来年定年ですが、大学生になる息子がいます。年金暮らしでも「月5万円」は仕送りすべきですか?
配信日: 2024.10.18
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大学生の経済状況
大学生は、親からの仕送りやアルバイト収入、奨学金などを活用して生活していることがほとんどです。現在は多くの大学生が奨学金を利用していますが、生活費が足りない場合、アルバイトなどで補っているケースが多いでしょう。
しかし、コロナ禍の影響を受けて、アルバイトの機会が減少したことにより、これまでアルバイト収入で生活費の大半を補ってきた大学生の経済状況は厳しくなっているのが現状です。
大学生の生活費
大学生の生活費は、住んでいる場所や生活スタイルによって大きく異なります。全国大学生活協同組合連合会の「第59回学生生活実態調査」によると、下宿している大学生の1ヶ月の生活費は、表1の通りです。
表1
支出項目 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|
食費 | 2万4130円 | 2万5880円 |
住居費 | 5万3020円 | 5万4130円 |
交通費 | 4210円 | 4330円 |
教育娯楽費 | 1万3270円 | 1万2840円 |
書籍費 | 1540円 | 1500円 |
勉学費 | 1430円 | 1260円 |
日常費 | 7430円 | 7330円 |
通話通信料 | 3460円 | 3190円 |
その他 | 2170円 | 2290円 |
貯金・繰越 | 1万2970円 | 1万4740円 |
合計 | 12万3630円 | 12万7500円 |
出典:全国大学生活協同組合連合会「第59回学生生活実態調査」を基に筆者作成
下宿生の支出の中でも、家賃が大きな負担となっていることが分かります。食費については、自炊か外食かによっても左右されるでしょう。加えて、交通費や通信料などの日常生活にかかる費用も発生します。
大学生の子どもへの仕送りは必要?
大学生の子どもへの仕送りは、各家庭の経済状況や学生の生活スタイルによって異なりますが、特に自宅から離れて生活する学生にとって、家賃や生活費の一部を親からの仕送りで賄うケースは珍しくありません。
ただし、仕送りが全ての学生に必要であるとは限りません。学生がアルバイトをして自分で生活費を賄ったり、奨学金を受け取ったりしている場合は、仕送りが少なくても問題ないこともあります。
一方で、アルバイトが学業に影響を及ぼしていたり、十分な収入が得られなかったりする場合は、親からの仕送りが大きな助けとなります。経済的支援の有無や金額については、学生と親がしっかり話し合い、生活費のバランスを保つことが重要です。
平均的な年金受給額
大学生の子どもへの仕送りを考えるためにも、自身の年金受給額について把握しておくことが重要です。年齢階級別の平均的な年金受給額は、表2の通りです。
表2
本人の年齢 | 本人の公的年金平均額(年額) |
---|---|
65歳以上70歳未満 | 144万4000円 |
70歳以上75歳未満 | 146万5000円 |
75歳以上80歳未満 | 148万9000円 |
80歳以上85歳未満 | 157万3000円 |
85歳以上90歳未満 | 165万4000円 |
90歳以上 | 164万9000円 |
出典:厚生労働省「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年」を基に筆者作成
年齢が高くなるほど年金の平均額も高くなる傾向にあり、月あたりに換算すると12万円~14万円程度となっています。
自身の収入と仕送りのバランスを考えよう
大学生は、限られた収入の中で生活費を管理する必要があります。アルバイト収入や奨学金などが主な収入源となる一方で、生活費、学費、交際費など支出は多岐にわたります。経済状況が厳しいために、学業に影響を及ぼすことを避けるには、親からの支援が重要です。
ただし、年金暮らしの方の場合には、自身の生活とのバランスを考える必要があります。厚生労働省の「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年」によると、本人の公的年金額が月額15万円~20万円の割合が最も多くなっています。平均的な年金受給額を考慮した場合、自身の生活を整えるためには、公的年金以外の収入が必要と考えられます。
大学生の子どもへの仕送りに出費が偏ってしまうと、自身の生活が成り立たない恐れがあるため、仕送り額を変更する、年金以外の収入について検討するなどの対応が必要でしょう。
出典
全国大学生活協同組合連合会 第59回学生生活実態調査 概要報告 1.学生の経済状況 (2)下宿生の生活費
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)令和4年 表番号1 性別・本人の年齢階級別・本人の公的年金年金額階級別 受給者数
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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