更新日: 2024.09.09 子育て
千葉在住の高校2年生です。両親が共働きで世帯年収「1000万円」ですが、奨学金を借りられるでしょうか?
しかし奨学金は無条件にもらえるものではありません。審査基準に該当している必要があり、今回のケースのように、世帯年収によっては奨学金の対象にならないこともあります。
本記事では奨学金の概要をご紹介し、該当しない場合の対策についても解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
奨学金の概要
奨学金事業を行っている組織は数多くありますが、代表的な団体は「日本学生支援機構(JASSO)」です。この団体は独立行政法人として、国の奨学金事業を実施しています。
ほかにも、自治体や大学・企業などが実施する奨学金制度があります。対象となる学生や奨学金額などは、団体および奨学金の種類により異なるため、申請を考えている学生は各要項をチェックしなければなりません。
奨学金のタイプは大きく「貸与型」と「給付型」に分けられます。貸与型は有利子もしくは無利子で返済義務のある奨学金で、給付型は返済不要の奨学金です。
世帯年収1000万円で奨学金は申し込める?
世帯年収が1000万円である場合、申し込めるケースと申し込めないケースがあります。運営団体によって異なりますが、日本学生支援機構の「給付型」奨学金の場合は申し込めない可能性があります。
同機構のホームページには、給付型奨学金の収入基準において、世帯の収入・所得上限額の目安が示されており、両親のうち最低1人が給与所得者の世帯で収入基準が最も高い第4区分でも「両親が共働きの4人世帯(両親・本人・中学生)」の場合は総収入が約742万円、「5人世帯(両親・本人・大学生・中学生)」では約798万円が目安となっています。世帯人数にもよりますが、世帯年収1000万円では厳しいかもしれません。
一方、「貸与型第二種奨学金」の場合は、世帯年収1000万円でも奨学金を借りられる可能性があります。同機構の「第二種奨学金」の収入基準における収入・所得の上限額の目安を見ると、給与所得者の共働き世帯において世帯年収1250万円~1334万円のケースが例として挙げられています。
ほかの団体が運営する奨学金については、例えば「公益財団法人キーエンス財団」の場合、応募資格のひとつに「経済的な支援を必要とする者」とあります。年収について具体的に記載されていないため、状況によっては利用できるかもしれません。
千葉県の奨学金については、給与所得者などの場合、収入・所得の目安として家計支持者の年収合計が、4人世帯(両親・申請者本人・中学生)では「665万円(国公立)、735万円(私立)」、5人世帯(両親・申請者本人・中学生・小学生)では「784万円(国公立)、882万円(私立)」以下の場合に申請可能としています。世帯人数によっては資格にかなうかもしれませんが、4人ないしは5人世帯で年収1000万円の場合は難しいと考えられます。
奨学金のメリットとデメリット
奨学金のメリット・デメリットには以下のような点が挙げられます。
●給付型の奨学金は原則として返済義務がない
●教育ローンと比較して金利が低め
●貸与型の場合は卒業後の返済が長期間にわたるケースがある
●希望する奨学金が利用できない可能性もある
奨学金を利用すると、学生時代に自己資金を温存できるほか、「学費捻出のためにアルバイトに追われた結果、学業がおろそかになる」という事態を防ぎやすいでしょう。
奨学金が借りられない場合はアルバイトの選択肢もあり
仮に世帯年収やその他の条件ゆえに奨学金を利用できないか、貸与型の奨学金は利用したくない場合、アルバイトで必要なお金を捻出する選択肢もあります。
参考までに、厚生労働省によると、令和6年度における千葉県の最低賃金(時間額)は1076円です。仮に1日4時間、週に3日働く場合、週1万2912円の収入、月(4週)に5万1648円の収入となります。週5日に増やした場合は週2万1520円の収入、月(4週)に8万6080円の収入です。
奨学金を借りずに、学費をアルバイトで作る場合のメリット・デメリットには、以下のような点が挙げられます。
●将来の返済を気にする必要がない
●社会経験が身につく
●アルバイトのシフトによっては学業に影響が出るおそれがある
●都合のよい職場が見つからず必要なお金に困る場合もありえる
アルバイトで得た収入は、貸与型奨学金とは異なり返済義務をおわない分、気持ちが楽かもしれません。ただしアルバイトに費やす時間や体力によっては学業に差し支えが生じる可能性も否めません。
世帯年収1000万円でも利用できる奨学金制度はある
奨学金制度は数多くあり、運営する団体も多岐にわたります。世帯年収1000万円でも申請可能な制度はあるため、審査に通れば利用できるでしょう。
ただし奨学金には貸与型のものもあり、返済義務が生じます。状況によっては奨学金ではなく、アルバイトで収入を得る方がよいケースもあるかもしれません。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 進学前(予約採用)の給付奨学金の家計基準
独立行政法人日本学生支援機構 進学前(予約採用)の第二種奨学金の家計基準
公益財団法人キーエンス財団 2025年度 奨学生募集要項 2.応募資格
千葉県 千葉県奨学資金の貸付け<平成29年度以降入学者>
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧 令和6年度地域別最低賃金改定状況
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