更新日: 2024.09.13 その他暮らし

いつも使っている定食屋の券売機に「新札使用不可」の文字が。「新札対応」の券売機はいくらくらいかかるのでしょうか?

いつも使っている定食屋の券売機に「新札使用不可」の文字が。「新札対応」の券売機はいくらくらいかかるのでしょうか?
お気に入りの定食屋の券売機に、「新札使用不可」の文字を見つけてがっかりした方も多いのではないでしょうか。新しいお札に対応するためには、券売機の交換や改修が必要になります。一体、券売機を新札対応にするにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
 
今回は、券売機の新札対応にかかる費用や、新札対応券売機の選び方について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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20年ぶりとなる新紙幣による券売機への影響

7月3日から、約20年ぶりに新しい紙幣が発行されました。新しい1万円札には「近代日本経済の父」として知られる渋沢栄一、5000円札には日本初の女子留学生である津田梅子、1000円札には破傷風治療法の開発で有名な細菌学者の北里柴三郎の肖像が使用されています。
 
新紙幣の発行2ヶ月前の5月に財務省が業界団体を対象に行った調査では、金融機関のATMの9割以上、鉄道の券売機や大手コンビニ・スーパーのレジは8割から9割が更新作業を完了する見通しが示されました。
 
しかし一方で、コインパーキングの自動精算機や飲食店の食券販売機は約5割、飲料の自動販売機はわずか2割から3割程度しか対応が進んでいない状況です。中小企業や店舗では、新紙幣対応のための更新費用が重荷となっているケースもあり、いくつかの自治体では費用の一部を補助する制度を導入しています。
 

自治体の補助制度

新札対応の券売機の更新を支援するため、例えば葛飾区は更新費用の半額を最大30万円まで補助する方針を発表しました。申請期間は令和6年7月1日(月曜日)~同年10月18日(金曜日)です。この取り組みは、都内では初の試みです。
 
他府県では、愛知県大口町が昨年9月から50万円を上限に補助を行っています。
 
これらの取り組みは、新しいお札への対応に苦慮する中小企業にとって、大きな追い風となるでしょう。高額な更新費用が負担となり、対応を諦めていた店舗も、この補助金を利用することで、スムーズに新しいお札に対応できるようになることが期待されます。
 

新札対応の券売機は100万円以上

券売機を新しいお札に対応させるためには、1台あたり100万円以上の費用がかかるケースが少なくありません。
 
この状況は、飲食店経営者にとって大きな負担となっています。なぜなら、券売機は店にとって欠かせない設備でありながら、頻繁に交換するものではないため、想定外の大きな支出となるからです。
 

新しいお札への対応に苦慮する小売店

新紙幣の発行に伴い、機械の更新を断念する店舗や、キャッシュレス対応へ移行する店舗も増えています。
 
例えば、大阪市北区にある酒店では、店頭に設置している3台の自動販売機が費用の関係で2021年に導入された新500円玉にも対応しておらず、今回の紙幣刷新でも更新の予定はありません。
 
東京都品川区のコインランドリーでは、新しいお札への対応策として、大胆な決断を下しました。何度も繰り返される券売機の更新費用を抑えるため、現金での支払いを中止し、キャッシュレス決済のみに切り替えたのです。
 
このような状況は、小売店が新しいお札の導入によって直面している厳しい現実を浮き彫りにしています。高額な更新費用は、中小企業にとって大きな負担となり、経営を圧迫する可能性も考えられます。
 
新しいお札の導入は、私たちの生活を便利にする一方で、小売店にとっては大きな課題をもたらしているのです。
 

新札対応の券売機の費用は1台あたり100万円以上かかることもある

新しいお札に対応するためには、券売機の改修や交換が必要となる場合が多く、その費用は1台あたり100万円以上かかることもあります。
 
このような高額な費用が、中小の飲食店や小売店にとって大きな負担となり、対応が遅れる原因の1つとなっています。新紙幣対応の券売機導入が進まない背景には、こうした経済的なハードルがあるのです。
 
一方で、自治体が補助金を提供する取り組みも始まっており、例えば葛飾区では更新費用の半額を最大30万円まで補助する制度を導入しました。このような支援策は、券売機の更新に苦慮する小売店にとって大きな助けとなり、新紙幣への円滑な対応を支援しています。
 
新しい紙幣の導入は私たちの日常生活を便利にするものですが、それを支えるためには、国や行政が店舗側の負担や課題を理解し、適切な支援策を講じることが重要です。
 

出典

葛飾区 自動販売機新紙幣更新対応補助金
大口町 大口町中小企業支援事業補助金<新紙幣対応支援事業>
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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