よく通っているカフェのストローが「プラスチック」から「紙」に変わりました。少し苦手なのですが、なぜ普及しているのでしょうか?

配信日: 2024.09.27

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よく通っているカフェのストローが「プラスチック」から「紙」に変わりました。少し苦手なのですが、なぜ普及しているのでしょうか?
近年、飲食店やカフェで目にする機会が増えた紙ストロー。プラスチック製のストローに代わり、環境に配慮しているとして注目を集めています。しかし、なぜ紙ストローが急に普及し始めたのか、疑問に感じる人もいるでしょう。
 
紙ストローが普及した背景には、環境問題への意識の高まりや企業の取り組みなど、さまざまな要因があります。本記事では、紙ストローが普及した理由や、その影響について調べてみました。
FINANCIAL FIELD編集部

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紙ストローが普及した背景

紙ストローが普及し始めた最大の理由は、海洋プラスチック問題への対応です。海に流出したプラスチックごみは、多くの海洋生物の命を脅かしているとされています。
 
海に生息するクジラやウミガメ、海鳥などがプラスチックを餌と間違えて摂取し、命を落とすケースが後を絶ちません。さらに、プラスチックが分解されてできるマイクロプラスチックは、食物連鎖を通じて人間の体内にも蓄積される可能性があり、健康への影響が懸念されています。
 
環境省の「プラスチックを取り巻く国内外の状況」によると、日本は一人当たりの海洋プラスチック廃棄量がアメリカに次いで世界第2位を誇る国であり、この問題に対する取り組みが急務となっているといえるでしょう。使い捨てプラスチック製品の削減は、海洋環境保護のために重要な課題と認識されており、その一環として紙ストローへの切り替えが進んでいるのです。
 

SDGsへの取り組み

紙ストローの普及は、2015年に国連サミットによって決議されたSDGs(持続可能な開発目標)の達成目標のうち、海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用することを掲げたGoal14「海の豊かさを守ろう」の実現に向けた脱プラスチックへの具体的な取り組みとして、レジ袋の削減やエコバッグの利用などとともに多くの企業が取り入れています。
 
企業がSDGsに積極的に取り組むことで、環境に配慮したイメージを構築し、消費者からの支持を得ることができると考えられています。紙ストローの導入は、企業のSDGs達成への姿勢を示す象徴的な取り組みとして注目されており、多くの企業が導入を進めていることも、紙ストローの普及を加速させている要因です。
 
世界各国で使い捨てプラスチック製品の規制が強化されていることも、紙ストローの普及を後押ししています。EUでは2021年から、使い捨てプラスチック製品の使用が禁止されました。日本でも、2020年7月からレジ袋の有料化が義務付けられるなど、プラスチック削減の取り組みが進んでいます。
 
こうした法規制の強化を見越して、多くの企業が先行して紙ストローへの切り替えを進めています。将来的な規制強化に備えることで、スムーズな移行を図るとともに、環境に配慮した企業としてのイメージアップを狙っているのです。
 

紙ストローを使いたくない場合の対処法

紙ストローが苦手な場合、バイオマスプラスチックを使ったストローや、再利用が可能なストローを持参して利用するという方法があります。
 
バイオマスプラスチックは、植物由来の原料で作られたプラスチック素材です。バイオマスプラスチック製のストローは、プラスチックの使用感を維持しつつ、環境負荷を低減できる可能性があります。
 
そのほか、アルミやステンレス、シリコン、竹などの素材で作られた再利用可能なストローは、ごみの削減に一定の効果が望めるでしょう。
 
1本当たりの価格はバイオマスプラスチック製(使い捨て)が10円程度、洗って繰り返し使用できるアルミやステンレス製が300円~700円程度、竹製は1本当たり使い捨てのものは10円程度、繰り返し使えるものは250円~500円程度となっています。
 

紙ストローの普及の背景には海洋プラスチック問題とSDGsへの取り組みがある

紙ストローの普及は、海洋プラスチック問題への対応やSDGsへの取り組みなど、さまざまな要因が複合的に作用した結果です。環境負荷の低減や企業イメージの向上といったメリットがある一方で、コスト増加や品質面での課題など、解決すべき問題も存在します。
 
今後は紙ストローの品質の向上や、理解の促進、さらなる法規制の強化などにより、紙ストローを含む環境に配慮した製品の普及がさらに加速していくと予想されます。
 
紙ストローが苦手な場合、バイオマスプラスチックを使ったストローや、再利用が可能なストローを持参して利用するといいでしょう。
 

出典

環境省 プラスチックを取り巻く国内外の状況<参考資料集>(10ページ)
外務省国際協力局 持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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