SNSで「空き家差し上げます」という投稿を見つけました。「0円物件」だそうですが、本当に無料なのでしょうか?

配信日: 2024.09.25

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SNSで「空き家差し上げます」という投稿を見つけました。「0円物件」だそうですが、本当に無料なのでしょうか?
「0円物件」とは、文字どおり不動産購入費用が0円の物件のことです。不動産物件が無料で手に入るならお得だと感じる反面、「何か裏があるのではないか?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
 
そこで本記事では、「空き家差し上げます」という「0円物件」の実態を調査し、メリットとデメリットについて詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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全国にある空き家の数と割合

総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国にある空き家の数と空き家率は 表1の通りです。
 
表1

空き家数 空き家率
2013年 820万戸 13.5%
2018年 849万戸 13.6%
2023年 900万戸 13.8%

※総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果」を基に筆者作成
 
空き家の数は年々増加傾向にあり、2023年における全国での空き家の数は900万戸、総住宅数に対する空き家率は13.8%となっています。
 

0円物件は空き家問題を解決するために活用されている

空き家が増える主な要因として、少子高齢化による人口の減少と都市部への集中が考えられます。これによって、古かったり不便な場所にあったりする物件が空き家となり、年々増加の一途をたどっているようです。
 
さらに、空き家放置による深刻な問題も発生しています。例えば、倒壊や不法侵入のおそれがあるほか、景観悪化などによる近隣への迷惑も引き起こします。また、固定資産税などの税負担が増えることも問題の1つでしょう。
 
これらの問題を解決するために、買い手のつかない空き家を0円(無償)で譲渡する人が増えているようです。
 

0円物件のメリット

空き家のなかには、購入価格が0円の物件もあります。0円物件を購入する際に得られるメリットは、以下の通りです。


・不動産物件が0円で購入できる
・補助金や助成金を利用できる可能性がある
・古い建物を自由に活用できる

「0円物件」の最大の魅力は、土地や建物を0円で入手できる点です。建物だけではなく、以前住んでいた人が使っていた畑や設備なども、そのまま譲り受けられるケースがあります。
 
また地方自治体が、空き家対策や地域活性化の一環として「0円物件」の仲介をしている場合は、ある一定の条件を満たせば補助金や助成金を利用できるケースもあるようです。
 

0円物件のデメリット

0円物件を購入した際に考えられるデメリットは以下の通りです。


・リフォーム費用や維持費がかかる
・税金がかかる
・手続きなどを自分で行う必要がある
・瑕疵(かし)担保の免責がある

不動産を取得する際に必要な費用は0円ですが、その多くは築年数が古い物件であるため、リフォームに多額の費用が必要になる可能性があります。さらに建材が古いため、維持費や管理費などのランニングコストがかかるかもしれません。
 
また、不動産を譲り受けるときの代金は0円でも、法的には贈与として扱われるため、贈与税や不動産取得税などの税金がかかることを忘れないようにしましょう。
 
贈与税は110万円以内であれば課税対象にならないのでは? と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、例え無償で譲渡された物件であっても、その不動産の固定資産税評価額が110万円を超えると贈与税の課税対象になるのです。
 
さらに不動産の提供が無償であることから、住宅に住めないほどの欠陥が見つかったとしても、補修費用の負担請求や契約破棄ができないケースが多いようです。売り主が責任を負わない「瑕疵担保の免責」となるためです。
 
このように、0円物件にはメリットもありますがデメリットも多いため、購入の際には慎重に検討しましょう。
 

0円物件は本当に0円で購入可能! ただし税金などの諸費用がかかる

「0円物件」としてネット上に紹介されている物件は、本当に0円で購入可能です。ただし0円物件の購入は、法律上では贈与として扱われるため、贈与税や不動産取得税などの税金がかかる可能性があります。
 
なお、0円物件の多くが古い建物のため、リフォームをする場合は多額の費用がかかる可能性があるでしょう。
 
しかし近年では、地域活性化の一環として一定の条件を満たした購入者に、自治体から補助金や助成金が支給されるケースもあります。このように、0円物件を購入する際はメリットとデメリットの両方があるため、慎重に検討しましょう。
 

出典

総務省 令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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