車で送迎する場合との通学コストを比較します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
通学定期券の割引率は一般定期券よりも大きい
定期券は、路線バスや鉄道の一定の区間を繰り返し利用する人を対象にした、一定の期間と区間内に限って何度でも乗り降りできる割引乗車券です。通勤定期(一般定期)と通学定期があり、一般的には通学定期の割引率は高く設定されています。
一般社団法人日本民営鉄道協会によると、民営鉄道だけに限れば大手民営鉄道では通勤定期の割引率が36~45%台なのに対して通学定期の割引率は66~82%台、地方民営鉄道では通勤定期の29~53%台に対して通学定期が42~81%台の割引率です(2019年、初乗運賃区間・1ヶ月定期の場合)。
物価が高騰し、さまざまな公共交通機関が値上げを実施するなかでも、通学定期が大きな割引率を保っていることに変わりはありません。「定期券代が高い」といっても、通常の運賃や通勤定期と比べると交通費がおさえられることは間違いないでしょう。
鉄道・バスの運賃値上げにともなって通学定期券の値段も上昇傾向
公共交通機関の運賃は、運行にかかるコストの上昇などにともなって、必要に応じて値上げが行われてきました。ただし、消費税率引き上げにともなう値上げを除いて運賃を長年据え置いてきた会社も多く、物価上昇の傾向などに比べると値上げがおさえられてきた分野だといえます。
しかし近年は、光熱費の上昇やコロナ禍にともなう利用者減少などの影響で、運賃の値上げを行ったり、予定している交通機関が相次いでいます。運賃の値上げにともない通勤・通学定期を値上げする会社もあり、通学定期の購入費用は上昇傾向だといえるでしょう(値上げ時にも定期の料金を据え置く会社もあり、実態は利用する路線により異なります)。
車での送迎は電車通学より得?
定期券代の節約のために車で送迎をする方法は、本当に節約になるのでしょうか。片道20キロメートルの距離を月20日間登校する場合の、通学定期券代と送迎にかかるガソリン代を比べてみましょう。
ここでは、地図上の距離がおよそ20キロメートルである横浜駅~大船駅間を想定し、JR東日本(東海道線)の1ヶ月間の高校生の通学定期代と、平均的な水準である燃費で1リットルあたり20キロメートルのガソリン乗用車の1ヶ月にかかるガソリン代の目安を比較します。
横浜駅~大船駅間(JR東海道線)を利用する場合、高校生の通学定期(1ヶ月)の料金は5860円です。月に20日登校する場合、1日あたりの通学コストは293円となります。
一方、燃費が1リットルあたり20キロメートルのガソリン乗用車で往復40キロメートルを送迎する場合、必要なガソリンは2リットルです。ガソリンの小売価格が1リットルあたり175円のとき、1日あたりの通学コストは350円となり、通学定期のほうが安い計算となります。
通学区間や利用する交通機関、ガソリンの小売価格などの条件にもよりますが、このケースでは、車で送迎することが節約になるとはいえない結果となりました。ガソリンも高値傾向にあることを考えると、本当に節約になる通学方法を、慎重に検討する必要があるでしょう。
値上げしても通学定期は割安! コスパのよい通学方法を検討しよう
通学定期券は一般の運賃と比べると大幅に割引されている場合が多く、公共交通機関の運賃が値上げされるなかにあっても費用をおさえやすい通学手段だといえるでしょう。ただし、通学定期券の割引率や値上げの動向は、鉄道会社やバス会社によって異なります。
通学にかける費用を上手に節約するには、実際の定期券の料金やガソリン代などの状況をリサーチして、コスパのよい手段を選択することが大切です。
出典
一般社団法人 日本民営鉄道協会 定期券
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー