更新日: 2019.07.05 その他暮らし

マイホームのメンテナンスをしたい。リフォームにも助成金があるのを知っていますか?

執筆者 : 重定賢治

マイホームのメンテナンスをしたい。リフォームにも助成金があるのを知っていますか?
家計について考えるときは、「収入」「支出」「資産」「負債」の4つの視点で考えると、問題が整理しやすくなります。ここしばらく、「支出」のうち「住宅関連費」についてお伝えしていますが、今回は、マイホームにかかわる「補助金・助成金」についてみていきたいと思います。
 
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

補助金・助成金の考え方

補助金・助成金は、「収入」「支出」「資産」「負債」の4つの中ではどれに当てはまるでしょうか。補助金・助成金は申請すれば、使ったお金のうち3分の1、2分の1などの補助率・助成率の範囲内でお金が戻ってくる制度です。
 
マイホームのメンテナンスが必要になり、リフォームをする場合、お住まいの自治体の「リフォーム助成金」という制度を利用することができます。
 
例えば、リフォーム費用に200万円かかり、その助成率が3分の1だった場合、申請後、およそ66万6000円が助成されます。
 
このとき、家計のお金の流れは、まず「支出」からリフォーム費用が出ていき、申請後、補助金が一時収入として「収入」の欄に入ります。そして、リフォーム後は、「資産」の中にあるマイホームの価値が上がります。
 
リフォームにお金を使ったことでまとまったお金が出ていきますが、反面、補助金が支給されるため家計簿の中の「純利益」の目減りを抑えることができます。
 
また、リフォームをした結果、貯蓄資産は減りますが、マイホームの資産価値が上がるため、資産表内では資産から負債を差し引いた「純資産」の目減りも抑えることができます。
 
補助金・助成金制度を利用すると家計内でこのようなお金の流れになるため、同じお金を使うのなら、なるべく補助金・助成金制度を活用した方が家計面での資金効率は良くなります。
 

リフォーム助成金の内容とは?

さて、マイホームにかかわる補助金・助成金はたくさんありますが、今回は基本的な補助金ということで、前述した「リフォーム助成金」について内容をみていきたいと思います。
 
「リフォーム助成金」は各自治体で準備されていて、耐震やバリアフリー、省エネなどの目的によって細かく種類が分けられています。そのため、どちらかというと見つけ出すのが難しいかもしれません。
 
それをサポートしてくれるサイト(「地方公共団体における住宅リフォームにかかわる支援制度検索サイト」など)もあるので、活用してみるといいでしょう。
 
それでは、リフォーム助成金について、東京都江戸川区が行っている「江戸川区戸建住宅耐震改修設計等助成事業」を例としてみていきたいと思います。
 
助成内容としては、(1)耐震コンサルタント派遣(簡易診断)、(2)精密診断・耐震改修設計、(3)耐震改修工事の3種類となっています。
 
対象となる戸建住宅は、(1)江戸川区内にある、個人が所有する住宅で、(2)昭和56年5月31日以前の旧耐震基準で建築された住宅、(3)そして、店舗併用住宅の場合、延べ床面積が2分の1超の住宅であること、のすべてを満たす必要があります。
 
助成金の額は、耐震コンサルタント派遣は無料、精密診断・耐震改修設計については助成率が5分の4。限度額が、木造住宅では30万円、非木造住宅では45万円となっています。
 
そして、耐震改修工事をした場合、助成率は課税世帯では2分の1、非課税世帯では3分の2、それぞれについて限度額が100万円、150万円となっています。
 
おおむね、どの自治体でも耐震改修工事などへの助成は行われていますが、工事を行った場合、100万円を限度に助成金が支給されると覚えておいて差し支えありません。
 
これからマイホームを買うご家庭でも、すでにマイホームを購入しているというご家庭でも、住宅のメンテナンスは必要不可欠な要素です。補助金は期間限定の一過性のもの、助成金は末永く準備された恒久的なものという違いはありますが、家計にとってとても助かる良い制度といえます。
 
マイホームのメンテナンスを思い立ったら、お住まいの自治体が準備している補助金・助成金制度をぜひ活用してみてくださいね。次回は、近居・同居を支援する制度についてみていきたいと思います。
 
出典:江戸川区ウェブサイト 住宅・建築物の耐震化助成制度>戸建て住宅など
 
Text:重定 賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)